表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
六災の魔女  作者: KingChan_yuu777
第1章 黄金に輝く眠る双方の卵は目覚める
12/19

第十二話

「それでは、第三組リン=ウォーカーとアリス=カグラビュール。前に出て実力を見せてくれ」


とうとう俺らの番がやってくる。

 前の2組は、良い戦いをしていたが、やはり実力がまだないのか、あまり悪くないが盛り上がっていなかった。


「ウォーカーだと?」

「ウォーカーってあのウォーカー?」

「なんで平民クラスで受けてんだ?」


ん?どうやらリンの苗字であるウォーカーは有名なんだろうか?周りが騒ぎ始める。


「リン、アンタって有名なのか?」

「んー、分かんない。どっか似てる人でも居るんじゃない?」


嘘は下手だろうか。めちゃくちゃ目が泳いでいる。


「私語は慎め。すぐに開始する!」


サラゲは審判として、俺らの間に立つ。

 開始宣言と同時に、手を振り下げた瞬間、会場はシーンと静かになった。お互いの出方を伺うよに、びくとも動かない。


「アリス!来ないならアタシから来るよ!」


先に仕掛けたのはリンだった。

 リンは飛び込む様に、俺の間合いを詰める。


天武六式(てんぶろくしき)嫋羅乃剣(じゃくらのけん)


風を斬るか様な手刀は、リンを向かう。

 リンは手刀を紙一重で避けて、蹴りを入れる。アリスは腕で受け止めるが後ろに吹き飛ばされるのだ。


「それ帝国格闘術だっけ?」

「正解。ウチの爺さんから叩き込まれな格闘術」


 帝国格闘術とはこの世界でよく使われている格闘術。四大剣神、帝国格闘術、結界聖術、王国式槍術を四大流派と呼ばれている。


まぁ、六式と二式しか使えねぇけどね。


 帝国格闘術には、身体強化の強式(ごうしき)と相手を打ち倒す型、零式から十一式が存在する。剣術と魔術をメインに修行していた俺は、六式と二式しか完成出来なかった。


「さてと、こっちも攻めるぞ」


俺は背中腰にさしている三節棍を手に取った。

 

「...ぷっ、ふははは!」

「なんだ、あれは?!」

「槍が折れてじゃねぇかよ!」


やはり三節棍は見た事ない。

 はたから見れば、折れた槍にしか見えないのだろう。確かに三節棍は、折れた槍からヌンチャクが出来、それから三節棍が出来たと言われている。知らない人から折れている槍と見えてもしょうがないだろう。


 まぁ、知らなければ見せれば良い。どうせ、すぐに黙る。


俺は三節棍を振り回した。

 得体の知れない武器を振り回せば、そう簡単に踏み入れるのは難しいだろう。だが、リンはそんなのお構いなく攻める。


「?!」


 空を斬る様な素早いリンの剣は、カキンッ!と弾き返される。


「何それ!凄い!!」

「もっと、ギアを上げるぞ!」


お互いは激しい攻防を繰り広げる。

 お互いの武器がぶつかり合う、火花は会場中に光る。大体の受験生は彼らの動きを目で捉えられていないのだろう。


 すげぇ!ここまで俺の動きに反応ができている!ふざけんじゃねぇぞ俺!なんで勝手に、リンは俺より弱いって思い込んでいた?!図に載ってんじゃねぇ!


「やっぱり、どことなく似てるなって思ったら。アリスも戦いが好きなんだね!その笑顔、最高だよ」


多分俺は笑っているのだろう。

 この世界に転生してから、俺は前世の記憶があった。それのおかげで、同年代には負けないと思い込んでいたのだろう。今目の前にいるのは、俺の様な前世の記憶のない、才能と努力で自信を磨き上げた猛者。


「...」

「な、なんなんだよ。あの2人は!!受験生ってレベルじゃねぇぞ!」

「そこに居たと思ったら、次には違う所にいる...」


 2人の戦いは、会場中にいる受験生達を驚かせている。


「うおっ!」


 俺はリンの剣を三節棍を繋いでいる鎖に挟み込み、リンの体勢を崩した。だがリンは崩れると同時に脚に力を入れて、後ろ回し蹴りをアリスに喰らわせたのだ。


なんて力だ。あんな力を持ちながら、柔軟もえげつねぇな。あの体制からこの攻撃力...さて、どこまでやれるかな?次は魔力を込めて


ビリリッ!


「師走・朧」

「?!火童螺(ひどら)!!」


 目でも捕らえきれない早さで、雷の突き技を向けた。それはまるで稲妻の槍がリンに飛び込む。リンは答えるか様に無数の大中小の威力の斬撃を前方に空間を埋め尽くすように炎の斬撃で、俺の攻撃を打ち消した。


「アリス、そろそろ準備運動も終わったんじゃない?それ抜かないの?」

「...そうだな」


リンは腰にさしている剣に指を指す。

 俺は三節棍を畳み、鉄剣を鞘ごと腰から抜いた。


「悪いけど、この戦い勝たせてもらうぞ」

「それはどうかな?勝つのはアタシだよ」


俺は剣の柄を握る。

 リンは剣を高く振り上げる。

リンからは竜巻を巻き起こす様な炎の渦が現れ、俺は稲妻の如く身体中に稲妻が走る。


睦月(むつき)月影牙華(げつえんげっか)

紅夜叉衣(べにやしゃごろも)


 お互い深く空気を肺に溜め込み、俺は大地を強く蹴る。俺はリンに向けて抜刀した瞬間、リンは剣を振り下げたのだ。炎と雷のぶつかり合いは爆発したのだ。


「そこまでだ。実力を見せとは言ったが、殺し合えとは言った覚えはない」

「...」

「...」


 2人の攻撃を、サラゲは2人の攻撃を無傷で受け止めた。もし攻撃が当たっていれば、2人は無事で済まないと判断したのか模擬試合を止めたのだった。


「実力的に申し分ない!ここでお前らの合否を発表する。お前ら2人とも合格だ」

「え?でも、決着が...」


 この試験は勝った方が合格なのに、決着はついていない。


「何を言っている?決着なんてどうでも良いだろ?そいつが強ければ合格。それだけだ」

「え?勝った方が合格って訳じゃないのですか?」

「私がいつそんな事を言った?実力を見せろと言っただけだ。もし勝っても竜を狩れるほどの実力がないと判断すれば、そいつも不合格にする」


 た、確かに...勝ったら合格なんて一度も言っていない気がする...


「ワハハハッ!アリスは勝ったら合格って勘違いしてたんだね!」


どうやら、リンは気付いていたのだった。


「はぁ、会場をボロボロにしよって。剣も戦士部門でトップクラスでありながら、魔法も魔法部門の奴らに負けていない。期待しているぞ」


それだけ言い残し、次の4組目の方へ向かった。

 どうやら、俺達は合格の様だ。勝手な勘違いと、リンとの戦い、そして合格して安心したのか、物凄く疲れたのだった。




第十二話 『第一回最強決定戦』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ