表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
架空生物と主  作者: まっちゃん
17/18

黒い影Ⅴ

リュネか・・・。契約なしで仲間にするなんてどうしたんだろう?

そんなにリュネを仲間にしたかったのか?


「ハルよ。私は仲間になるとは言ったが、私に命令なんてことはするなよ。

私は主の言葉しか聞くつもりはない。」


「知ってる。さっきからそう言ってんじゃん。

ってか、命令したいとかなら最初っから名前で縛ってるよ。」


・・・別にハルと契約してるけど縛られてない。

ハルは命令ではなくお願いだ。

それよりもハル。さっきから気になっていることが・・・


「なぁ、ハル。お取込み中悪いんだが・・・」


「ん?どうしたのリリィ?」


「刹那はどこにいるんだ?さっきからどこにもいないんだけど。」


「リリィだと?お前、あのリリィか!?」


リュネがぱあっと明るい表情で私を見る。

いや、あのリリィってどのリリィだよ!

絶対誰かと勘違いしてるだろ!


「リュネ、この子の名前はリリィ。私と契約しているフェンリルだ。

リリィ、刹那には桜夜のところにお手伝いとして行ってもらってる。」


「は!?ちょっとハル、そんなこと言ったら・・・。

てか、いきなり紅狐と二人っきりにさせたのかよ!!あいつ私に術使ってきたんだぞ!刹那に何かあったらどうするんだよ!?

あの子は普通の女の子だぞ!私たちと違って普通の子だぞ、何かあったら・・・」


「リュネは仲間となったんだ。リリィの正体がバレたぐらいで騒ぐなよな。

それに、桜夜なら大丈夫だ。何もしないって言ってたし。

それに・・・

それに刹那は普通の子じゃないし、今回のこれで刹那は本家に入ることになる。」


「え?」


刹那が本家に入る?なんで・・・

それにリュネと仲間になったから私の正体を言った。

刹那は?仲間だろ!?なんで・・・どうして・・・?

不安が募っていく。

なんだろう?ハルは慌てているのか?

昨日から少しハルの様子がおかしい。変だ。

何かに慌てているような気がする。

こんないきなり刹那を行かせるなんて絶対にしなかったのに。

まぁ、私には多々あったけど・・・。


「刹那は凄い子なんだよ。学校では何も出来ないように演じているだけ。」


「刹那が?そんなこと・・・」


「もっと言えばリリィは刹那のこと普通の女の子だー!なんて言ってるけど、それこそ・・・」


それこそなんだ?

刹那は普通の女の子じゃない!?!?

どういうことだ?刹那が普通の女の子じゃないなんて・・・。

普段は演じているだけって・・・。

じゃあ刹那はなんなんだよ!?


ーー『刹那』ーー


「うわーーーー!!!!」


「おい、さっさとやれよ。」


ドドドドドドド・・・・・・・!!!!!

待て待て待て!!なんだこれ!?なんなんだよこれはよ!?!?

後ろを振り返ると大量の『蛇』が追いかけてくる。

蛇のくせにスピードが速く追いつかれそうで・・・


「クソッ!なんでこんなことに!!」


ハルと一緒にリリィを見守るはずだったのに!

ハルのやつ、いきなり桜夜のところに行けなんて言ってきたし!

行ったら行ったで何か蛇が追いかけてくるし!!

しかも、桜夜はさっきから木の上で高みの見物だし!!!

あーもー何でこんな目に!


「おい、いつまでもたもたしているつもりだ?

そうやっていることがそんなに楽しいか?さっさと片付けたらどうだ?」


「あーもー!見るからに楽しい訳ないだろーが!!

見る暇あったら助けろよ!!!!」


「私に向かっての口の利き方。さて、どうしたものか。」


「なんだよそれ!あんたハルの言うことには従順のくせに!!」


「フッ、ハルは私の主人だぞ。それに私はハルに言われて来たが命令ではなくお願いだ。

ここに来たのはただの気まぐれ。」


「あー分かった分かった。

桜夜様、私を助けてください。お願いします。」


「フフッ。最初っから言ってればいいものを。」


「だが、断る!!」


「なんでだよ!!!」


なんだよこいつ!!

言わせておきながらこの・・・!


「私はハルに何もしないと言った。だから何もしない。」


そっちの意味で言うなよー!

普通何もしないって言ったら攻撃しないってことでしょーが!!


「大体、私が助けなくてもお前1人で余裕に出来るだろう。

今、ここには私とお前だけ。何も演じることはなかろう。」


「・・・どれだけ仲が良かろうと一度決めた事は最後までやり遂げるものだよ。」


「って言う凛音様の言葉だろう?」


「凛音様はいつかまた来てくれる。

その時まで私は刹那として過ごす事を約束した。」


「かもしれないが、凛音様の最期を知っているだろう?あれでは・・・」


「何故、桜夜は信じない。あんたは凛音様の!」


しまった、言いすぎた。折角、さしぶりの再会なのに。

って、取り敢えず


「シャーーーー・・・」


蛇を燃やしメデューサの足を石化させる。

これで少しは大人しくなるだろう。


「相変わらず、その術は健在ですか。

つか、言った側から使ってるじゃねーか。約束の話はどうするんだよ。」


『メデューサ』

メドゥシアナと呼ばれる蛇の髪を持ち、それを単体で動かす事が可能。

また、メデューサの瞳は見たものを石化させる力を持つ。

まあ、私の術の前ではそんなもの無効に等しいものよ。

だからハルが私をこっちに送った訳だし。


「『カウンター』来た術を倍返しでお返しする術。

お前のその術、前にも増して強くなっているな。」


「あれから500年は経っているんだ。

桜夜が封印されてしまっていない間に少しは強くなる事が出来た。

まぁ、まだ桜夜には敵わないけどな。」


「500年か。長かったな。」


桜夜は遠目で静かに語る。


「遅すぎるんだよ。どんなけ待ったと思ってる。」


「だが、それも終わりだ。あの子が目覚めつつある。

解けるのも時間の問題だ。」


そっか。もう少しか。だけど・・・


「シャーーーー!!!!」


メデューサが暴走している。

あーあ。折角石化してみたけど意味なしか。


「刹那。ハルがこいつを下におけってよ。」


「はぁ!?いきなりなんな訳よ・・・。

一応、私は何も出来ない子としているんだけど。」


「ハルはお前の演技もう見抜いているぞ。

こいつを下において主人となることにより、本家へ移行出来るみたいだ。」


「あー。なんとなく察したわ。

上級架空生物を下におくと本家移行確定だっけ?

今更感が半端ないんだけど。」


つか、演技見抜かれているなんてマジかよ。

結構、自信あったんだけどなぁ。悔しいなぁ。

まぁ私だってリリィのこと知ってるしお互い様か。


「ついでにそれもハルは知ってるからな。」


「心を読むなっつーの。」


「今のは読んでねーよ。刹那は考えたことそのまま口に出すだろ。ダダ漏れなんだよ。」


グッ・・・。

それを言われちゃあ、何にも言えない。

確かにハルにも注意されたけど結構声大きかったんだな。


「で?どうやってこの暴走君を下におくつもりだ?」


「そりゃー・・・」



読んでくれてありがとうございます(=゜ω゜)ノ

かなり空いてしまいましたがやっと投稿出来ました。

待ってくれていた皆さんありがとう(((o(*゜▽゜*)o)))

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ