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02

「おぉ、良い人そうじゃないか」


「ゴリュディーア辺境伯様だってよ」


「まぁ、彼処のチーズは息子が大好きなのよ」


そう口々に話す養蜂家達にフォルマリックは騎士団の皆や自分の領地の民達を思い出して少し懐かしい気持ちになった


「でもこの方確かワイリー公爵家と婚約してたんじゃ?」


「それがこないだ一方的に婚約破棄されてあの皇太子殿下と結婚するみたいなんだよ」


「なんだって!?

ゴリュディーア辺境伯様、そんな公爵令嬢様の事は忘れちまいな!

マニカは芯のある女性だ、必ず貴方様を幸せにしてくれるよ!」


ガタイの良い男性からそんな事を言われフォルマリックは思わずはいと大きな声で了承すると良い返事だと周囲からドッと笑い声が上がったのだった


暫くすると養蜂家達は自分の仕事に戻っていき自分の担当の仕事を再開し始めた


「所でマニカ、どうしてこの養蜂場に?」


『フォルマリック様にうちの蜂蜜をもっと知って欲しかったからですわ』


そう言ってマニカは色々と見せてくれた

外の巣箱から取れた蜂蜜を集める者、集めた巣箱の蜂蜜から幼虫や糞等を取り出し余分な部分を切り出し綺麗な巣蜜を選別する者、選別された巣蜜を絞り出している者、絞り出された蜂蜜を加熱処理された瓶に詰めていってラベルを貼る者、それを箱に包装し指定の馬車に運び出す者とそれぞれがそれぞれの仕事を責任持って行っていた


「凄いですね」


『そうでしょう

それだけでは有りませんよ』


そう言ってマニカはその養蜂場とは別の場所へと向かった、コンコンと扉を叩いて部屋に入るとそこは大きな机と沢山の椅子が並びその近くにはキッチンが存在する少し変わった部屋でした


『此処は蜂蜜をメインにしたお菓子や蜂蜜を引き立てる商品を作る場所ですわ』


「おぉ、マニカお嬢様」


『ワーカー、お久しぶりですわ』


此方に手を上げたコック帽を被ったミードと同じ位の年齢の人物にカーテシーを行うマニカ。マニカはこの人物は試作品のお菓子を実際に作る係の専門パティシエだとフォルマリックに説明した

すると目の前に置かれている発明した品の書類を見てマニカはふむと告げた


『やはりまだ何か足りませんね、、、』


「あぁ、今年のフェスティバルは絶対に成功させたいんですがね」


「フェスティバル?」


マニカとワーカーの話についていけてない様子のフォルマリックに説明し始めた

二人の言うフェスティバルとは約三ヶ月後にある八月三日から八月八日迄の六日間行われる蜂蜜祭り通称"[[rb:HBF>ハニービーフェスティバル]]の事である


「元々は色んなとこの養蜂家が蜜蜂達の採蜜を終えて一段落したこの時期に養蜂家が自分が育てた蜂蜜を品評し合い今年頑張ったご褒美と来年は良い蜂蜜を作るって言うお互いの励まし合いの為に行われていた個人的な催しものだったんですがね、ミード様がこれを多くの人に知って欲しいって言って大々的なフェスティバルにしたんですよ」


「そうだったんですか」


「最初は蜂蜜から文字って八月三日だけの開催だったのが色んな人が来てくれましたね

今では蜂蜜に留まらず蜜蝋や蜂の巣なんかを使ったインテリアや蜂蜜を模したアクセサリーなんかを作る技術者も現れまして気付けば六日間行う大きなお祭りになったんですね」


「それは、、、マニカのお父様は本当に凄い人なんだね」


『えぇ、、、私はお父様を尊敬しておりますもの

だからこそこのフェスティバルは成功させたいのです!』


「それはどうして?」


『実は、今年から私がこのフェスティバルを運営する事になったのです』


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