黒い影Ⅵ
お久しぶりぶりです(=゜ω゜)ノ
前回の更新から大分経っていますのでここで今までの話をまとめたいと思います。
契約 Ⅰ.Ⅱ 紅狐とハルの契約
君のためにⅠ〜Ⅴ リリィの過去話
未練Ⅰ〜Ⅴ ユキの契約について
黒い影Ⅰ〜今 2つの問題解決
超簡単に説明するとこんな感じです。
詳しい内容は話を読んで下さいってことで
↓↓黒い影Ⅵスタートしたいと思います↓↓
「そりゃー力ずつじゃない?」
「それ、リリィが聞いたら怒るぞ。」
「んなこと言ったってねぇ。
いくら進化したばっかだからって相手も上級なんだよ。
手加減してたらこっちがやられるよ。」
メデューサほど面倒な奴はいない。
あのウニョウニョと動く蛇たちはどこまでも追ってくる。
メデューサの意志によって。
だが、メデューサが暴走しているってことはメデューサに意志はないって訳で・・・
「こんな奴に手こずる羽目になるとは。」
「桜夜がそれ言っちゃうの?
あんたならこんな相手、一瞬で片付ける癖に。」
「確かに出来るがそれを言えば、お前だって余裕だろう。それに、こいつと契約するのは刹那だ。
私は手を出せない。ったく、ハルも困ったことを言うものだ。」
「桜夜があいつの足を捉えて。
そしたら私があいつを正気に戻すから。」
「はぁ!?何で!つか、それはお前が全部やることでしょう。」
「まぁそうだけどさぁ、ほら!あのウニョウニョ感?
なんつーの?触りたくないって感じでさ。」
「お前さ、仮にもあいつの主人になるんだぞ。」
いや、それは分かってるけどあれはなしっしょ。
あそこまでウニョウニョされたら近づきたくないわ。
ってか、蛇多すぎて近づけないし。
「ほら、桜夜やって。そこからなら蛇狙い撃ちでしょ。」
「別にここからじゃなくても、どっからだって撃てるつーの。
・・・これ後で絶対にハルに言ってやるからな。」
「それはやめて欲しいかも。」
桜夜の狐火が炸裂する。
碧く輝く光の玉はメデューサに絡みつき離さない。
あれで熱くないのが不思議だ。
狐火は自分でコントロールが出来るらしい。
最も何度も練習を重ねると出来るって言う訳ではなく、本質で決まっている極一部しか出来ないってことらしいが。
同じ架空生物でも狐は数が少なく実態が分かっていないところが多い。
昔は沢山いたのだが・・・
「さすが桜夜。こんな簡単に止めちゃうなんてねぇ。
これ、私がいる必要ある?」
「お前が主人になるんだろーが。さっさと中を見て戻せ。」
そんな簡単に言うなっつーの。
まあ、確かに記憶を覗けるのはここでは私しかいないけども。
でも、何かあれ嫌なんだよなぁ。
いくら正気に戻す為とは言え、他人の記憶に勝手に入って中から鍵となるものを引っ張り出し思い出させる。
超プライバシーの問題じゃん。
しかも相手は身動き取れないやつ。
「んじゃまあ、ごめんけど君の中見せてもらうよぉ。」
コツン。
メデューサの額に私の額をくっ付ける。
記憶が私の中に溢れ流れてくる。
・・・あぁ。気分が悪い。
自分の持つ記憶と相手の持つ記憶が混ざり込み頭がパンクしそうになる。
「どーだ?」
「・・・もうちょっと待て。」
メデューサの記憶が私の中に入り混じり合い。
・・・あぁ。そう言うことか。
君もそうなんだね。
・・・大丈夫。大丈夫。君はもう大丈夫だ。
君はもう怖くないよ。大丈夫。
こっちに帰っておいで。こっちへ。
君はそっちに行っては行けない。
「もう大丈夫だよ。」
メデューサから額を離す。
落ち着いた呼吸。焦点がちゃんとあった瞳。
蛇たちの動きが止まった。成功だ。
「勝手に君の中に入ってごめんね。しんどかっただろう。大丈夫か、調子はどうだ?」
「・・・。」
「・・・もう君は大丈夫だ。何も怖いものはない。」
「・・・。」
メデューサは落ち着いた表情で私たちをジッと見つめてくる。
言葉が通じてない?喋れないのか?
いや、でも上級になれば喋れる訳だしそれはないと思いたいが。
まだちゃんと意識がしっかりしてないのか?
「おい。黙ってないで何か言ったらどうだ。
一言ぐらいこいつに言わなければならないことがあるだろう。」
「ちょ、桜夜!そんなに刺激させないで!
この子はまだ自分の状況が理解できてないんだよ。」
「ごめんねメデューサ。先に自己紹介しておくね。
私の名前は刹那。まぁ一言で言っちゃえば悪魔だ。
で、こっちのやたら口の悪い奴が桜夜の紅狐だ。」
「お前、自己紹介てきとーにしすぎだろ。」
「別に今はこれでいいだろう。
どーせ話さなければならない時が来るんだから。」
今はまだ早い。全てが早すぎる。
まだハルもリリィもあんな感じだし、今やったところで不安が増えるだけだ。
「で、メデューサ。君のことなんだけど・・・。
後で私たちの仲間が来るからその時にこうなってしまった原因を言おうと思ってる。
それでいいかい?」
メデューサは俯きながらも頷く。
よかった。ちゃんと理解出来ているようだ。
「せつな、さくや、ありがと。」
あぁ。ちゃんと会話も出来てる。
よかった。本当によかった。
「なんだ、ちゃんと言えるじゃないか。」
桜夜が微笑む。
さっきはあんなにイラついていたくせに。
でも、以外とすぐに収まってくれてよかった。
暴走してしまった子の中には元に戻れなくなりそのままやられてしまうってことの方が多い。
「うん!どーいたしまして!」
だからちゃんと戻れてよかった。
後はこの子が自身の力をコントロール出来るようになればかなり強くなるだろう。
そうなればきっと、過去の記憶を振り切って進んでいける。
この子はもっと強くなれるんだから。
・・・さて、ここまでやってきて問題が1つ。
どうやってこの子に契約をさせようか。
読んでいただきありがとうございます(=゜ω゜)ノ
すっかり秋になりましたねぇ。
この小説にも季節を考えて書いたりしてます。
今はまだ分かりにくいかもですが、もっと分かりやすく、内容の深いものになればと思ってます(=゜ω゜)ノ
これからもよろしくお願いしますψ(`∇´)ψ