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03

余りの身勝手さに大臣達が呆れているとマニカは背筋を伸ばして答えた


『王太子殿下、昨日も仰りましたが私はその様な事してはおりません』


「なんだと!?

まだ口答えするつもりか!」


『そもそもなんですの、私が貴族の方々にワイリー公爵家のワインの取引を止めるように促した?

そんな事出来る筈が御座いません

私はワイリー公爵家のワインがどなたと取り引きをしていたかなんて知る由が有りませんもの』


「だから言っているだろう!

お前が娼婦の様に貴族達を取り込んで情報を聞き出したに決まっているんだ!!」


『王太子殿下、まさか裏取りをせずにただの決め付けで私達を罰すると?』


「決め付けでは有りませんわ!

わたくしがお前のフェスティバルでの事が理由で取り引きを止める方が続出したとお父様が仰ったのよ!

つまりお前があの時貴族達を垂らしこんだに決まっているわ!」


ベリーの言葉にカルロもそうだそうに決まってるとうんうんと頷いている

マニカが呆れていると謁見の間の扉が開かれゾーラ達が入ってきた


「な、なんだお前達は!?」


「我々はゴリューディア辺境伯領の第一騎士団、私はその指導役のゾーラ」


「その息子にして第一騎士団隊長ランボ」


「我々はマニカ嬢、並びに男爵家の身の潔白を証明する証拠を運んでまいりました」


突然現れたゾーラ達に貴族達は更に大きなざわめきを上げた、王城の騎士団より遥かに優秀な辺境伯領騎士団に加えソードマスターと呼ばれたゾーラの姿に歓喜の声を上げたのだった


「証拠だと?

そんなものある訳無いだろ!!」


「有りますよ、証人も此方におります殿下」


ゾーラの後ろから出てきたのはあの宰相と公爵家と取り引きがあった貴族が一人、ゾーラが手を上げると騎士団達はトレイに乗せた二杯のワインを貴族達とホレン達に差し出した


「先ず此方のワインを飲み比べて見て下さい

一つが公爵家のワイン、もう一つが辺境伯領のワインです」


「何故僕達がそんな事をしないといけないんだ!」


「マニカ嬢がそう命じたのです

人数が多いのは好都合でしたが

それとも舌に自信がおありでないと、殿下?」


「くっ!

、、、飲めばいいんだろ、飲めば!」


ホレン達はAの札が置かれたワインを一口飲んで舌を転がした後、Bの札が置かれたワインを飲んで表情を変えた


『王太子殿下、並びに貴族の方々、、、何方よワインが良かったです事?』


「Bだ、Bの方が妖艶な味わいにほのかなフローラルさが有った」


語らかにそう宣言したホレンに貴族達もBのワインを絶賛していた、マニカはそれを確認すると


『ではお答え下さい殿下、Bのワインは何方のワインですの?』


「決まっている、公爵家のワインだ!!」


『、、、何故Bが公爵家のワインだと仰りますの?』


「何故だと?決まっている

田舎令息の、しかも平民が作ったワインだぞ?

こんな美味いワインを作れる訳ないだろ!」


『だそうですが、宰相様』


「、、、嘆かわしいですな、殿下

貴方様は自分を未来の国王だと仰ったのに、婚約者の領地が作ったワインをお選びになられなかったのですから」


「、、、は?」


唖然とするホレン達に宰相は告げる、ホレンが選んで絶賛したワインはカベルが作ったワインだと

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