好き?No. 1
前作に次いで作りました。
どうかご覧になってください。
潤はあまり人前に出るタイプではなかった。
正直、私も驚いた。あの潤が積極的に立候補するなんて思ってもいなかったから。
ーあ、でも学級委員とかやってた。
そう思いながら、部員を見るとみんな同じ顔をしていた。そのままミーティングは終了した。
翌日から、私は潤とよく話すようになった。新部長とマネージャーという立場で関わることが多くなったからだ。部活のメニューや今後の予定について、部員の様子について。
私と潤は同じクラスでもあったから、日常生活でもよく話した。
たとえくだらない話でも、私は心が弾んだ。
なにより、ずっと話していたいと思った。
そして、私はいつの間にか潤を目で追うようになっていた。サッカー部の1年生からは、
「マネージャーって潤先輩のこと好きなんですか?」
と言われる始末だ。私は否定できなかった。
できなかったのではなく、しなかった。
否定すると、自分に嘘をついているみたいで嫌だったから。
ーん?これって潤のこと好きなんだよね?
急に恥ずかしくなった。
否定するのも嫌だけど、認めるのが恥ずかしくなった。これからどう接していけばわからなくなっていた。
翌朝、私の幼馴染でもありサッカー部のマネージャーをしている大内綾に相談した。
「ねぇ、私って潤のこと好きなの⁉︎」
「は?」
渇いた返事が返ってきた。
「は?って何、は?って!」
綾にズバッと言われた。
「そんなの私が知ってるわけないでしょ?
蒼衣が潤のことを好きだと思うなら好きなんだよ。いつも潤のこと考えていたり、いつの間にか目で追ったりしているなら、それは好きってことじゃないの?」
正論を言われた。
「た、確かにそうかも…」
私は自分がバカみたいに思えた。