私はもうボドボドだぁ
遺跡潜りの仕事は何も遺跡に潜るだけではない。
依頼という形で人々の些細な要望に応えるものもまた仕事である。
遺跡潜りも依頼も安定しない仕事ではあるが前者は遺跡から神の時代の遺物などのお宝で一攫千金を狙えるし、後者は依頼を通して色んな人達との縁が出来る。すると縁故採用で新しい仕事にありつけたりする。指名依頼とか転職の勧めとかが来るのだ。
「…なので名うての遺跡潜りに捜索依頼を出すのはいかがでしょうか?」
サンドリアがその提案をした時、渋い顔をしたのは困っている張本人ニュンペー(変種)だった。
「地獄巡りが出来る様な一級の遺跡潜りに依頼するの?現実的じゃないわよ。報酬に何要求されるかわかったもんじゃ無いわ」
確かにニュンペー(変種)の言葉は正しい。
地獄巡りが出来る程の遺跡潜りは少ない上にそれほどの実力がある遺跡潜りは大抵の場合遊んで暮らせる財産がある。
金で雇うのはほぼ不可能。
他の物も大抵自力で手に入れられる。
詰まる所支払う報酬に困るのである。
『カッ!?錯乱するくれぇ大事な物を簡単に諦められるってねのかよ!ありえねぇぜ!』
「な、何で知ってんのよ!」
ペルの言葉に、ニュンペー(変種)が顔を真っ赤にして叫ぶように反応した。
『カッ!時雨の知ってる事で俺の知らねぇ事はねぇよ!』
ペルが知っていたのは時雨から直接聞いていたからであるが、『魂の絆』の力で記憶を共有出来る為あながち間違いではない。
「しかしそうなると…問題は依頼の報酬でしょうか?」
「当てが無いでもないけど…」
サンドリアの言葉に時雨が返す。
しかし表情は浮かなく、少し言い澱んでいた。
「2人共…メイド服って興味ある?」
時雨は苦い顔でそう言った。




