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六災の魔女  作者: KingChan_yuu777
第1章 黄金に輝く眠る双方の卵は目覚める
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第十四話

「それでは、今年の受験生の会議を始めよう」


 アスカロン学園の学園長、カール=ラクセイウスは会議の開始合図をする。円卓の周りには、8人の教師が座っている。


「今年の受験数は14362人じゃった。昨年より少し少ないが、実力の方はどうじゃ?まずは魔術師部門から意見を聞こう」

「はい」


 魔術師部門統括主任サラ=マルキュリーは、資料を持ちながら立ち上がる。


「そうですね。まずは、魔術師部門の受験生、4350人中65人を合格する事を決めました」

「ふむ、昨年より多いのう」

「はい、昨年と比べて受験生のレベルが上がっていました。まず、最初に目をつけるべきなのはアイ=ラクセイウス。貴方のお孫さんです。底知れぬ魔力量に、魔術センスは今の2、3年生でも通用します」

「フォッホホホ!それはそれは、お爺ちゃんとして嬉しい報告じゃのう」


 カールは嬉しそうに、腹まで伸びている白い髭を撫でるのだった。


「その他にメルクマ=タイツォット、ノエル=マーガレット、ガルマ=ベルガン、セシウス=テレストラも素晴らしい人材だと思っています。回復魔法であれば聖女候補であるノエル=マーガレットがこの4人の中で頭一つずば抜けています...問題視するべきなのは、タイツォットですかね。今年は少し荒い性格と言う印象でした」

「タイツォットか...今年もあの魔術家系の子も入学するのか。あの家系は優秀であるが、少々真面目すぎるな所があるからのう。それで、戦士部門の方はどうじゃ?サラゲ君」


戦士部門統括主任サラゲに質問を向けた。


「はい、そうですね。まぁ、いつも通り普通って所ですね。受験数10012人中202人を合格いたしました。特に言う事はありません」

「ふむ、そうか。気になる合格者居らぬのか?」

「いえ、特に...いや、1人ですね」

「ほーう、聞いても良いかのう?」

「ヒノシマのツムギ=ゼンザイの槍捌きは素晴らしいものでした。もうちょっと積極的な性格であれば完璧と見ます」

「ふーむ、ヒノシマの者か。あの国では強い者は多いが、あまり自国から出る者がおらんからのう」


 ネレス王国、フトュールム帝国、バシレイア聖国、リベルタ共和国、天空皇国、海底神殿メリギアス、学園都市、武装国家ヒノシマを世界八大名大国と言われている。


「そう言えば、平民クラスにウォーカーの者が受けたそうじゃないか。彼女はどうなんじゃ?」

「...凡才の領域であればツムギ=ゼンザイが一番です。ですが、天才の領域であればリン=ウォーカーは1、2位を争う程の逸材でしょうね」

「ほーう、1、2位とは争う者がいるのじゃろうか?」

「はい。彼女と一緒に組んでいたアリス=カグラビュール。リン=ウォーカーとアリス=カグラビュールは戦士部門でも魔術師部門でも確実にトップは狙えると思います」

「魔術師部門でもトップを狙える?それは本当か?」

「ああ、実際1日目の第三会場をダメにしたのはこの2人の剣術と魔術だ。2人の攻撃を止めただけで、私の両腕をダメにした。今は回復魔法で完治しているが」

「ほーう、お主にそこまで言わせる程か。それは会うのも楽しみじゃのう。今その2人は何をしているのじゃろうか」


これは5日前に日にちが遡る。

 アリスとリンは黒鳥の宿を紹介され、振る舞われている料理を堪能していた。黒鳥の宿の従業員が、大量の料理を運んで、机の上に並べたのだ。

 鳥の丸焼き、パスタ、牛の漫画肉、ピザと色々と並べてあった。


「...多すぎないか?」

「アリス!いっぱい食べないと強くならないよ!」


 むしゃむしゃと肉を齧るリン、俺はあまりにも2人で食べきれないだろうと心配していたが、食べ盛りなのか完食してしまった。


「美味いな!」

「うん!特にこの巨大肉!すごく好き!!」

「まだ、食べれるのかよ...」


 俺もたらふく食ったが、リンは俺の倍以上食っている。まぁ、俺は料理よりもお楽しみを残している。


 この国にしか生産されていない特製大麦酒。簡単に言えばウィスキーだ。この世界では15歳から成人扱いとなる。

 

「アリス、それ好きなの?」

「なんだ飲むか?リンも成人済みだろ?」

「前飲んだ事あるから、いらない!苦いの嫌ー」


残念だ。

 前世ではできなかった、誰かとお酒を飲むと行為をやりたかった。それにしてもこれ度数どうなってんだ?めちゃくちゃ強いぞ...


「あ、やべぇ」


頭がクラクラする。

 まだビン半分しか飲んでないのに、酔ったかもしれねぇ...単にこの酒が強いのか、この身体が酒自体に弱いのか...


「...アリス?」

「...リン、悪い。俺やっぱり外で寝るわ」

「え?!なんで!どうしたの?!」


目の前にいるリンがめちゃくちゃエロい。

 降ろされた燃えるような赤い髪に、シャワーの後のリンがヤバい。


「いやいや、いいんだ!俺外で寝る方がいいんだ!」

「...あっ?!アタシ、それ知ってる!アリス酔ったんでしょ?!」

「ああ、そうだ。だから、一つの部屋に男女がいるのは危険だ」

「危険って?」

「その、なんだ...ああ!だから、外で寝る!」


なんで近づいてくるんだよ!めちゃくちゃ良い匂いじゃねぇか!


「ふーん、そうなんだ。アタシ、分かっちゃった!アリス、発情してるんでしょ!パパも酔った時、良くママと」

「ああ!その話はいい!」


友達の親のそういう話は聞きたくない!


 俺は逃げるように扉の取手を触ろとした時、後ろの服をリンは摘んだ。


「アリス、ちょっと待って。我慢してるんでしょ?」


リンは、モジモジと顔を赤くしている。


「...アリスなら良いよ?一応、アタシに勝ってるし。け、結婚するならアタシより強い人が良い...」

「な、何を言ってんだよ!そもそも俺はアンタに勝ってねぇぞ!実際止められて引き分けだと思うが。俺の剣はボロボロになってた!あれはリンの勝ちだ」

「ううん、もし止められていなかったら、アリスが先に攻撃が当たってた。だから、アリスの勝ち。次は負けないけど」

「...」


 リンは、目をキョロキョロと泳がせながら、真っ赤な顔で宣言した。


「まだ、出会ったばかりだけど。アリスの事が好きかもしれない。アリスの剣術も、アリスのことも...ひっ、一目惚れって奴かな?」

「...」


あっ、やべぇ




第十四話 『酒に呑み込まれる夜』

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