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My Lie  作者: ほんた
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1話

「はー…」


朝からため息が出る。

別に学校に行くのが憂鬱な訳では無い…

クラスが変わることが憂鬱だ…

今日は高2になって初めての登校だからクラスが変わる…

仲良い友達と一緒のクラスに慣れなかったらと考えると憂鬱になる。

そんな事を考えているといつの間にか家を出る時間になっていた。


「行ってきます」


まだ夜勤明けで寝ているであろう両親を起こさない程度の声量でそう言って家を出る。

1人で雨上がりの歩道をポツポツと歩いていると


「おはよー」


後ろから声が聞こえた。

橘蓮太だ。

蓮太とは中学からの同級生で中2からずっと同じクラスで仲がだいぶいい。もちろん去年も一緒のクラスだった。


「おはよー…今年も一緒のクラスになれるといいな」

「うん俺も翔大と一緒のクラスになりたい」


そう言って前を向き直して緊張を顔に出さないようにしながら俺と蓮太は横並びで学校に向かった。

昇降口にクラス割りが張り出されているらしい。


「緊張するな…」

「あぁ…」


どちらも気の利いた言葉のひとつも出てこないがもう足は学校の敷地に踏み入れてしまっている。

昇降口に前に向かい張り出された紙を見つめる…


「平井翔太…どこだ…あった」


俺の名前は3組の欄に書いてあった。


「蓮太何組だ?」


蓮太の方を見ながら言うと蓮太は指を3つ突き出していた…


「やったー…一緒だ」

「やったね」


俺と蓮太は飛び跳ねて喜びたかったが周りに人がいるので恥ずかしくて出来なかった。

でも2人ともさっきまでの緊張や不安が嘘のような笑顔している。


そのまま3組のある2階に向けて進む。


「まさかまた一緒だとわねー」

「ほんとにそうだよね4年…4年連続とか普通にすごくないか」


そんなたわいのない会話をしながら階段を上った。

周りの教室からはみんなの騒ぎ声が聞こえてくる。

クラスの扉の前まで行き緊張する俺の肩を叩いた蓮太は


「ゆっくり…深呼吸…」


落ち着くことが出来た俺は勢いよく扉を開ける。

ガラガラと音がなって空いた扉に注目が集まると思ったがクラスはそれどころじゃない異様な雰囲気に包まれていた…


「だから危ないから開けんなって言ってんじゃん」

「何キレてんだし?俺が開けようかお前に関係ないだろ」

「開けんのはお前の問題じゃなくてクラスの問題だろ」


何故かもうクラスの後ろの方で言い争っている。


「おはよー」


俺に話しかけてきたのは去年一緒のクラスだった小坂詩織だ。


「おーおはよー詩織…なんでもうケンカが起こってんの?」

「あれを開けるかどうかだよ」


俺の質問に後ろの方を詩織は指さした。

そこは普通なら壁になっている場所に茶色く古ぼけた扉があった。


「な…なんだあれ?」


俺の後ろにいた蓮太が詩織に聞く。


「さぁ?私達も分かってないから開けるかどうかで言い争っているの」

「開けるべきだと思うか?」

「うーん…まだ先生に確認とった方がいいと思うけどな…」


蓮太がした質問に詩織は少し悩んだがすぐに答えた。

蓮太はケンカしている集団にそれを言いに行こうとしている…


「待て待て待て」


俺はそう言って蓮太の袖を引っ張った。

なぜなら今ケンカしているのは三村健太の集団と小林仁美だからだ。

三村健太は180cmある身長と強面の顔で近寄りがたい人だ。去年だけで生徒指導室に8回も呼び出されているらしい。

小林仁美は真逆で模範的な生徒ではあるが模範的すぎて何でもかんでも注意してみんなから避けられている。

2人はあまり人を知らない俺でも知っているくらいヤバい人達だ…それに言いに行こうとするなんて蓮太は心臓が強いのか何も考えてないだけなのか分からない…


「なんでだ?」

「いいから一旦ね」

「…分かった」


納得はしていないらしく少し不貞腐れているがそれで言いに行かなくなるなら別に構わない。


「じゃあ俺が開ければいいんだな」

「ええあなたに開けれるの?ビビりなのに?」

「やってやろうじゃねえか」


いつの間にか向こうでは話が進んでいたらしく三村が集団を代表してその扉を開けるらしい。

扉に手をかけた三村は大きく深呼吸をして


「いくぞ…」


と周りに言っているのか自分に言い聞かせているのか分からないくらいの声量で言った。

いつの間にかクラスは静まり返りみんな三村を見ている。

ガラガラ…

大きな音が聞こえた。

しかしふと疑問に思うそこにあるのは開き戸なのになぜがガラガラと言う音がするのだろうと…それもそのはずその音は先生が教室の扉を開けて入ってきた音だから。


「おい…何やってんだ?座れ」


明らかにおかしい教室の雰囲気を感じ取っているらしく先生も困惑している。


「…先生これ見えてます?」


小林が後ろにある扉を指さしながら聞く…


「は?どれだ…いいからとりあえず座れ」


?????先生には見えていないのか?

クラスがザワつく…


「みんなとりあえず座ろ」


小林がさっそくいい子ちゃんを発動している。

みんなが嫌な顔をしていることは容易に予想が着くがとりあえずはみんな座ることにした。


「えー今日からこのクラスを担当する体育科の佐々木です…よろしく」


一通りの自己紹介が終わると佐々木先生は


「今日はこれで帰っていいから、俺は職員室にいるから用がある人は職員室に来いよ…教室の鍵は小林お願いできるか?」

「わかりました…」


そう言って佐々木先生が出ていったクラスでは扉を本当に開けるか話し合っていた。


「先生に見えてないなんて…」

「他のクラスの人達は見えているのか?」

「確かに…呼んでくる」


そう言って三村グループの1人がクラスを飛び出した。

そして他のクラスの人を呼んできたが案の定見えていなかった。


「なんで俺たちだけ見えてるんだ?」

「ズバリ…それは俺たちが選ばれたからです」


今まで静かにしていたオタクグループのリーダー格の大島拓斗がそう言ったのに続けて


「選ばれた私たちは戦わなければなりませんさぁ開けましょう」


と意味不明なことを言っている。

俺は少しワクワクしていた…俺たちが選ばれた人間ってことではなく非日常的なことに…そんな俺に気づいたのか詩織は俺に向かって


「翔太楽しそう…」

「そ、そうか?」

「うん…いつも眠そうな顔してるのに今イキイキしてる…」


などと言っている。


「じゃあ俺が開けるんでいいんだな…」


遂に意見がまとまった…

結局最初と一緒で三村が開けることになった。


「よし…」


三村が扉の取っ手に手をかける…

そして勢いよく扉を引いた…

扉を開けたその先には…


新しく小説を描き始めたほんたです。

よろしくお願いします。

まだ至らぬ所がありますのでアドバイスなどお願い致します。

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