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校内一目立たない部活は殺人部でした。  作者: 真華
殺人部vs弓道部?
9/12

殺人部と弓道部(3)

ッパンッッ...



「なんだよ、李霧。お前、劣ってるどころか逆に上手くなってね?」

「俺が練習してないとでも思ったか?朝昼献上して、一人で引いてますからー」

「さすが、我が部の期待のエースだな!!」


五人立ち(団体戦で行う、五人一組となって順番に引いていく試合形式)を終え、軽くミーティングすることになった。記録を見ていると、李霧は自分がいなかった一週間の記録を見つけた。


(...俺が上手くなった、というよりこいつらが劣ったんじゃ...)


大会が近いのにも関わらず、五割を超えてる部員が一人もいなかったのだ。

李霧の記録は、18/20中。ダントツだった。


「悪い、李霧。最近こんな感じなんだよな...」

「一週間前は全体的にもっと的中ありましたよね?」

「まぁな...でも、全員スランプになったのはいきなりなんだ。」


八尾によると、先週から大会も近いので顧問に黙って自主練をしていたらしい。しかし、練習すればするほど、的中が落ちるという。




李霧は話を聞きながら、その原因が何なのかすぐ分かった。しかし、何か引っかかる。




(奴らは校舎だけにいるわけじゃないのか...!?)




今まで、校舎外に悪霊が出るなんて事はなかった。

弓道場は校地内には建てられているが、校舎にくっついているわけではない。


(奴らは校舎内、じゃなくて校地内にでるのか!?)


李霧はすぐにでも殺人部の方に行きたかった。しかし、この雰囲気の中出て行くのは八尾が許さないだろう。なんせ、今頼れるのは李霧の的中だけなのだから。


李霧はかけられている時計を見た。

部活終わりまで、あと40分...。


(仕方ない。終わったらすぐ行こう...)




------



一方、


殺人部の活動拠点、廃教室。

いつもなら入り口の札に「殺人部」と書かれているのだが、それは裏返され、代わりに「ボランティア部」と書かれていた。




那衣斗と泉弥は冊子を作っていた。

部屋に響くのはホッチキスで紙を留める音と、紙を整えるトントンという音だけ。



パチンッ...パチンッ...



「んー!!終わったぁぁ!!」


泉弥が思いきり伸びながら叫んだ。


「集中すると案外早く終わるな。それにしても、生徒会の奴らは仕事してないのかよ...」


那衣斗はついさっき終えた仕事の跡を見ながら呟いた。


「あいつらも人使い荒いよな!生徒総会の資料くらい、自分たちで作れっての!」

「激しく同意。よく1000人近くの資料作ったよな、2人で。」

「くっそー!後で文句言ってやろ!」


2人で不満をぶちまけていると、

生徒会役員の女子生徒が訪ねてきた。


「終わった?」

「はいはい。どうぞこれ。」


泉弥が皮肉を込めながら、資料を渡そうとした、が。

段ボールいっぱいの資料は、女子生徒一人で持つにはあまりにも重すぎる。


「...俺持ってくわ」


と、言うと泉弥は同じ階の生徒会室に、資料が入った段ボールを軽々と持って行った。


「泉弥...あいつやっぱり怪力だな...」


感心してるのか、はたまた、呆れているのか。そんな感じで那衣斗は呟いた。


すると、


ピロンッピロンッ


と那衣斗の携帯が鳴った。


(メッセ?誰だ?)


と、ディスプレイを覗くと、



まだ学校いる?

話したい事あるから完全下校まで残っててくれ。


李霧からのメッセージだった。

しかも個人メッセージ。


いつもならグループメッセージ機能を使うはずだが...


(なんだ...?)


不思議な意味を含んだメッセージに、那衣斗はただ疑問を抱くことしかできなかった....


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