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第五十六話

昨日投稿をサボってしまって申し訳ありません

「……どう?」


「「……………………」」


「……ぼーっとすんな」


「いってぇ!?」


 ここはどこ!? 俺は小野寺詩乃であってる!?


 よしあってる!!


「んで目の前にいるのは女神!?」


「んにゃっ!?」


 黒いクロスホルタービキニを着て、少し恥ずかしそうに手で体を隠す。その仕草も綺麗だが、黒という色が女神様の真っ白な肌を際立たせていて、もはや光っているかのよう。


 普段のダラっとした印象を払拭するような引き締まった体つきから目が離せない。


 ……あれ、なんで俺女神様の普段の生活なんて──


「ご、ごめん!!」


「ぴゃぅっ!?」


「女神とか光ってるとか目が離せないとか変なこと言ってごめん!」


「あぅっ、うぅっ、はぐっ!?」


「肌白いなとか、めっちゃ綺麗だなとかスタイルいいなとか思ってたけど言うつもりはなくて!」


「うふ、えへ、ふへへへへ」


「あの、御二方。他のお客様の迷惑になりますのでこれ以上はご遠慮ください」


 あと彼氏さんは彼女さんのこと見ないでください、と店員さん。


 完全に我に返ってしまった俺、言われるがままで緋彩を見ないように後ろを振り返るとニヤニヤしている人や緋彩に釘付けになって殴られてる人などを赤面なんてレベルじゃない。


「えへ、うへ、うへへへへへ」


「うぁぁぁ……彼女さーん、帰ってきてくださーい。そんなだらしない顔見せられないですよー!」


 後ろからは変なの聞こえるし……!


 多分俺が褒めまくったせいでキャバオーバーしてるんだろうけど!


「お、お騒がせして大変すいません……!」


「いいよいいよー、気にしないでー」


「うるさくした分ぐらいの砂糖こっちは貰ったしね。旦那は後で殴るけど」


「カップルなんだしこれぐらいイチャイチャしてる方がいい!」


 あったかい人が多くて助かった……。でもうるさくした事は本当に悪いと思ってるし、注意されるまで気づけなかった俺が悪いです本当にすいません!


「……う、あぅぅ……ばかぁ……」


「あ、彼氏さん。彼女さん帰ってきたんであとパスです。私はこのままだと時間なくなりそうなのでもう少し厳選します」


 え、この状況でパスですか、緋彩全然こっち向いてくれないししかも顔隠してて表情も読めない、ついでに口も聞いてくれないのにですか。まぁ、やるだけはやるけどさ。


「緋彩、顔見せて」


「……や」


「なんで?」


「………………」


「顔ふにゃふにゃだから?」


「……ばか」


「そっかそっかぁ……でも、俺何回か緋彩のふにゃふにゃ見てるよ?」


 嘘だけど。


「は!?」


「はい捕まえた」


 慌てて顔あげる所まで計算済み、顔を逸らさないようにしっかり抑える。


 デレデレで真っ赤な顔が目の前に。威嚇するみたいに呻いているのも可愛い。


「……はにゃしぇ」


「嫌だね。これじゃあ可愛いって言う度に顔隠される。てことで……」


「……にゃ、にゃにを……!?」


 身構える緋彩に鼻がつきそうなぐらいの距離で最後通告を言い渡す。


「家帰ったら練習な?」


「……はへ?」


「……あれ、もしかしてここでやると思った?無理無理俺も恥ずかしいし!」


 お店にも迷惑かかるし。そしてなにより、


「あと何枚か水着見たいしな」


「「はぁ〜〜〜〜〜」」


 何故ため息……?しかも店員さんまで。全く理解できないんだけど?


 今の最適解ってこうじゃないの?迷惑かかるし、緋彩も話せるようになったし。えぇ……?


「いつもこんななんですか? 彼氏さん」


「……まぁ、こんな」


 なんか、蔑まれてるって言うか、憐れまれてるって言うか……なんで?


「頭固定して、あれだけ近づいて何もなし……」


「……思わせぶりな台詞も無駄」


「「はぁ〜〜〜〜〜」」


 だからなんでため息……。


「彼氏さん」


「は、はい」


 相変わらず憐れむような視線のままの店員さん。全くなんでか分からないけど。


「貴方って本当に本当の意味で女誑しなんですね」


「えっ」


「まぁいいです。さ、彼女さん、ほかのもチャチャッと着て、選んでもらいましょう」


「……そうする」


 店員さんから受けとった水着を持って、また試着室の中に緋彩が戻っていく。



 え、えぇ……?

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