円柱
円柱
円柱がある。
ここは広い部屋の中だ。
天井までは10m以上ある。
ここは暗い水の中だ。
周りには壁がある。
壁画が描かれている。
壁画には、蛸が描かれている。
ただの蛸じゃない。
そいつは大きい。
人間に似た手足を持つ。
6つの目を持つ。
羽を持っている。
皮膚は絶えず流動している。
耐えがたく忌まわしい。
体中が触手に覆われている。
蛸のほかに魚も描かれている。
その魚の外見は人に近い。
ただし本質は人間とは違う。
深き者どもだ。
円柱がある。
目の前には円柱がある。
円柱には深き者共が集まっている。
忌まわしい声で喋る。
聞こえるだろう。
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
聞こえるだろう。
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
聞こえるだろう
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
大合唱だ。
素晴らしく忌まわしい。
円柱がある。
司祭がやってくる。
魚人の司祭だ。
金の冠をかぶっている。
金の装飾具をつけている。
司祭は言ったんだ。
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
魚人たちも続く。
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
また大合唱だ。
円柱がある。
深き者たちが集まる。
その姿が目に映る。
引き込まれる。
本当に悍ましいのだろうか?
本当に忌まわしいのだろうか?
彼らは称賛している。
夢を見続けるクトゥルーを。
逃げられない。
もう逃げられない。
呼び声が聞こえる。
円柱がある。
ル・リエーの円柱に深き者たちが縋る。
忌まわしい声で喋る。
素晴らしいことを言う。
「いあ いあ くとうるふ ふたぐん」
恐れたまえ。
彼らは讃える。
司祭がもう一人やってくる。
司祭は歌う。
クトゥルーを讃える歌を。
円柱がある。
司祭が円柱に近づく。
彼は忌まわしい言葉を唱える。
その言葉が反響する。
怖ろしい。
彼は祈っている。
その祈りは偉大なるクトゥルーに届く。
呼び声が聞こえる。
また狂わせる。
いあ
いあ
くとうるふ
るるいえ
うがふなぐる
ふたぐん
円柱がある。
魚人たちが集まってくる。
1匹、また1匹と集まってくる。
彼らは縋る
踊る。
私は眠りから覚めた。
あれは夢ではなかった。
呼び声が反響している。
怖ろしいのだろうか。
素晴らしささえ感じる。




