エピソード6 ― アミヤの不安
翌日。
――アミヤ側。
昨日フジミヤに質問した時、彼の顔に残っていた青あざが、アミヤの心に小さな疑念を残した。だが今は考えても仕方がないと頭を振り、次のプロジェクトの打ち合わせのため会議室へ向かった。
会議が終わった後、アミヤは久しぶりに二人の親友、**桐野サキル**と**有間ホタル**を連れてカフェへ行くことにした。
---
**アミヤ**
「ふぁぁぁ……ひさしぶりにゆっくりできる気がするわ~」
**サキル**
「アミヤ、すっごく嬉しそうだな」
**ホタル**
「そりゃそうでしょサキル。こいつはね、仕事が終わってないと落ち着かないタイプなんだよ。だから頭の中がいつも飛び回ってるの」
**サキル**
「やれやれ、悪い癖だな」
**アミヤ**
「えへへへ……」
三人はそんな軽口を叩きながら、カフェの中に入り、席を探した。
---
**サキル**
「すみません、注文いいですか?」
店員がメニューを渡してくる。
**アミヤ**
「私は……バニラバタークリームとチョコレートパフェ!」
**サキル**
「俺はアメリカーノでいいや」
**ホタル**
「えっ!? コーヒーだけ?」
**サキル**
「悪いか?」
**ホタル**
「い、いや……別に……」
**サキル**
「で、ホタルは?」
**ホタル**
「ストロベリーサンデーで!」
**アミヤ&サキル**
「ええええぇぇ!? 意外すぎ!」
---
注文を済ませ、三人は再び話を始めた。
**アミヤ**
「そういえばカイは? 今日見かけなかったけど」
**ホタル**
「会議のあと、すぐ帰ったみたいだよ。なんか次のプロジェクトの準備があるって」
**アミヤ**
「ふぅん……」
そんな様子を見ていたサキルが、アミヤの様子に違和感を抱き、問いかけた。
**サキル**
「アミヤ。さっきから元気が空回りしてるように見えるけど……何か悩みでも?」
**ホタル**
「どうせプロジェクトのこと考えすぎなんでしょ」
**アミヤ**
「あはは、そうそう! プロジェクト多すぎてね~」
サキルは納得していないような顔をしたが、それ以上は何も言わなかった。
---
一方その頃――。
フジミヤはヒルマのアパートへ向かっていた。荷物を届けるためだ。ドアを叩いて呼びかけるが返事はない。
**フジミヤ**
「……鍵、開いてる?」
中に入ると、ベッドの上で倒れているヒルマの姿が目に飛び込んできた。周囲には散乱した薬の瓶。
**フジミヤ**
「ヒルマッ!! しっかりしろ!!」
急いで病院へ搬送する――。
---
数時間後、夜。
**ヒルマ**
(……ここは? 俺の部屋じゃない)
**フジミヤ**
「やっと目が覚めたか」
**ヒルマ**
「フジミヤ……ここは?」
**フジミヤ**
「病院だ。詳しい話は、医者の説明を聞いてからだな」
まもなく医者が入ってきて診察結果を告げた。
**医者**
「命に別状はありません。ただ原因は頭部の外傷、強いストレス、そして睡眠薬の影響が重なったものです」
---
診察後、フジミヤは深く息を吐いた。
**フジミヤ**
「一晩だけ、ここに泊まれ。費用は俺が出すから」
**ヒルマ**
「……悪い。迷惑かけた」
その夜、ヒルマはベッドの上で天井を見上げ、小さく呟いた。
**ヒルマ**
「……アミヤ。ごめん……俺は君を守れなかった」
---
翌日。
フジミヤは例のランボルギーニで大学へ。校内は一瞬で騒然となった。
**女子学生A**
「ちょっ……誰あの王子様!?」
**女子学生B**
「車もすごいし……顔見たい!」
フジミヤはため息をつきながらマスクを深くかぶり、物陰を縫うように教室へ。
(ああもう、なんで普通の車が修理中なんだよ……!)
---
授業後。
**フジミヤ**
「よし……ヒルマを迎えに行くか」
だが駐車場で車に乗ろうとした時、誰かが背中を叩いた。背筋が凍る。
その頃、病院前。
**フジミヤ(電話)**
『ヒルマ、今どこだ?』
**ヒルマ**
「出口のところだ。ランボルギーニの中だろ?」
**フジミヤ(電話)**
『ああ、入ってこい』
ヒルマが車に乗り込むと、運転席にはヘルメット姿の人物。
**ヒルマ**
「おい……なんでヘルメットなんか――」
ヘルメットを外した瞬間、現れたのは――
**ヒルマ**
「ア……アミヤ……!?」
**アミヤ**
「……うん。私だよ」
---
### 作者コメント
なぜフジミヤの車にアミヤが……?
ヒルマはこの状況をどう受け止めるのか。
続きは次回――気力があれば、だけど。
---




