イタリアより生存者発見
21世紀末のとある日、その日人類は思い知った。地球を支配しているのは自分達ではないということを…。
終末の日は突然に訪れたのであった。
2098年、イタリア
「えぇー、みなさま、世界が『終末の日』を迎えてから今日で4年の月日が経ちました。誰かがこの放送を聞いていることを願っております。聞いていましたら返答どうぞ…。もしこの放送を聞いている方がなにかの拍子に記憶を失っている場合を想定して『終末の日』についての説明をしておきましょうか。2094年6月ごろに、突然世界各地で謎の閃光が発生し、笛のような音を聞いたとの現象が発生し、その後各地で龍やユニコーンといったものが目撃されるようになりました。また、石油タンカーや旅客船の行方不明事件や難破転覆事故が相次ぐようにもなりました。同年7月某日米軍が突如ミサイルを太平洋にめがけて発射し、そしてアメリカ政府は緊急発表をしました。我々人間は今全滅の危機に瀕している…と言いましてね。ミサイル発射の理由はリヴァイアサンの撃退目的でこれから10分後にまたミサイルを発射するとも言いましてね。世界各地で目撃されてた龍とかgoogla mapに写り込んだ大きな魚とかは全部本物で実在してるんだとも言ったんです。一応その発表の日が『終末の日』と呼ばれてるんですが、問題はそこからでした。アメリカ以外のいわゆる先進国なんかもその事に気付いていて、アメリカからの発表は国連の決議で決まったことらしく国連軍も形成されて、モンスター狩りが諸国で行われたわけです。最初のうちはあれよあれよとモンスターの撃退がされていってたんですがね…。2094年12月19日、モンスターの逆襲が始まったんでございますわ。あっという間にアメリカが焦土と化して世界各地でも同様にモンスターにより人間狩りが始まったんです。それが本当の『終末の日』。以上で説明終わりますけどこんなに頑張って説明したんだから誰か1人ぐらい聞いててくれよな…あぁクソ、あと何日生きていけるんだか…ハクション……うぅ寒い…」
「こんな民家に大型通信機器があるなんてとんだオタク野郎だな。」
そう言って、黒のロングコートを着た男はその内側から大型のナイフを取り出した。
「人間らしくていいではないか。それに今の時代それぐらい誰だって持っている。」
と応えた男は白いスーツを着てライフルを背負い、手にはショットガンを構えていた。
白いスーツの男は民家の扉のドアノブをショットガンで撃ち抜き、鍵を破壊し蹴破った。
家の中はひどく散乱し、テーブルはひっくり返り、蛍光灯は割れ、壁や床は穴だらけであった。
「間に合わなかったかな。状況からしてゴブリンの群れだな。」
ロングコートにナイフをしまいながらそう呟いた。
その時、
「おいおい勝手に殺さないでくれよ、ずいぶんと遅かったじゃないか。まだ人間の生き残りがいたとはな、あんたら名前はなんていうんだい。」
と薄汚い格好で服のあちこちには緑のシミがついた服を着た男が家の奥から現れた。
そして白いスーツの男が応えた。
「私の名前はラザエル。天使だ。」