表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マモノツカイ  作者: 黒歴史丸
15/21

ここが地獄の三丁目

突然ではあるが我等の主人公である時雨の話をしよう。

他人から見た時雨と言う人間の評価は大きく2つに分かれる。変人か善人かである。

遠くから彼を眺める人々は彼をいつも人形と話している変人と評価する。

近くで彼と接し交流を深めた人々は彼を誰に対しても優しい善人と評価する

しかし極一部、彼の親や人形のペル等の極めて彼に近しい人は彼をこう評価する。

「怖がりで、優しくて、人の笑顔が好きな…ただの男の子」だと


「ヒヒャアァァァァァー!」

天井から降ってきて、いきなり襲いかかってきた鬼「めず」が叫ぶ。その鬼は全長5メートルはゆうに超え,首と頭は馬の姿を取り、額からは一本角が伸びていた。

めずは四つん這いの姿勢で馬の様に駆け、右こぶしを振り上げた。

「ニュンペーさん!」

時雨が叫び、右手を振る。

事前に決めたハンドシグナルである。

幼少期からずっと一緒であり、親友であり相棒であるペルではれば、時雨は言葉が無くともお互いに意思を組める。

しかしながら出会ったばかりのニュンペー(変種)そうはいかない。逐一相手の意思を確認する必要がある。しかし戦闘中に一々そんな事をする時間は無い。

その為に事前に示し合わせたのである。

「おっけ!」

ニュンペー(変種)は体を右側に捻りこぶしを躱した。めずとニュンペー(変種)の実力差は圧倒的であり、本来なら躱すことの出来ない攻撃。

その実力の差を埋めたのは一重に時雨の存在である。

時雨は実戦を経て、奥義を習得し、自身の『マモノツカイ』としての役割を理解し始めていた。

「お、囮は任せます!」

「はぁ?!囮?!貴様ふざけないでよ!」

「みんな助けなきゃですから!お、お願いします!」

「あ、ちょ、まて!」

時雨が倒れていたペル達の元に走り叫んだ。

ニュンペー(変種)は時雨の言葉に承諾しなかったが、めずに阻まれ時雨の元には行けなかった。

「合図はちゃんとします!奥義も使います!だから…お願いします!」

「貴様ぁぁー!後で覚えてなさいよ!」

そう遣り取りを交わしつつ、ニュンペー(変種)はメズと向き合った。

その表情は自分で思ったほど暗くなかった。

不思議だった。自分と戦ったあの『マモノツカイ』が何故あそこまで臆病なのか。

何故…あんなに臆病な癖に周りにきをつかうのか。

不思議でしかなかった。

ぎゃあぎゃあ騒ぎはしたものの、時雨の仲間を助けるのは事前に承諾している。

自分も代わりに兜も一緒に探す約束を取り付けた。

しかし人形のペルは兎も角、サンドリアとサンドリアの仲間の毛玉と時雨の間にはぎこちなさがあった。

恐らく出会ったばかりの即席チームだろうと予測出来た。

どうして出会ったばかりの女とマモノの為に命を懸けて地獄の中を捜索できるのか不思議でしかなかった。

そして…その時雨にほだされかけてる自分が不思議で仕方なかった。

「襲っといてなんだけど…もしかしたら期待してるのかもしれないのよ…」

「もしそうなら…信じさせてね?ますたー」

ニュンペー(変種)は密かに呟いた。

戦闘中につき後書きのコーナーはお休みです。

by時雨

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ