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繋がれた誓い ―白の誓い―  作者: 鏡 黒兎
6/10

王子ルートその1 地下室にて

1日目、地下室を選択




地下には、倉庫があります。

キネア領の備蓄として、日持ちする食糧品や、様々な特産品が蓄えられているのです。 昨晩のパーティで殿下にお送りした品も、この中から選びました。


「お疲れ様です。この前はありがとうございました。」

「おぉ、お嬢さま、どうなされました?」

「選んでいただいたワインを殿下にとても喜んでいただけたので、お伝えしようと。」

「わざわざありがとうございます。殿下にお喜びいただけたのでしたら、何よりにございます。

しかしワインもそうですが、殿下はお嬢さまの刺繍もたいそう喜ばれたのではないですか?」

「それは……えぇ、はい。」


お世辞かもしれませんが、お褒めいただけました。あの時の殿下の優しい微笑みが、頭に浮かびます。思い出すだけで、少し照れてしまいます。


――いけません。殿下には、婚約者がいらっしゃるのです。


「つかぬことをお聞きしますが……お嬢さまは、王太子殿下に拝謁なさるのは、初めてなのですか?」

「ええ、はい。お城にあがったのも初めてで、とても緊張してしまいました。それにしてと王太子殿下は、噂通りの、とても優しい素敵な方でした。」

「それはそれは……とても楽しい一時をお過ごしになられたようで、何よりです。」

「えっと……はい。」


楽しい一時、と言われ、即答できませんでした。

確かに殿下との一時は、夢のようなものでした。しかしながらそのせいで、アレア様のお気持ちを傷つけてしまいました。素直に、喜んではいけないような気がいたします。


「おや?何かあったのですか?私でよければお聞きいたしますよ。」

「いえ……ご心配いただきありがとうございます。だいじょうぶです。」


心配させてしまいました。

ですが……昨晩のことは私が悪いのです。

お話するようなことではないでしょう。





※   ※   ※   ※




「――それでは、おやすみなさいませ。」

「おやすみなさい。」




――パタン



静かに、扉が閉められます。

布団に潜り込み、枕に頭を沈めます。




――カサリ




「なにかしら?」


枕の下を探ると、何か紙があるのがわかりました。

取り出し、手探りで明かりをつけます。


「……お手紙?」


どなたからでしょう?

宛先も差出人もなく、封もされていません。



……?



ふぅわりと、何かの香りがしました。

昔、どこかでかいだような……。


……白い、薔薇……


……だめです。思い出せません。

とりあえず、中を読んでみましょう。





――愛しのミスリアへ





ただ一言、それだけが書かれていました。

お兄さま、でしょうか……?


……なんとなく、ちがう気がしました。

根拠はありませんが。




※   ※   ※   ※




――ミスリア、ねぇ、あそぼ?



うれしい

白いバラが、きれいね



――ふふ、ミスリアかわいい


かわいい?わたしが?ほんとうに?


――バラなんかより、ミスリアのがずっとかわいいよ





ふわりとしたえがお




……ねぇ、あなたはだぁれ?

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