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第三十五話

『モードを選択し──』


「…………」


「えっ、はや……」


 多分モード選択の画面だったと思うんだけど、一瞬で次の選択画面に飛んだんだけど……。


 まぁ俺は全然分かんないし見てても多分全部いいよとしか言えないしな。


「全部こっちでやっていいかなー?」


「あぁ、うん。任せるよ」


 てかもう一個進めてるじゃん。『ステップ2』ってしっかり画面端に書いてあるし。


 にしても早すぎだよなぁ……ぼーっと見てたらなんかよくわからんけどもう写真撮るみたいだし。


『一枚目はパートナーとくっついてみよう!』


 ほら、始ま──って、は?


「一個目からなかなかハードだなー……」


 なんて呟いて、叶恵はポリポリと赤い頬を掻く。


 いや、モード選択したのあなたですよね叶恵さん? 顔赤くしてないでどうするかきめてくれ。


「え、えっと……」


「えいっ」


 えいっ、じゃなくてさ、なんでくっついちゃうかなぁ……。とりあえずピースしとこ。


「ま、間違えちゃったみたいなんだけど、せ、せせせ折角だからちゃんとやろー?」


 耳まで真っ赤にして、俯きながら叶恵はそんなことを言う。


「ヴッ」


「えっ!? なんか出ちゃいけない音がしたけど!?」


 ずるいわ! その仕草はずるいわ!! 本人には言わないけど!!


「だ、大丈夫、気にするな、ほら、次来るぞ」


『次はお姫様抱っこしてもらおう!』


 んな無茶な!? ここ結構狭いしこれ完全に男ありきじゃねぇか……っは! もしかしてこれ、ラブコメとかによくあるカップルモード的なやつなのでは!?


「は、はやくー……」


「え!? やるの!?」


 こくこく頷いて、もう叶恵はお姫様抱っこされる気満々って感じ。しかもちゃっかり準備時間長くなってて時間はたっぷり。


 気づいたらもう叶恵は俺の首に手を回して待っている。


 そんな状態から拒否できるはずもなく……。もうここからは無心だ。続けると決めたからには変な気を起こさず最後までやり遂げる。


「きゃっ」


 なんだきゃっ、て可愛すぎか。絶対言わないけど。からかいモードに入られると困るし。


「顔赤いから絶対下見ちゃダメだからねー?」


 いや、これから写真に映るんですけど……。


『はい、ポーズ!!』


 あ、撮られた。


『ラストはそのまま彼氏のほっぺにキスしちゃおう!』


「「え」」


 反射的に下を見たら、顔が真っ赤の叶恵さんがこんにちは。余裕もなさそうだしこれは絶対本当のカップルがやるものだし、いや、今のこのお姫様抱っこもなんとも言えないところだけど、これはやらないでスルーするのが一番。というかスルーで!


 無心でやり遂げると言ったな! あれは嘘だ!


「流石にこれは──」


「やる!」


「は!?」


 でも逃げ場もなければ腕は叶恵抱えるので塞がれてるし、避ける手立てがねぇ!


 こんなことを考えてるうちも叶恵は近づいてくる。


 動かせるのは首だけ、考えろ考えろ考えろ! そうだ、頭引けば!



 ちゅ



 避けきれなかった……。その上、避けたせいで逆に口に近いところに当たった。これで少しでも唇についてたら俺のファーストキスは叶恵に取られたことになる。


「あ、あのあのー!」


「あ、ごめん! すぐ下ろすから!」


 抱っこしたままなの忘れてた! 軽いから全然意識してないと忘れてそのままになる!


 すぐに下ろして今撮ったばかりの写真が並んでいる画面を確認すると……。


「あ、危ねぇ……」


 ギリギリついてなかった。いや、完全に俺のミスだし、普通に受け入れればよかった。……よくはないけどね?


「ちょっと残念だなー……」


「あの、叶恵さん?」


「んー!? なんでもないよー! あははー!」


 いやバッチリ聞こえてたけど。てかそう考えると、これって、


「狙ってやった?」


「な、なななななんの事かなー!?」


 目が泳ぎまくってるしバレバレだな……。そう考えるとさっきのも俺がちゃんと引っかかってるか確認するためか……この感じ見ると隠し事できない感じだし。


「……はぁ」


「ごめんなさい……」


 なんかこうも簡単に引っかかるとなんとも言えんな。これだけ必死になってくれること自体は嬉しいことだし。


「二人よりも、一緒に何か出来る時間が少なくて、強引な手を使っちゃいました。ごめんなさい……!」


 しっかり強引な手に走らせた原因は俺にあると。じゃあ俺が悪いな。


「いや、いいよ、今回は気にしないでくれ。叶恵といる時間も今度からは作れるようにするから。その時はこんなことしないでちゃんと楽しもうか」


 もちろん、今日も楽しかったぞ、と付け足して、完成した写真を取って、スマホケースへ。


 叶恵、ぼーっとしてるけど、カバーミスった……? 泣かれたりとかしたら罪悪感やばいんだけど……!


「ねー、詩乃」


「な、なんだ?」


「ほっぺにちゅー、ドキドキしたー?」


「当たり前だろ」


 ドキドキしなかったら男じゃない。てかなんでそんな質問を……?


「そっかー、じゃあ、明日2人に自慢するねー?」


「ちょ!?」


 この後何とか交渉して自慢されることだけは防いだ。


 その間もケラケラ笑ってたし、反省してるのかわかんないんだが、信じていいんだよな……?

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