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自己紹介すら許されない世界へようこそ

 フィンガースナップを知っているだろうか。俺の居た地域では指パッチンとも呼ばれていた、指と指を擦り合わせて音を鳴らす行為のことだ。

 上手くなると中々良い音が鳴るモノだと知って、昔から今に至るまで、滅茶苦茶練習してたんだよなぁ……。


 ん? 突然話が始まった上に昔話ばかりされても話が見えてこないって?


 まぁまぁ、落ち着きなさいな。……と言っても意味ないよな。というか俺だって困惑してるんだ。

 実はさっきまで家で日課のフィンガースナップの練習をしていたんだが、ちょっと心地良い春の陽気に眠気を誘われてうとうとしていたら……森に居たんだ。


 いや、嘘じゃないって!? ちょっと待って落ち着いて!! 俺も落ち着くから!! スーハースハー、ひーひーふー……。


 よし! 落ち着いた! 落ち着いたからまず自己紹介からしよう。俺の名前は……。


「何者だ。そこで何をしている」


 シャキッと光る素晴らしい見た目。すべてを両断しそうな刃の鋭さ。そして後ろから聞こえる下手なことをしたら真っ二つにしてやると言わんばかりのトゲトゲとした声。


 今、俺の首の横には相棒だと主張するかの如し剣が添えられている。その剣の持ち主の顔は後ろに立たれているせいで見えない。見えない。怖い。怖い。

 ひょっとしなくても命の危機だ。


 日本だから銃刀法違反じゃないか? そんなことも思い浮かぶが、そもそもそれを言われて剣を引っ込める奴は剣なんかも持ち歩かない。


 だから今、俺に出来ることはこれしかない……!!



「ご、ごめんなさい……」


 謝罪だ……!!


謝罪から始まる情けない物語が今始まる……!!

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