第1話
バトル物です。
特に面白くないと思いますが、
よかったら読んでみて下さい。
気に入ってもらえると光栄です。
実に暇な人生というのは実に暇だ。
俺は生きててそう思ったね。
俺は幼い頃はテレビでやっているヒーローに憧れていた。
テレビの中で敵を倒すヒーローはいつ見てもカッコよかったね。
そしてその頃の俺の夢はもちろん本物のヒーローになることだった。
「・・・」
今、思うととても恥ずかしいもんだ。
でもその頃の俺は世界の現実とやらをまだ知らなかったんだ。
そして歳を重ねるにだんだんと世界の現実とやらを知っていったんだ。
知っていくにつれて、ヒーローになんて成れないと思うようになってきた。
それが普通さ。
そうやって人の夢っていうのは儚く散るものなのさ。
気付いたら俺は「ヒーローになる」なんて馬鹿馬鹿しい夢は叶わない。
そんな事を思うようになった俺の今の夢は…
とりあえず就職する。
というのが俺の夢だ。
実に寂しい夢だな。
幼い頃の夢よりはまだ現実で叶う率はとても高いだろう。
それでいいんだ。
それでな。
いたって普遍的な何処にでもありそうな夢でいいんだ。
だが、仮にヒーローでなくても、俺の周りに変わった奴等が現れたらどうだろう?
変わった奴等?
それは出来れば、俺の目の前に雷を使えるような超能力者が現れたり、異世界人が現れたりしてくれるのが俺の一番の望みさ。
なぜかって?
決まってるだろ。
そっちの方が面白いからだよ。
でもそんな人が現れない事くらい分かってる。
俺もそこまでバカじゃない。
ただ、少しだけ面白いと感じないか?
今までの普遍的な生活が変わるんだぞ。
そう思うだけで心が高揚感で満たされないか?
…と俺はこんなことを思いながらチョー普通~な高校生活を送っている。
「はぁ、面白い事ないかな」
なんて俺は心の中でぼそりと呟いた。
季節はゴールデンウィークが終わり、更に中間テストが終わった、5月下旬の頃だ。
俺にとっては実に嫌な時期だ。
高校生なら分かるだろう。
理由はただひとつ。
テストが返ってくるからだ。
いや、そう言えばもうテストは返ってきたな。
確かテストの結果は……まあ、悪かったな。
赤点ギリギリだった。
まあ、そんな事などさっさと忘れたいね。
それはさておき。
さてと、こんな俺はごく普通の高校生活を送っている。
ちゃんとご飯も食べてるし健康で、
それでいて友達もいる。
「よぉ!和馬」
と後ろから登校中の俺の肩を叩いてきた。
「ん?あぁ~、遼か」
「なんだ?元気ねぇぞ」
当たり前だ。夜遅くまで起きてたからな。
「もしかして、女子に声でもかけられたかったか」
「確かにそれに関してはYESだ」
「素直だなぁ、お前は」
と少し呆れている遼。
振ってきたのはお前からだぞ。
仮に俺がNOと答えたら、
「もっと女に興味をもてよ」
と逆に呆れているだろう。
結局のところ結果は同じだったって事だな。
「ところでさ和馬、テストの結果どうだった?」
こいつめ、いきなり話を180°変えたと思ったら、人の弱点を突く問いをしてくんな。
「ん~…。まあ、赤点ギリギリ…」
と俺は答えずらそうに答える。
「はっはっはー。そうかそうか、それは残念だったな~!」
と笑いながら言う遼。
実を言うとこいつはのテストの結果は一教科平均98点という馬鹿げた点数を出した。
こんな点数取るんなら、もっと上の高校行けよ。
「はっはっはードンマイ和馬。はっはっは~!」
まだ笑っている遼。殴りたい!
とそんな話をしていると高校についた。
この日は至って平凡だった。1~6限までずっと机に向かっていたからだ。いつもの事だがな。
そんな日常が俺にとってはつまんなかった。
別段、何が起こるわけでもないからな。
その日の放課後、俺は何処の部にも入っていない。
だから、放課後は暇なので、今朝話した遼と町をぶらぶらする事にした。
町と言っても俺らの住んでいるところは高層ビルや広い建物が立ち並ぶ大都会だ。
俺たち男二人はそんな大都会を歩いていた。
「遼、どっか行きたい場所あるか?」
と何気なく聞いてみた。ただ、目的もなく町をぶらぶらしているだけだからな。
「そうだなぁ。電気屋行きたいなぁ」
「何か買いたいものでもあるのか」
「あぁ、電池が買いたくな」
ということで一番近かったケース電機にやって来た。
ここは2階建ての広い建物でまるまる一個がケース電機になっている。
俺たちは一旦別れることにした。
遼は二階にある電池売り場へ。
俺は一階を見て回ることにした。
俺が最初に向かった所は、パソコン売り場だ。
パソコン売り場には数多のパソコンが並んでいた。
とにかく薄さを売りにしたパソコンが多いようで、
中には厚さ3ミリという強者までいた。
このパソコンを考えた人には尊敬するね。
次に向かった場所はテレビ売り場だ。
ここもパソコン同様、薄さを売りにしたやつが多くあった。
何もかも薄くすれば良いという物でもない気がするが・・・。
そこで俺はテレビに放映されている、バラエティー番組を観ることにした。
まあ、内容は司会者がゲストの面白い話を聞いてくというのであった。
それが中々面白く、しばらく観ていた。
そして、どのくらいたっただろうか。
多分俺は30分くらいテレビを見ていただろうか。
にしても遅すぎじゃなかろうか。
電池を買うのに30分もかかるバカが何処にいるんだ。
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あれ?何か静か過ぎだ。
俺はテレビに熱中していたから分からなかったが、
俺が今、聞き取れる音はテレビから流れている音しか聞こえない。
つまりは、
全く人の声がしない…!
のだ。
俺は周りを見渡す。
な…何だこれは!!
そこには驚きの光景が広がっていた。
それは店員から客の全ての人々の動きが停止していた。