表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マモノツカイ  作者: 黒歴史丸
11/21

キャラ崩壊は作者のミスだけど許して

視界も暗い。どうやら眠ってしまっていた様だ。

異様に身体が重い。苦しい。一体どうなっているのだろうか?

そこまで考えて時雨は重たい瞼を開けた。

「…誰?」

瞼を開いた先に広がった景色は、見知らぬ女の顔であった。

遺跡崩落によって自分の上に落ちて来たのだろう。

それはわかる。しかし相手に見覚えが無い。

女はまだ眠っていた。

当たり前の事だ。起きていたらとっくに時雨の上から退いていただろう。

「起きろー」

時雨は女の頬をぺちぺち叩いて言った。

時雨は自力で起き上がれなかったのである。

女の身体が重たかった為である。体重の問題とか言うレベルでは無い。鉛でも纏っているんじゃないかと思う位である。

「んんっ…姉さんもっと優しく…」

「男の子だよー」

女の寝言に律儀に返事を返しつつ、時雨は頬を叩いて起こそうとする。

「んー。何よ全く…起きる…起きるわよ…」

女がそう言い目を擦りながら瞼を開けた。

「おはよう」

時雨は女に対してにこやかに言った。

すると女は驚愕の表情を浮かべ、時雨の上から飛び退いた。

「き、貴様ァ!わ、私にななな何をする!」

「え?酷くない?」

飛び退いた女の言葉に、時雨はちょっと不満げな顔をした。

女は見覚えのある格好をしていた。あの謎の騎士の鎧である。

「大体!私と貴様は敵同士で…あれ?兜は?」

「落っこちる途中ですっぽ抜けたんじゃない?」

時雨は女が謎の騎士の正体だとは思えなかった。

謎の騎士と対峙した時、時雨は恐怖の余りまともに思考出来ていなかった。

戦いが出来ていたのは殆ど無意識の内の行動である。

芸人の経験と技術の染み付きが成した技である。

「どこいったんですか〜私の兜ちゃん〜!」

「キャラが迷子だよ?…あれ?ペルも迷子?」

そこで初めて時雨は自分の手の異変…腹話術人形のペルが居ない事に気づいた。

「…ふぇっ」

「泣かないでよ〜私だって泣きたいのに敵の貴様まで泣かないでよ〜。」

時雨は数秒ほど自分の手を見て、急に泣き出した。

昔から時雨は泣かない子どもであった。

しかしそれはペルと出会ってからの話である。

ペルが心の支えであった為、一度ペルから離れた時雨ははっきり言って泣き虫であった。

「ひっぐ…えっぐ…ペェルゥ〜…ひっぐ」

「だから泣かないでって〜私と貴様しか居ないのに〜!」

女は慌てた。敵と2人きりで、お気に入りの兜はどこかにいってしまい、挙げ句の果てに敵が泣き出したのだ。はっきり言って何をどうすればいいのかさえわからなかった。

「だってペルが〜…ペルが〜!」

「あーもうっ!わかった!わかったわよ!私が変わりに一緒に居るから!だから泣かないでよ〜!」

女は混乱した挙句、ヤケクソ気味に言った。

普段なら絶対に言わない事であったが、しかし女は急な状況の変化に混乱していた。その上女達が居る場所も問題であった。

「ひっぐ…えっぐ…いっしょに?」

「『湖裏水脈』ならともかく、その下の遺跡を一人では歩けないし…出るまでは利用し合いましょう?」

女は時雨に手を出し、時雨はその手を見つめ恐る恐る手を取った。

ペルが行方不明になり時雨が泣きだしてしまった為、「楽しい雑学」のコーナーはお休みです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ