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1話

「母様、期待していてください。」


そう言うのは大陸三強国と呼ばれる内の1つ、セプライム王国の中でも王族に最も近い権力を持つヴァルムス公爵家の次男。ジオン・フォン・ヴァルムスだ。


この大陸では地域差はあるが大体五歳に自分の属性を測定石と呼ばれる魔道具を使って調べる。ほとんどの場合、王族やそれに近い権力を持った貴族はお披露目会と称し、自分の子供がどんな属性を持ち、どれだけの魔力を周りに知らせ、自分の家の力を誇示している。ただ貴族は基本的に莫大な魔力を持ち、属性は家系によって遺伝するが、極たまに魔力量が少なかったりするとその子供は一生肩身の狭い思いをする事になる。


属性とは誰しもが持ち火、水、土、風、光、無の計6つが基本である。火、水、土、風、光はその名通り、例えば火の属性を持った人が魔力を素に魔法を使うと火系の魔法が発動する。無は前の5つの属性に当てはまらない属性をまとめて表したものだ。無属性の代表的なものは召喚魔法や空間魔法などが有名である。昔は闇属性というのもあったのだがここ数百年現れた記録が無いため基本の6つから外れている。それぞれ計6つの属性も更に枝分かれし、火属性でも炎、火焔、爆発など一概にも同じ属性とは言えない場合もある。そして稀に1人で2属性持つ者もいる。その場合はどの国からも自国の戦力として引き抜こうと躍起になる。大抵2属性持つ場合は魔力量が平均に比べ最低でも2倍近くある。


そしてここはセプライム王国の王都にある聖教会。ここでジオンは自分の属性を知る。


「では、ジオン・フォン・ヴァルムス。ここに手を当てよ。」


聖教会の大司教がそう言い、ジオンは言われた通りに手を当てる。


聖教会。それは大陸三強国のうち1つ、宗教国家ビィリパスに本拠地を置く大陸のほぼ全土に信者がいる、一部の例外を除けばほぼ全員が進行している宗教である。その教えは万能の神がこの世の万物を創り出し、神の前では人も動物も平等である。万能の神は光を使い世界に光を灯し、その後火、水、土、風を使い世界を創った。と言う唯一神の宗教である。そして酷くはないが光属性の人が優遇されている。大司教レベルになると全員が光属性である。


測定石は石と言いながら見た目は透き通ったクリスタルのようで大きさは高さ2m近くある。大きさによって測れる魔力量が違い、小さい測定石だと貴族達が使うと壊れる可能性がある。属性は色で魔力量はその大きさで測ることが出来る。


ジオンは周りの視線にドキドキしながら手を当てると測定石は一瞬でどす黒く染まる。次の瞬間周りから光の矢が大量に飛んでくる。幼いながらもジオンは自分の死を覚悟した。しかし、ジオンに矢は届かなかった。ジオンは死の恐怖に怯え丸まっていたが自分に矢が届かないことを不思議に思い顔を上げると1人の男が立っていた。


「危ないところだったね。君みたいな子を探してたよ。ここから逃げよう。」


男は口早にそう言うとジオンをだかえ大きく上へ飛ぶ。するとどういう原理か天井まで届き、そこにある窓を突き破り逃げていった。


「逃がすな。殺せぇぇぇえええ!!!!!」


聖教会の大司教は喉がはちきれんばかりの声を出し光魔法を連発したがジオンを含めジオンを連れ去った男にも当たらなかった。


ジオンは急な展開に気を失い、目を覚ますと薄暗い部屋の中、ベットにいた。近くに灯されている蝋燭の火を頼りに周りを見渡すと先程の男が1人机で作業をしていた。


「ん、起きたのかい。はじめまして。僕は邪教の幹部に当たる十戒のメンバー。誤戒(ごかい)のハルマスだよ。一応、邪教と言っても聖教会に反するからそう呼ばれてるだけだから。そんな不審がらなくてもいいよ」


この出会いがジオンの人生を大きく狂わせた出会いになる事は誰しもが予想出来、そして誰も防ぎようのない出来事だった。

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