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ハナニラな二人

宮廷の一室から聞こえる男女の笑い声、その人物はその一室で一番豪奢なソファーに腰掛けているのはホレンとベリーであった


「全くあの(姉上)には困ったものだ

自分が女王にでもなった様に振舞って」


「本当にそうですわホレン様

わたくしもホレン様に宝石を買ってもらおうとしたらお止めになられましたもの」


「きっと若くて美しいベリーに嫉妬しているのだよ

あの女は二十にもなってそこら辺の男より逞しいせいで婚約者が居ないからなぁ」


「あぁ可哀想なジェダイト様

でもホレン様がそんなジェダイト様を押しのけて買ってくださったこの指輪とーっても素敵ですわぁ」


そう言って沢山のビジューで飾られた大きな指輪とベリーの領地で取れるワインを片手にクスクスと笑うホレンとベリー、しかしそれを聞いてニコニコ笑っているだけの取り巻きの中に居る何人かは


(その指輪、ジェダイト様の手の者が用意したイミテーションと言う事をご存知ないのかしら)


(あぁ、ジェダイト様の苦労が、、、)


(早くこんな所から帰りたい)


この何人かはホレンとベリーを監視しているジェダイト側の令嬢と令嬢であった

国王陛下の血を色濃く受け継いでいる様に気高く逞しく背筋を伸ばして立っているジェダイトを尊敬し崇拝している彼等はそんなジェダイトの力になれるならと言いたくもない二人への褒めの言葉をかけて媚びへつらっているのだ


「そう言えばベリー、あの田舎令息と守銭奴令嬢は本当に結婚する様だよ」


「まぁ、それはおめでたいですわぁ

田舎の小汚い辺境伯令息と平民の血が混じった男爵令嬢、、、あの二人はとーってもお似合いですものー」


「そうだベリー、あの二人の結婚式に参加する時はあの二人よりももっと豪奢な衣装に身を包んで出席しようではないか」


「あらー、そんな事したらダメですわ

だってただでさえ見劣りしてしまうのにそんな二人よりも目立ってしまったら誰が主役か分かりませんわ」


「何を言っているんだ、あの二人には僕とベリーの様な美しい存在を引き立てる道具になって貰うのが一番良いんだ

きっと二人も内心そう思っているに決まっているんだから」


「もー陛下ったら本当の事を言ったら可哀想じゃないですの」


ケラケラと笑うホレンと咎めている事を言いながらもその笑みは笑っているベリー、そんな二人にたいして取り巻きはそうですとか全くその通りと言ってうんうんと頷いておりそうでない令息と令嬢はただただニコニコと笑うだけだった


(何故自分達が出席出来ると思っておられるのかしら)


(そもそもそんなはしたない事王族と貴族がするべき行動とは思えない)


(頭が痛くなってきた、、、)


内心そんな事を思いながら令息と令嬢は笑みの仮面を付けて口角が固まって動かせない位ニコニコと笑うのだった


「そうと決まったら王国一の仕立て屋に僕らの衣装を仕立てて貰おう

金なんて幾らでも有るし無ければ税金を上げて搾り取ればいいんだから」


「そうですわねホレン様、宝石も沢山必要ですからジュエリーも買って欲しいですわ」


「分かっているさ

ダイヤでもルビーでもサファイアでもなんでも買ってあげるよ

なんたって君は僕の未来の王妃なんだから、あーはっはっはっ!」


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