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02

ふとエイタがボソリと呟いたその言葉にマニカは反応した


『レイゾウコ?ってなんですの?』


「えっ!?な、なんでもないです!

ただちょっと夏でも氷を作れる魔法の箱みたいなものが有れば良いなと!!」


『、、、そうですわね

確かにそんな技術が有れば良いですわね

でもそんな魔法みたいなものはこの王国では見た事有りませんわ』


もしそんな魔法があったら氷を作る事もアイスクリームを作る事も簡単に出来てしまうと思いながらももしかしたら知らないだけでこの世界の何処かにはあるかも知れないと思ったマニカ


『けれど隣国や海の向こうではそんな魔法の様な技術が有るかもしれません』


「確かに有るかもしれませんね

例えばギューラでは無く[[rb:カパギー王国>・・・・・・]]とか」


『あの国なら或いはと言った所ですわね』


カパギー王国、それは隣国ギューラとは真反対に位置する隣国で友好的なギューラとは違いカパギー王国からはかなり疎ましく思われている

と言うのもカパギー王国は"聖女教"と言う存在を崇めており何か良く分からない呪術で王国を支えていると噂されている

その話をした時エイタの顔が少し強ばった様な気がした


『、、、兎に角今はこのアイスクリームをどう使うかですわ

ワーカー、記録の方はどうですの?』


「大丈夫ですマニカ様

頭にも羊皮紙にもしっかり」


『そう、なら良いですわ

エイタ・メイシー、今日はありがとう

此方はその御礼ですわ』


そう言ってエイタに大きな袋を渡した

中にはこの王国のお金である金貨が大量に入っていた


「えっ!?こ、こんなに受け取れません!」


『何を言っているの?

今日と言う貴方の貴重な時間と貴方がアイスクリームを作る際に使った時間と労力と材料、それを加味したらこれくらいが妥当ですわ

それにこれは先行投資でもありますのよ』


「せ、先行投資?」


『この技術は少なくとも王国では見た事有りません

私はこれでフェスティバルを盛り上げ多くの者にこれを広めていきます

そうすればいずれ最初にこれを作った貴方のアイスクリームを求める人は多くなりますわ

つまりこれは素晴らしい技術を下さった御礼と共に軍資金でもあります事よ』


こんな素晴らしい技術を持っている技術者をこんな所で燻らせる訳にはいかない、お金だけが問題ならばそのお金で解決出来る様子にする

その考えを口にしたマニカにエイタはゆっくりと笑った


「ありがとう御座いますマニカ様

こんなしがないお菓子職人である私を称え評価して下さるなんて」


『いいえ、もっと自信と野心を持って宜しいのですよ

貴方の持つ技術と知識は本当に素晴らしいのですから』


そう言って笑うマニカを見ていたフォルマリック、するとそこにワーカーが小声で話し掛けてきた


「凄いでしょう、うちのお嬢様は」


「、、、えぇ」


「国王陛下の教えで我が国では貧富の差は無いものの貴族の差別は無くなっておりません

だからこそお嬢様の様な方は珍しいと共にこれから一緒にやって行こうと言う気持ちにさせてくれるんです」


それを聞いて確かにそうだと言う気持ちになったフォルマリック、マニカだけでなくハイニー男爵家には人の上にも下にも人は居ないのだと理解した

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