表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
繋がれた誓い ―白の誓い―  作者: 鏡 黒兎
5/10

共通ルート、その5、もしくは別名、序盤お兄さまイベント

「――足はひねってないようですね。」

「あの、ギイニ、もうだいじょうぶですから……。」


転んだというか、突き飛ばされたというか、扇子の勢いがすごすぎたというか、結果的に倒れたのは本当ですが、足なんてひねっていません。

だから、はやく、ドレスの裾を元に戻してもらえないでしょうか……。


――バタンッ


「ミスリアっ!」

「お兄さま!?」


――カッカッカッ


……ふわぁ……


「心配した。」

「お、お兄さま……。」


むぎゅうと、抱きしめられました。

正直、戸惑います。

エスコートしてるはずの王女さまは、どうしたのでしょう……?


それに……。


「お兄さま、苦しいです。」

「あぁ、すまない。怪我をしたと聞いて心配で。」


お兄さまは、昔から心配性です。

昔、お義母様にはたかれた時も……あれ?私は何を考えていたのでしょう?


あぁ、お兄さまのことでした。


そう、この前も、少し咳きこんだだけでしたのに、医者だなんだとずいぶん大げさでした。わざわざ領内唯一の女性のお医者さまを呼んでくださったのです。


なんと、お優しいお兄さまでしょう。私は、卑しい妾の子だというのに。


「疲れたろう?今日はもう帰ろう。」

「ですが……お兄さま、王女さまはだいじょうぶなのですか?」

「あぁ、だいじょうぶ、心配ない。ずいぶんお疲れになってしまわれたようだから、もう部屋にお戻りになられたよ。私も、今日はもうミスリアと一緒に帰りたい。」

「まぁ……本当に、よろしいのですか?

「もちろんさ。さあ、帰ろう?」

「きゃっ!」


……ギイニに続き、お兄さままで。なんということでしょう!


「お兄さま、歩けます。」

「私が運んであげたいんだ。私の我侭につきあっておくれ。」

「それでも……恥ずかしいです。」


大したことない怪我だというのに、年甲斐もなく恥ずかしい心地です。


――チュッ


額に、湿った冷たい感触が、触れました。

……頬が、熱いです。


「お、お兄さま……。」

「可愛いミスリア。」


にっこりと、微笑まれてしまいました。

……頬が熱くて、私は何も言えなくなってしまいました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ