おい!クソジジイ
「どうしたんじゃ?蓮?」
「知るか!変な連中にやられたんだよ。じじい!さっさと治してくれ!」俺の名前は神崎 蓮。俺の目の前にいるこのじじいは俺の祖父で言いたくないが師匠だ。てっぺんハゲに切れ長の目、じじいのくせに筋肉質。物心つく前から両親はいなかった。子供の頃からじじいとばぁちゃんに育てられた。
「治せとはなんじゃ!それが人に物を頼む態度かぁーーー?」
「あぁーうっせーな!こっちわ怪我人じゃボケ優しくしてやる心はねぇのか?」
「あらあら、蓮ちゃんまた喧嘩でもしたの?」この人がばぁちゃんだ。歳は60くらいだが、40代と言われても納得できる。いつも着物を着ていて今からでも女優になれるんじゃないかというほど綺麗だ。そして、優しい!
「ばぁさんからも言ってやってくれい!こいつはいつまで経っても素直に頼むということを知らん!」
「黙れ!じじい!さっさと治しやがれー!」
「二人とも静かにしなさい!」
「「はい。」」
「蓮ちゃんは肩と足を見せない。」
「わかった。」
俺はばぁちゃんが怒ると恐ろしく怖いことを知っている。じじいもだ。俺は言われた通りに見せる。
「これはひどいわねぇ。銃で打たれたみたいねぇ。」
「どこぞのヤクザにでも喧嘩を売ったのじゃろう。」
「うるせぇーよ。」
俺は念のためさっき起こった出来事を黙っておいた。無駄な心配をかけないためだ。まぁじじいにはかけても構わないがな。
「はい、終わり。明日の学校には松葉杖を突いていきなさい。」
「りょーかい。」俺んちにはあらゆる治療用具があるしばぁちゃんもじじいも治療するときの知識がある。稽古の時によく怪我をするからだ。
俺は部屋に戻り、自分の能力を使ってどういう能力なのかを調べることにした。脳内に入って来たのは使い方であって、能力の説明ではないからだ。