13話
「俺は行くぞ!」
その声のするところを見てみるとそこには大島がいた。
「えーじゃあ私は今回パスで」
「私も…」
「俺はいいかな…」
クラスでは今まで行こうとしてたムードが一転して大島が行くと言い出したからか行こうとする人がいなくなった…
でも大島グループが来てくれるだけでありがたい。
「よし…じゃあ行く人だけで行こ!」
「うん」
安藤、大島、詩織そして俺が声を合わせて答えた。
俺は大島グループの全員が来るものだと思っていたがまさか来るのは大島だけだった。
結局助けに行くのは4…いや富永も安藤の後ろに着いてきているから5人だけだった。
「よし入るよ…」
そう言って小林が1番に入ったのに次いで大島、詩織、安藤、富永、俺の順番で入っていった。
向こうの世界へ入るドアは小林、大島、詩織はすんなり入ったが安藤が少し立ち止まった…
「…どうしたの?」
「あ…いや…大丈夫」
そう言ってドアの手すりを掴む安藤の手には力が入っていなかった。
「…無理しなくても大丈夫だよ」
「…大丈夫…大丈夫…大丈夫…」
安藤はまるで自分に言い聞かせるように小声でそう言っていた。
俺と安藤に挟まれた富永は困ったように2人を交互にチラチラと見ていた。
きっと大丈夫なんて言っても安藤には届かないと思った。
どんなに怖くて恐ろしいことに直面しても結局他の人から見たら怖そう恐ろしそうで片付けられてしまう…だからそんな他の人に大丈夫だなんて言われてもお前にこの気持ちは分かっているのか?と言いたくなってしまう…だから他の人はこうするべきなんだ。
「先行くよ」
「…え?」
俺は安藤の握っていたドアの手すりをグッと押して向こうの世界へ踏み入れた。
俺が制服から向こうの服に変わるのを見て驚いた安藤はまさに空いた口が塞がらない状態だった。
「桃子ちゃん…先に行くね」
そう言って富永は俺の開けたドアを通ってこちらの世界に踏み入れた。
力の入っていない安藤の手には迫るドアに耐えきれずドアは閉まってしまった。
「…私も行くよ!」
完全に閉まりきったドアが空いて安藤が出てきた。
「ごめん…時間取らせちゃったね」
「気にしないで…さぁ探しに行こう!」
小林がそう言って歩き始めようとする。
そんな小林を詩織が止める。
「どこにいるか知っているの?」
「…あ」
どうやら知らないらしい。
「…どうする?」
最近リアルで色々あって投稿できていませんでした。
また今日から頑張っていくのでお願いします。
感想と誤字脱字報告お願いします。




