2話 冒険者ギルド
家を離れてから数時間が経過した。
今俺は、近くにある街、エラグに向かっている。
そこに行けば冒険者ギルドがあるだろう。
あ、街の壁が見えてきた。
門があり、横には鎧を着た兵士が二人立っていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
入る際に兵士に止められたが、何とか入国を許可させることができた。
冒険者ギルドってどこにあるんだ?
とりあえず街を歩き回ることにした。
エルフ耳の子や、亜人もいる。
まさにファンタジーだな。
さすがに魔物は街にいないか。
冒険者ギルドってどこにあるんだよ!
心の中で愚痴を零しながら、周りを見渡して歩いていると、それらしき建物を見つけた。
看板にも『冒険者ギルド』と書いてある。
日本の文字ではないが。
俺はその建物のドアを開け、一通り周りを見渡して内装を確認した。
俺は『冒険者ギルド登録試験』と書かれた窓口に向かった。
窓口の前に立つと、奥にいる可愛いお姉さんが話しかけてきた。
「冒険者ギルド登録試験をご希望ですか?」
耳が尖っている。
髪も金髪だし、きっとエルフだろう。
名札には『リア』と書かれている。
リアさんか。
「はい。そうです」
「では、これを」
小さな紙を渡された。
名前とかそういうのを書くのか。
名前に職業、スキルとかの欄があった。
そういえば俺のステータスってどれくらいだっけ?
この世界にはステータスという自分の今の状態を数値で具現化するものがある。
えっと俺のステータスはと。
―――――
エライデ・ハイスキルマエード
職業適性:村人
レベル:3
HP:100/100
MP:100/100
スキル:採取、採掘、釣り、栽培、狩猟、伐採、農業
―――――
ふむふむ、なるほど。
普通。
どれもこれも普通。
てか生産系スキルばかりじゃないか!
それもそうか。
ずっと村で農業とか色んなのやってたし。
俺はそれを見ながら欄を埋めていった。
書き終えると、リアさんに紙を渡した。
リアさんはその紙を一通り見て、
「では、金貨五枚をお願いします」
受験料が必要なのか。
俺は巾着袋を出し、金貨五枚を取り出した。
そしてそれをリアさんに渡す。
「確かに受け取りました」
すると、リアさんは近くにある印鑑で紙にボンと押した。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
登録を終えた後、俺は掲示板に向かった。
どの依頼を受けようかな。
俺って多分チートだよな?
異世界転生だったら定番だからな。
でも念のため、最初は弱そうなのから。
俺は依頼の紙を一つずつ見ていくと、いいのがあった。
紙にはこう書かれている。
―――――
ゴブリンを倒してほしい。
依頼主
農民
依頼内容
最近農作物が荒らされているんだ。
誰がやってるのか監視していると、集団のゴブリンが荒らしていたんだ。
だからそのゴブリンたちを倒してほしい。
難易度★☆☆☆☆
報酬金 金貨一枚
―――――
これはいいかもしれない。
ゴブリンとか弱そうだし。
俺はその紙に手を伸ばす。
すると横からもその紙に手を伸ばす人がいて、俺たちはちょうど手が当たってしまった。
「「あ、すいません」」
可愛らしい声。
見ると、そこには赤髪のロリが立っていた。




