昔話をしよう
エイタからアイスクリームの技術を貰い、次いでにエイタが作った洋菓子を幾つか大量に購入したマニカ達は一度ゴリュディーア辺境伯家へと戻る事にした
綺麗に整えられた庭園でマニカはエイタの洋菓子を一つ一つ食していった
『んっ、思った通り此方のお菓子の腕も良いですわ』
「それは良かったねマニカ
しかしこうなるとやはり問題なのはアイスクリームだね」
『えぇ、、、ですが考えましたわ』
マニカの考え、それはアイスクリームをハイニー商会の目玉にするがそれを出すのは指定された時間内の限定された人数のみにすると言う事
『朝の部と昼の部で分けて人数を固定すればフェスティバル中の運営はやっていけます
まだフェスティバルの詳細を告知しておりませんから今からでも間に合いますわ』
「確かに、、、でもそれだけじゃやっぱり」
『えぇ、ですのでそれとは別に用意するものが御座いますわ』
「と言うと?」
『私とフォル様、ハイニー男爵家とゴリューディア辺境伯家の合同商品としてハニー・バービーとチーズのセットを売り出します』
辺境伯家の領地で作るチーズはハニー・バービーに一番合うのは既に知っている、だからこれをフェスティバルで売り出し世間に広げていくと言う事だ
『チーズは味と構造の違うものを三点、ハニー・バービーは通常の瓶よりも小さいものに入れればちょっとしたお土産や自分への少し高価なご褒美として買えると思うんですの』
「成程、アイスクリームはフェスティバルに来ないと食べられない
でも競争率が高いから買えない場合もある、そうなったら思い出としてそのセットを買って帰る人が少しでも出てくる筈と」
『えぇ、そしてもう一つ、、、昨日のあのワインも取り扱いますわ』
「ワインを?」
『チーズにワインは最高の組み合わせでしょう?
と言う訳で明日はそのワイン園に向かいますわ
実は昨日の時点でゴーディルス様にはその事をお伝えしておりましたの』
相変わらずの俊敏さだとフォルマリックは賞賛するとマニカは明日に備えて今日はお休みしますとカーテンシーをして行ってしまった
フォルマリックはその美しい後ろ姿を見ると向かった場所は騎士団の寄宿舎だ
「ゾーラ、ランボ、居るか?」
「坊ちゃん?」
「どうしたしました?」
寄宿舎内に入っていったフォルマリックは書類仕事をしていたゾーラとランボの所へ来ると
「悪いんだが今から剣の特訓をしてくれないか?
それと今迄よりももっと過酷な特訓をしてくれ」
「えぇ?それはまたどうしてなんですか?」
「、、、今の私では、マニカの隣に立てない
だからマニカの隣に立てる位の男になりたいんだ」
もう元婚約者の言葉で背中を丸めてうじうじしていた自分ではなく強くて賢く国と領民と家族を思う少々お金稼ぎが大好きなマニカの隣に立つ相応しい男になりたい、そう目で訴えるフォルマリックにゾーラもランボもほーっと感心した様な表情を向けた
「随分と新しい婚約者様であるマニカ様に好意を向けておいでですなぁ」
「ですね父上
でも今のフォルマリック様の方が良いです」
「なっ、、、からかわないでくれ
此方は真剣に」
「分かっておいでですよ
さぁ、剣を持って庭に行きますぞ坊ちゃん!」