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キミはまた僕のところに戻ってきた!?

作者: 七瀬





キミは、僕の手を握ってこう言った、、、。


『・・・ずっと、貴方のこの手に触れていたい!』




病院の小さな個室の部屋で、、、。

僕の手を握って、キミは静かに目を瞑り眠るように亡くなってしまった...。





僕の名前は 『星野 震二』 26歳、WEBデザイナー の仕事をしている。

亡くなった彼女の名前は 『内山 早苗』 22歳、彼女は動物が大好きで

動物病院で働いていた、、、!




僕と彼女との出逢いは、、、?

共通の友達の紹介だった、、、!



何人か初めての人たちがいて、僕たちもそうだったから簡単な自己紹介を

して、みんなでワイワイとお酒を飲みながら楽しい飲み会だった、、、!


『はじめまして、星野と言います! 歳は26歳でWEBデザイナー の仕事を

しています! よろしくお願いします。』

『私の名前は、内山 早苗です! 歳は22歳、動物病院で働いています!』



僕は偶然にも、彼女の横で、、、。


『内山さんは、、、? 動物が好きなんですか?』

『えぇ、子どもの頃から動物が大好きで! でもたくさんの動物が怪我や

病気で動物病院に運び込まれているのを知って、私が動物の病気を治したい

って思って、今の仕事についたんですよ。』

『へーえ! 22歳でしっかりした考え方してるんだね!』

『星野さんは、どうして今の仕事に、、、?』

『まあ、なんだろうね? 友達の紹介でもあったけど、、、? 好きだった

からかな!』

『星野さんは、今、動物飼ってますか、、、?』

『あぁ~猫がいるよ! ピコスって言うロシアンブルーのオス猫で歳は3歳だよ!』

『えぇ!? 猫ちゃんがいるんですか? もしよければ今度、私、ピコス君に会い

に行ってもいいですか、、、?』

『・・・あぁ、ううん! いいよ、いつでも会いに来て!』



僕たちはこうして、仲良くなっていった、、、!


愛のキューピットは、【ピコス】なのかもしれない、、、!

・・・ただ、言い忘れていたけど、、、?

ピコスは、気性が荒くて好き嫌いがはっきりしている。

嫌いな相手には、威嚇したり噛みついたり引っかいたりする、、、。


その事を、早苗に言い忘れていたのだけど、、、?



早苗が、僕の家に来た時、、、。

ピコスは、早苗の足に体をこすりつけてゴロゴロと気持ちよさそうな

声を鳴らしていた、、、。


『ピコス! 早苗ちゃんの事、凄く気に入ったのか、、、?』

『わーあ! 可愛い~ピコス君、よろしくね!』

【にゃ~ン】


それからずっとピコスは、早苗ちゃんの膝の上から離れなかった。

そんなピコスを見るのは僕は、はじめてだった、、、!



僕の両親も妹も弟も友達も、、、誰も気に入る人がいなかったのに、、、。

僕以外の人に、懐く事はなかったピコスが、、、!?


早苗ちゃんだけには、違ったようだ、、、!



いや? 僕もピコスと同じ気持ちだったと思う。



僕たちは次第に自然と付き合いだして、、、。


気がつけば、、、?

僕が仕事から帰ると、、、ピコスと早苗が僕のお出迎えをしてくれる

ようになっていた、、、!


『今日は、早かったのね震二!』

『まあね! 今日の晩ご飯はなに、、、?』

『カレーだよ! 震二、カレー好きでしょ!』

『マジで! 嬉しい! 早苗のカレー美味しいから食べたかったんだよねぇ~!』

『ホント! じゃ~また作るね!』

『うん! ピコスは何食べてるの?』

【にゃ~ン】


『美味しいピコス、、、?』

【にゃ~ン】



僕たちは、幸せだったんだ、、、!

あの事がなければ、ずっと幸せだったはずなのに、、、。





ある時、、、?

早苗の体に病気がある事が分かった。


しかも、、、?

医者に診てもらった時には、もう手遅れで、、、。

あっという間だった、、、。

直ぐに入院して、検査や治療をはじめて、、、。

大部屋の病室から小さな個室の部屋に変わり...。



みるみるうちに、やせ細っていく彼女を見て何度も何度も僕は泣きそうに

なったけど、、、! 彼女の前では泣かないと決めてたから、、、!!!


彼女のご両親にも、ちゃんと早苗の病気の事を言っていたから、、、。


『ごめんね震二さん! 毎日、病院に来て早苗の傍に居てくれて。』

『・・・いえ、それはいいんです! でも、早苗さんの体は、、、もう、』

『限界だと思ったら、、、? もうココに来なくてもいいのよ!』

『そんな! 僕はずっと早苗さんの傍にいます!』

『・・・ありがとう震二さん!』

『・・・お母さん、』



そうして、彼女は僕の手を握って逝ってしまった...。


僕は早苗の事を忘れることは出来なかった。

最後に僕の手を握ってくれた手が忘れられない。

彼女の手の温かさや柔らかい感触、細くてキレイな指先、彼女の

何もかも全てを忘れられない、、、!







僕は仕事で帰りが遅くなって、その日は雨も降っていて僕は傘も持って

いなかったから、小走りで急いで家に帰っていると、、、?


小さなか細い鳴き声で、【ミャーミャー】と鳴いていた。

僕はあたりを見まわすと、、、?


段ボールの中でその鳴き声が聞こえる。

僕がそっとその段ボール箱の中を覗き込むと、、、?


小さな小さな子猫がいた、、、!

僕は咄嗟に子猫を僕の服の中に包み込んで家に連れて帰った。





僕は家に帰る途中でこんな事を考えていた、、、!

ピコスは、この子を受け入れてくれるといいけど、、、?

最悪、他の人にこの子を譲らないといけなくなるかもしれないと、、、!




でも、この子を家に連れて帰ると、、、?

最初は、ピコスもビックリしていたけど、、、直ぐに受け入れてくれた。

優しくピコスは、この子に近づきペロペロと濡れたこの子の体を優しく

なめていた。



これなら、この子を飼う事が出来ると僕は思ったんだ、、、!


三毛猫の女の子だ!

まだ産まれてそんなに経っていない、、、?

目がやっとあいたぐらいないんだと思う...。


僕はこの子猫の名前を 【早苗】と名付けた。


この子は、早苗が僕にくれた宝物なんじゃないと思ったから、、、!

君の名前を、この子猫に、、、。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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