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高校ヤンキー列伝 かつひこ君の恋 第二話

作者: ケンタウロス

前作 高校ヤンキー列伝 かつひこ君の恋

の第二話になります


美術部に入部いたしました

私とかつひこ君


いかがなりますでしょうか

さて前回のかつひこ君の恋 の続き


二作目でございます


美術部に入部してみましたら

なんと

れいこちゃん


副部長

という要職に

ついておられまして


一学期が終わって

三年が引退いたしましたら

部長様


となる予定でございました



すげ~やん れいちゃん

なんか偉いさんやな




私 厳しいからね~

覚悟しといてよ




あ こいつな

一緒に入部した

ヘタレのかつひこ


よろしく頼むわ~




知ってるよ

いつもケンちゃんのとこに遊びに来てるし

よく一緒にいるよね




よ よ よろしくお願いします

かつひこです

頑張って絵描きます

(緊張しまくるかつひこ君)



俺は頑張って

サボるわな

かつひこの事はまかせたで~




夏休みになったら

合宿もあるからね

みんなで一緒に行こ



いや・・・

俺は勉強が忙しいから

合宿はいいかな

かつひこ 連れてったってな

(勉強一途の私)




どうせ毎日

オートバイで

遊ぶんでしょ

3日間の予定で

海に絵描きに行くから行こう




俺 絶対に行く

海 行くっす

(舞い上がるかつひこ君)



行け行け

海なと宇宙なと勝手に行け

俺は行かん



ケンちゃん

オートバイで来てもいいから

毎日海水浴できるよ

ご飯もおいしいし

先生も多分

1日くらいしかいないから

先生いる日だけどこか行ってて

オートバイは内緒にするから

行こうよ




海水浴は別にしたないけど

単車でもいいなら

先公おらん時に

遊びに行こうかな



ケンちゃん

行こうぜ

俺も単車で行くわ~




そうやな

一緒に単車で行って

毎日海辺を流すか

女 ひっかけて遊ぼうや



あ れいこちゃん

俺はそんな事しないっすから



夏休みまで

残すはあと三週間ほど

幸せいっぱい

という感じの

かつひこ君でした




さて私

最初の

何回かは


かつひこ君に

誘われて


クラブに顔を出したわけでございます


もちろん

餃子やら焼き飯やら

スパゲッティやらピラフの

誘惑に負けた

と いう事もあったわけですが


美術部

行ってみましても

絵を描くわけでもなく


単にブラブラと

部室の中

何か面白い物はないかと

物色したり


他の部員の絵筆

取り上げて

顔にヒゲを書いてあげたり

メガネ書いてあげたりいたしまして


時間潰すだけだったわけです



れいこちゃんだけは

ニコニコと

笑顔で私達を

迎えてくれましたが


他の部員は

あきらかに

迷惑そうな感じでした

それでも

かつひこ君

れいこちゃんに

油絵の描き方

など

手取り足取り

教えてもらって

ニコニコ

大変幸せそうでした




ケンちゃんも描こう

教えてあげるからね

ケンちゃん

教科書やノートに

よく落書きで

絵かいてるでしょ

案外上手だよ

(優しいけどちょっとウザいれいこちゃん)



いやいや

俺は絵描くより

監督が性に合っとるからな


っていうか

俺の落書きなんか

いつ見たん?





そんなおバカしてる内に

私 素晴らしい発見

してしまったのです


油絵を描く為なんでしょうか


美術準備室に

置いてあった

数個の一斗缶

つまり18リットル程入る四角い金属缶ですが


なんと中身



シンナー


でございまして


見つけた時は

小躍りいたしまして

手近なビンに

小分けしまして

コッソリ

持ち帰ったわけでございます


もちろん

仲間と一緒に

自分達も吸引

したりするわけですが


それだけでなく



売れます


グッジョブ


でございます



実はこのシンナー

当然ですが

友達には

無料でバンバン配っておりまして


ある日

のりかず君



おいケンタ

シンナーまだある?



お~あんで

やるわ~

なんか容器あるか?



ビニール袋あるから

入れて~



よっしゃ

入れるで

口開けて持っといてくれよ


学校ではやんなよ

一発で無期停

下手こいたらクビやで

あと絶対俺の名前出すなよ





大丈夫やて

そんなアホな事せんて


オッケーオッケー

それで充分やわ

(嬉しそうなのりかず君)


のりかず君


毎度毎度 調子のいいやつではありますが

なんと


そのビニール袋の中身

学校内で

しかも あろう事か

授業中に

しかも教室で

吸引いたしてしまったわけです



音楽の授業でした


私はその授業

出席しておりませんでしたので

後々 人づてに聞いたわけですが



音楽の先生は

70に手が届く

女の先生


私立でしたので

異色な先生

多かったわけですが

大変ピアノが上手く

プロ並み


と言われておりました


さて

自分の机で

こっそりと

吸引作業

開始いたしました

のりかず君


当然 皆さん御存知の通り

あの手の有機溶剤

独特の刺激臭

ございます


気付かれない

バレるわけない

絶対大丈夫



のりかず君が


なぜそのような

結論を出してしまったのか

どう考えてみましてもわからないんですが


彼は


大丈夫 絶対大丈夫

だいたい あの先公

ヨボヨボでボケが入っとるからな

バレへんバレへん


と思った

と後々 述懐いたしておりました



さて

教室中に

充満いたしました

シンナー臭



当然ですが

他の真面目な生徒達が気付きます



ザワザワ ヒソヒソ

(ざわめく教室内)



皆さん

どうかしましたか?

なんかすごい臭い

してますね

外からかしら?

(不審げな先生)


違いますね

どこからかしら?

(教室内をウロウロと臭いの元を探す先生)



・・・・・・み 三島くん(のりかず君の名字)

あなた・・・

いったい何を・・・

(自分の目が信じれない先生)



その時

すでにラリって

フラフラになっておりました

のりかず君


すっくと立ち上がりまして




先生 愛してます

(おバカなのりかず君)


もちろん

のりかず君は

即 無期停学


これが私達の高校で

今も語り継がれている


先生 愛してます事件


の真相であります



余談ですが

この時

職員会議で

当然 退学にすべし


という声

かなり多数を占めていたようですが


学年主任で数学の担当だった

桜井先生の


こいつらは

退学にしたらどうなるかわからん

私がしっかり指導します


という強い意見で

無期停学

という温情判決に至ったようです


この先生には

私も 何度も退学のフチから助けていただきまして

その都度

痛い痛いビンタを


数限りなくいただいたものでございます



私達

不良と呼ばれた生徒を

心から

愛してくれた先生でした


あれから

30年以上経った

同窓会に出席された

桜井先生


すでにヨボヨボで

杖をつき

しかも

かなり 認知が入り


私も のりかず君も

覚えては

いらっしゃいませんでした


ただニコニコと

昔と変わらない

優しい眼差しで

私達を

見て

うなずいていらっしゃいました


私 その時

不覚にも

涙したものです



生徒指導室で



ケンタよ

この先 何回

お前にビンタつったらいいんやろな

手が痛いんや

そろそろ

勘弁してくれよ



と笑いながら

おっしゃった

桜井先生・・・



何度目かの停学の時に


私のリーゼントの髪を

グシャグシャに

かき回しながら


この髪の毛があかんのや

この髪の毛があかんのや


と 涙目で

おっしゃった桜井先生





優しく愛情に満ちた

目をしていらっしゃいました


すでに今は

鬼籍に入られておりますが



ちゃんと

お礼を言えなかった事

今でも悔やんでやみません




いやいや

閑話休題


話しが湿っぽくなってしまいました



かつひこ君の恋の

お話しでしたね


美術部での

彼の評判は

上々のようでした


毎日クラブに出席して

元々

格好こそバリバリのヤンキー

ではありますが

明るく優しい

根性なしの

かつひこ君

クラブのみんなとも

馴染んでいたようです


れいこちゃんとも

大変うまくいっている様子で

毎日楽しく

一緒に油絵

描いていたようです




ケンちゃん

俺な 毎日めっちゃ楽しいねん

今な

れいちゃんに教えてもらってな

油絵 描いてるねん


色使いがうまい

ってな

れいちゃんに言われてんで



この前の日曜日なんかな

れいちゃんと二人で

スケッチ行ってんで

(幸せいっぱいのかつひこ君)




スケッチな~

なんか お前が言うと

スケベエッチに

聞こえるわ~


ま せいぜい頑張れや

はよ スケベエッチ

させてもらえよ




さて 夏休みまで残すところ一週間足らず



かつひこ君の恋

いかがなりますでしょうか



ちなみに

のりかず君

夏休み明けまで

無期停学のため

しばらくの間

出番なしでございます


さて次回

かつひこ君の恋 第三話


かつひこ君の恋


第三話につづきます

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