殺人部と弓道部(2)
放課後...
李霧は職員室にいた。
用があったのは殺人部の副顧問をしている、岬 明日乃だ。
「すみません、田山先生がいなかったので...。今日の活動、弓道部の方に顔出すので、遅れるか...もしかしたらいけないかもしれないです。」
「分かったわ。田山先生には伝えとくね。」
新任の岬は、結構美人だ、と男子生徒からとても人気がある。
「大変ね、紫月君も。」
「いえ、全然。俺は弓も悪霊退治も好きですから。」
「悪霊退治が好きって...面白い趣味ね。」
苦笑しながら岬は、「あ、そうだ」と職員用の大きい机からプリントを出した。
「これ、忙しいとこ申し訳ないけど花鬼君に持っていってくれない?どうせ道着を取りに行くんでしょ?」
(なんで知ってるんだよ...)
なんて思ったけど「はい。」と李霧はそれを受け取った。
------
(ってかこれなんだ?)
職員室を出た李霧は渡されたプリントを見た。
「部長会議......あ、そうかアイツ部長か...」
失礼な事をさらりと言いつつ、廃教室兼、殺人部の部室に着いた。
中にはまだ泉弥しかいなかった。
「泉弥、これ悪いけど乱に渡してくれないか?」
「ん。なにこれ。...部室会議...?ぁあー、そういやアイツ部長だったな。オーケー、渡しとく〜」
(...思ってたの俺だけじゃなかったわ...)
------
部活開始は16:00から。
現在の時刻は15:55。
李霧は道場の玄関前にいた。
(危なかった...)
早速着替えようと玄関を開けようとすると、後ろから誰かが抱きついてきた。
「りーーきーーりーーー!!」
「....亜怜、みっともない、やめろ。」
「悪ィ!あ、皆様こんにちは!俺は七瀬亜怜!弓道部のマスコット的な??キャラいっぱい出てきてややこしいけど、ごめんな?」
バシッ
「いってぇ!なんではたくんだよ!?」
「長い。あと、弓道部のマスコットってなんだよ、誰も思ってないから。」
「ひど!?」
そこへ、
「オイ、七瀬。誰に話してんだよ。あと李霧。部活始まるから早く用意しろ。」
二人のゴタゴタに八尾が一喝した。
「はぁーい」
「すいません」
それぞれ返事をして二人は道場に入った。