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記憶
辺りに悲鳴が響き渡る。
びっくりして振り返ってみると、視界が赤に染まった。
赤い液体が顔に、体に降りかかる。
何が起こったのか理解できずに立ち尽くしていると、突然体が宙に舞った。
そのまま地面に叩きつけられ、ゴロゴロと転がる。
あまりの衝撃に意識を失いそうになるも、何とか耐える。
立ち上がろうと地面に手をつくと、激痛が走った。
その痛みには耐えることができず、今度こそ意識を手放した。
―――親が死んだ。
そう伝えられたのは、意識を取り戻してから2日後のことだった。