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校内一目立たない部活は殺人部でした。  作者: 真華
第一章 殺人部の日常
6/12

男子高校生の鬼ごっこ(4)


...ッバァンッ...



その音と、新たな男子生徒の声で悪霊の意識はその男子生徒に向いた。




『だれっっ!?』




「ふふっ...そのうち仮は返してもらうからね?泉弥...」



限りなく真っ暗に近い教室で顔はほとんど見えなかった。

しかし、その特徴ある高めの声。そして銃声。

誰かすぐに分かった。




「那衣斗......」



泉弥は半泣き声でその銃使いの名を呼んだ。



「もっと警戒心持って行動しろよな?」


「うぅ...悪りぃ...」


「泣くなよ、みっともない。ってか、乱はどこ行った。アイツも3(ここ)いるよな?」


「あー...まだ2-Fいんのかな...」



やっと冷静になった泉弥は、そういえば、と那衣斗に聞いた。


「那衣斗、部室護衛してたんじゃ...?」


「乱に連絡着かないから、李霧が俺に行けって。李霧の能力本当すげぇよなぁ。」


「乱どうしたんだ...ろ...」


泉弥は携帯を開くと同時に目も見開いた。





時刻が19:23を指している。



そして、




『酷いよぉ〜、僕を置き去りにするなんてぇ!もう知らないっ!』



と、なんと悪霊が教室を出てってしまった。






「やっべぇ!!!」




泉弥と那衣斗も続いて教室を出た。





だが。

教室を出た二人が見たのは...






「ハハハハハハ!!見ィつけたぁぁ!!!!」


と、大鎌を器用に周りに気をつけながら悪霊を切り裂く乱の姿だった。



悪霊は切り裂かれたり、打たれたりしても血はでない。悪霊だから。

その代わり濃い紫色の霧が噴き出す。




「乱っ!?」



泉弥は、心なしかいつもより濃い紫色の霧で隠れてしまってる乱を呼んだ。


「すまねぇなぁ!泉弥!!!悪霊が教室出るタイミングずっと見計らってたんだよ!!」


悪霊の姿はもう分からないほど切り刻まれてる。霧が異常に濃いのもそのせいだ。


「なっ...!?」


「浄化完了!!」


乱は高らかに叫んだ。




それと同時に...

「ぐぁっ!?」


「ふざけんな!ふざけんな!!ふざけんな!!!俺超怖かったんだぞ!!お前も浄化してくれるわァ!!!」


と、泉弥から飛び蹴りを食らわされる羽目になった。





那衣斗はそんな二人を余所目に、自分の携帯を開くと、





下校延長もう効かないからな?

俺もう帰る。





李霧のメッセージで初めて気づく。

(あ...)

時刻はもう19:35を指していた。



下校延長は19:30まで。






「お前ら帰るぞ!!!」


と、喧嘩する二人の腕を強引に引っ張り、荷物を取りに部室へ戻った。




そして、警備員に事情を話して、昇降口で待つ李霧と合流し、四人は真っ暗な学校を後にした。








校舎内をすりぬける、濃い紫色の球体に気づかずに...


男子高校生の鬼ごっこはこれで終わりです。


次回、顧問登場。

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