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03

心の底からフォルマリックを心配しているのが分かるマニカの表情にフォルマリックはまた心の臓が熱くなるのを感じた


「、、、大丈夫だ

寧ろマニカは大丈夫なのか?

長い事馬車に揺られていただろ」


『ありがとう御座いますフォル様

ですが心配ご無用ですわ、私お父様ととある商談をした際六時間も椅子に座りっぱなしになっていた事も有りますので』


「そう言う事では無いんだけど、、、と言うか凄いな」


しかしマニカの顔色も悪くない為本当に大丈夫だと言う事は見て取れた

そんな二人にフォルマリックの両親はやはり良い夫婦になれるなと確信していた

ワーカーの説明も程々にマニカとワーカーはそれぞれの寝室へと連れて行かれた


「此方がマニカ様がお泊まりになるお部屋で御座います」


『まぁ、とっても広くて綺麗』


「いずれフォルマリック様の奥様になられる御方ですもの、当然で御座います

ワーカー様は客間の方に案内しております」


『ありがとう御座いますわ』


マニカも男爵令嬢と言う事で多少なりとも良い部屋を渡されてはいるがこの部屋に比べたら数段劣るものだった

と言うのもマニカは必要最低限の物しか持ち合わせておらず調度品もそこ迄豪奢なものを持っていないのでこの部屋に置かれていた花瓶やベッドの豪奢さに壊したら大変と思ってしまった


「マニカ様、お食事の用意が出来ましたのでご案内致します」


『えぇ、ワーカーはどうなさるの?』


「食堂で食事をなさるそうです

部屋を汚すのは忍びないと」


『分かりましたわ』

(気持ちは分かりますわワーカー)


メイドに連れられフォルマリック達が居る夕食の場に案内されたマニカ、その夕食のメニューにやはり豪華さを感じていた


「お味はどうかなマニカ嬢」


『とても美味しいですわ

それにこのミルク、、、領地で取れたものをお使いですね?』


「流石マニカ嬢

我が家で出される食事はチーズとミルクが多くてね」


「うちに嫁いだらこれを毎日食べるの

少し飽きてしまうかもしれないけれど」


『こんなに美味しいものを毎日食べられるのは本望ですわ、、、っ!』


そこでマニカはスッとワインを一口口に含んで何かを考え込んだ、その表情は実に険しいものだった


「マニカ、どうかした?」


『このワイン、、、何処のメーカーのものですの?』


「あぁ、それはうちの領地にあるとある葡萄園から取り寄せたものなんだ

今迄はワイリー公爵家のワインを使っていたんだが数年前から味が落ちてね

以前の婚約破棄の件もあって今ではそのワインしか買ってないんだ、それがどうかしたかね?」


『この妖艶な味わいにほのかなフローラルさ、、、うちの商会でもこんな良いワインは扱っておりませんわ』


そう言うとまた一口飲んで今度は実にスッキリとした、そしてワクワクした気持ちでいっぱいの表情をしていた


『フォル様と婚約して良かったですわ

この領地、、、宝の宝庫ですもの』


アイスクリームの技術を持って帰る為にやって来たマニカにとってこれは嬉しい誤算であった

これはまだまだ多くの素晴らしい技術者が眠っているかもしれないと知り心の中で思ったより帰りは遅くなる事をミードに謝罪してこのビジネスチャンスを逃すまいと狩人の目をするのだった

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