18話
1話目から読んで頂きたいです。
「グワッ!」
もう何回殴り飛ばされたか分からない…
また来た…
右方向から地面と水平に腰の高さ辺りに振られた剣を1歩下がって避けると俺の腹めがけて前蹴りが飛んできた。
「グワッ!」
でも俺は立ち上がる…もう戦いが始まってから10分がたっている。…そろそろ来ていい頃だ…
「おいそろそろ死んでくれよ!」
大声でそう叫びながら迫ってくる姿は鬼ようだ…
俺は逃げたいが、この場を離れると詩織たちが来れないかもしれない。
「まだまだ!生きてやるぜ!」
普段は絶対に出ないような恥ずかしい言葉も今なら簡単に出すことができる。
「死ねーーーー!」
「ねぇ今の聞こえた?」
「聞こえなかったよ…たぶん」
走るみんなについて行くので俺は精一杯だ。
俺があいつらを見つけたのはここら辺はずだ…
「ここら辺じゃないか?」
「そう…なの?」
小林さんは辺りをキョロキョロしながら答えた。
「ねぇあれは?」
小坂さんが指さした方向を見てみる…
「あれは…栗原?」
「あ、お、大島くんこっち来てー」
栗原は俺たちを呼んでいる。
駆け寄ってみるとそこには片腕のない橘くんがいた。
「ど、どうしたの?」
「大丈夫??」
みんな驚きが隠せないようだ…当たり前だ片腕がないのだから…
「俺は…心配しなくていい…それより翔太が…」
相変わらず橘くんはすごい…
俺は密かに橘くんに憧れていた。人の目を気にせず人に媚びることの無い姿勢にそれは今回橘くんを助けに来た理由でもある…
そんな橘くんがここまでズタボロにやられているのを見ると心が痛いのと同時にここまでやられているのに人の心配をできる人を俺は憧れていたことを恥じている。この人は俺たちとは土俵が違った…
これは憧れなんかじゃない。小さい頃買って貰えないおもちゃをショーケースの外から眺めていた時のような感覚だ…
「翔太を早く…助けて…」
「蓮太…蓮太?」
橘くんはそのまま気を失ってしまったようだ…
小坂さんは橘くんを必死に呼ぶが意識は戻らない。
「栗原くんは蓮太をクラスまで運んでくれる?」
「は、はい」
小坂さんはそう言うと次は俺たちの方を向いて
「翔太を探そう…」
と言った。
「お迎えが来たようだな!」
田村はそう言うと少し考えた。
お迎え…?まさかみんな来てくれたのか?
「まぁいい…まずはお前を殺してその後に1人づつ殺していけばいいんだ」
「させない!」
俺はより一層体に力を入れて全神経を目の前にいる田村に集中させた。
田村の呼吸1つ1つにも集中した。
「さぁこい」
あと少し耐えればみんなが来てなんとかなる。
あと少し…あと少しだ…
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批判していただいきたいです。




