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狩り

そんな中家の奥から突如警報機の音がした。


「ビービー!!!ビービー!!!」


「お前ら、奥に来い!モンスターが来た!」

ロバートが焦ったように2人に言った。

だが、2人は全く動じない。それどころかグラフィエルはロングコートの中から2本の鉈を取り出した。

両手に持ったそれをクルリと手首で回すと「人間は引っ込んでいろ!」と言って外に出ていった。

グラフィエルの言葉にラザエルも「絶対にここを動くな。」と言って外に出ていった。」



外に出たふたりは同じ方向を見つめ、武器を構えて立っていた。


「だいたい600m先だな。銀龍か?」

「そのようだな。狩るのは6体目か。」

そう言ってショットガンを構えた。


「狙うは逆鱗だ。俺が脚を斬って動きを止める。お前は逆鱗だけ狙っとけ。」

「いつから悪魔が天使に指図するようになったんだ?」

「なら勝手にしろ。来るぞ!」


銀の鱗に覆われた体長24m、体高5mほどで翼は退化して、四足歩行のその巨龍は主に肉食で好戦的、執念深く人間の臭いに敏感。その巨体に見合わず俊敏で馬と同等な速度で走ることも可能である。

口からは毒性のある唾を吐き、粘膜に付着すると全身が痙攣を起こし、死に至らしめる。


それが彼らの戦おうとしている相手である。


銀龍は天使と悪魔に向かい突進をしてきた。天使は右に、悪魔は左に跳んでそれを避けた。や否や、黒い悪魔は銀龍に向かって走りすぐさま攻撃に移り鱗と鱗の間のわずかな隙間に刃を入れてえぐっていく。そして右後ろ脚に左の刃を突き立て、続いて脇腹に右の刃を刺してから、左刃を抜き、宙に体を放り全体重を脇腹に突き立てた刃にかける。脇腹の鱗と肉が大きく削げて銀龍は苦痛のあまり叫び体勢を崩した。


右に避けた白い天使は悪魔が銀龍に刃を突き立てるより早く、鱗の生えていない脚の内側に向けて2発銃弾を打込んだ。命中。

逆鱗を狙うため前に回り込みながらリロードをする。

リロードが終わると同時に銀龍は大きな叫び声をあげ体勢を崩した。

頭をもたげた体勢になり首の下が狙いやすくなっている。またもや2発、今度は逆鱗のある首の下に向けて撃った。



グギャオーーーーーー!!!!!


銀龍は首から大量の血を吹き出して地に這いつくばい、そして動かなくなった。


「さて、人間のところに戻るか。っとその前にちゃんとスーツを浄化しとけよ。」

「あぁ、ありがとう。忘れていたよ。」

天使はそう言うとスーツの血がついた部分に触れていった。

すると、銀龍の返り血で汚れていた部分が元の白さを取り戻していった。


「漂白の天使アリエールに感謝します。」

「ふふっ、お前も冗談が言えるようになったんだな。」


そう言ってグラフィエルは鉈をコートに納め、ラザエルはショットガンを背に担ぎ、人間の家に戻っていった。



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