14話
1話から読んで頂きたいです。
「付いてきて」
私の言葉に頷いて少し後ろを5人は歩く。
「大島くんってどんなスキル持ってる?」
「む…そういうことを聞くのか…今は緊急時だから言うと珍しいスキルは鑑定のスキルをもっているぞ」
やっぱり…最近は鑑定が何故か色々なところで注目されがちだからどうせ取っているだろう思っていた…私も取りたかったけど鑑定がなかった…
あのスキルを使えば見つけられるかもしれない。
「翔太は気配察知持ってるよね?」
「え…なんで分かってるんだ?」
あ…そう言えば言われてなかった…
森で田村くん達に会った時に翔太はもう分かっていたかのような対応をしていた。
私は鷹の目のスキルを取っていたから遠くにいた田村くん達が見えていたが翔太はもっと前から誰かいることに気付いているようだった。
だからきっと気配察知を取ったのだと思った。
「着いた…」
色々考えていたら目指していた場所に着いた。
「ここは…」
「ここは城門の上だよ」
「え?城門って登れるのか?」
「うんなんか不思議だよね」
ここに来たのには意味があった。
それは私が持っている視覚共有というスキルを使うためだ。
このスキルは手を繋いだ状態だと私の視覚が他の人にも共有されるというものだ。
手を繋がなければいけないというルールはこのスキルを取ったあとから気づいた。
元々知っていたらこんな使えないスキル取らないのに…
でも今日は役に立つ。
「翔太気配察知で森の方にいる人の気配わかる?」
「ちょっと待って…」
少しすると
「あそこと、あそこ…あそこにもいる」
3箇所を指さした。
「じゃあ大島くん手を繋いで」
「え…ど、どうしたんですか?」
「いいから時間ないから」
「は…はい」
大島くんと手を繋いだ私は鷹の目と視覚共有を使った。
「な…見える!」
「見えてるのに鑑定使ってみて」
これでどこに誰がいるのかが分かるはずだ。
「これは…違う…これは…む…これだ…」
1人でボソボソ呟いている大島を見ているみんなの目は怖かった…
「いた…いたぞ!」
見つけたらしい。
「もう戦ってる!」
「え?急がなきゃ」
森の奥を指さした大島は話を続けて
「かなりやばそうだぞ…」
「早く行こう…」
私はそう言って繋いでいた手を離した。大島は少し悲しそうな目で私を見てきた…もう繋がないよ…
私達は急いで城門の階段を駆け下りて向かう。
「ごめん…先行く…」
そういった翔太は城門から森の方向に飛び降りて行った。
「凄…」
誰に言った訳でもない安藤の声はきっとみんなの耳にも届いていた。
急ごう…
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