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第五十七話

今回は緋彩視点です

 うたのんは意外とえっち。


 私が誘惑してるせいだけど、段々私とかあおちんとか見てる時の目がえっちになってきてる。かなかなは……ないから、うん。って感じだけど。


「……にしても、衣擦れか」


 そんなにえっちなのかな、衣擦れって。たかが布が肌と擦れるだけだし、そんな大袈裟に捉えるようなものでもないと思うんだけど。


 ……ちょっとうたのんで想像すればわかるかな、多分分からないと思うけど。




 …………分かっちゃった。


 というか私、結構うたのんのそういうのに聞き耳立ててた。そりゃもうガッツリと。


 ベルト外す音とか制服のネクタイ取る音ワイシャツ脱ぐ音ズボンのファスナーの音……にへへへ……。


「っは! ……こんな事してる場合じゃない」


 まだ水着が残ってる。早く着て早く見せていっぱい褒めてもらう! ちょっとさっきのはオーバーキル気味だったけど……。変な声出ちゃうからやめて欲しい。


「……次はこれ、か」


 赤のフリル付きのオフショルダー。……赤か、さっきの黒のヤツといい、なんかセクシーな印象になりやすい色のばっかりじゃない?


 際どいわけじゃないけど……うぅ……恥ずかしい。


 自分の体が武器になる、それはとってもいいこと。でもそれを恥ずかしげもなく使えるかは別。押し付けるとか、擦り付けるとか、それこそ、み、見せるとか……。うたのんにも頑張ってるのバレて「無理しなくていいんだぞ?」って言われるぐらい恥ずかしいもん。


 まぁ、それを最大限生かすための水着なんだけどね……。海で初お披露目よりはいいかな。正気に戻してくれる人居ないだろうし。三人してあんななったらやばい。


 っと……着てみたけど、意外と、普通?


 フリルがいい感じに幼く見せてくれてると言うか……言語化難しい。


 とりあえずうたのんに見てもらお。


「……着た」


「女神がいる。美の女神」


 またオーバーキルされた。


 うぇへへへ。



 ──────────



 水着を買い、ショッピングモールを出ると、外は既に夕暮れ時。


 結局全部褒めちぎられて醜態晒しました。どうも橘緋彩です。


 あの後も何着か試着させて貰って、何とか耐えようと思ったけど、全部完全敗北しちゃいました。


 ぐふっ、ぐふふふ……おっと失礼しました。思い出すだけでニヤけが止まらない。まぁ、表情筋はあんまり動いてないんだけどね。ほっぺた触って確認したから間違いない。


「なぁ緋彩、本当にどの水着買ったか教えてくれないのか?」


「……もちろん」


 隣を歩くうたのんが少し残念そうに肩を落とす。そういう反応されると「これ買った!」って言いたくなるからやめて欲しい。


「……うたのんが決められなかったのが悪い」


「うぐっ……そう言われると何も言い返せないな」


 本当はうたのんに決めてもらう予定だったのに全部べた褒めでずーっと決めて貰えなかったんだからこれぐらいは、ね?


 サプライズにもなるし! ……というかそっちがメインだけど。逆に決めてもらえなかったのがよかった説もあるかもしれない。


 ……まぁもちろんうたのんが一番褒めてくれたやつに決めたから絶対見たら喜んでくれるのが確定してるサプライズだけども。


「……海、楽しみ」


 ビーチバレーにBBQ、夜は温泉に入ってその後肝試し……。あおちんとかなかなと考えたスケジュールに抜かりはない……! すっごいありきたりな気もしなくもないけど。


「そうだな」


「……プライベートビーチだから好き放題」


「え……プライベート、ビーチ?」


 信じられないものを見るみたいな目でこっちを見て固まるうたのん。


「……うん、あおちんの家が持ってる《《島》》のビーチ。ビーチバレーのコートとか、普通に夏以外でも遊べる屋外運動場とかもある」


「そっかぁ……」


 ビーチ、島、運動場……とうわ言のように呟きながら歩くうたのん。なんかおかしなこと言ったっけ?んー……。


 …………そもそも島持ってるのが普通じゃないのか。うたのんは昔の事とか覚えてないし、私達の事は高校で知り合ったお金持ちのお嬢様って印象だっただろうしね。


「……戻ってきてうたのん。島持ってるって言っても社員さんとかからもお金もらって社員旅行用に買った島だから」


「いやそもそも社員旅行用で島買うって発想にはならないんだよ」


「……それはそう」


「まさかこんなところで一般家庭との差を見せつけられるとは思わなかったわ」


「……なんか嫌味っぽい」


 いや、流石にそんな言い方にもなるでしょ、とうたのんが苦笑する。


「……まぁ確かに」


「だろ? あ、でも別に楽しみじゃないわけじゃないからな!? 絶対楽しいだろうし、いつも使えない食材とか使った料理もしてみたいし!!」


 必死になる理由は料理なのか……へー、ふーん。まぁ別に、うたのんからしたらただの友達との海水浴ぐらいにしか考えてないでしょうし?


「あ、いや……料理メインじゃないぞ?」


 目が泳いでる。それとほっぺたをかくのはうたのんが嘘ついたりしてる時の癖。


 結論、料理メイン。


「……女の子より料理なんだ」


「ち、違うぞ緋彩!? これは──」


 苦しい言い訳を続けるうたのんをからかいながら帰る帰り道は、とても楽しかった。

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