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第六話 シャノンさん恐るべし!

「ボウケンシャタノシソウ」


 シャノンの冒険者についてのマシンガントークを聞いた後の私はぶっ壊れたロボットのようになっていた。


 最初は所々で笑顔を浮かべて相槌を打ちながら聞いていた。だが、それができたのも最初だけだった。最終的にはただシャノンの言葉に無表情で頷く頷きマシーンと化していた。ほとんどの話が私の右耳から左耳へと高速で抜けていったが、聞かなければいけない部分は全部しっかりと聞いた。要点だけまとめると以下の通りである。


1 冒険者にはランクがあり、上からS、A、B、C、D、E、Fと分けられる。


2 依頼は自分より一つ上のランクまでを受けられる。ただしSランクの依頼に限り、Sランク冒険者のみが受けることができる。また、これはソロで活動する場合に限る。


3 ランク昇格に関しては依頼数をこなしていく事で自動的にランクがアップするとのこと。ただしCランク昇格から上は試験があるとのこと。


4 依頼を失敗した場合は一律で3000ルピ取られるとのこと。


5 パーティを作って依頼に挑戦する場合、パーティの過半数がそのランクではなくてはいけないらしい。例を挙げるなら4人のCランク冒険者がパーティを組んでいたとする。その4人がBランクの依頼を受けようとしても受けられないらしい。受けるためには最低でもその中で2人、Bランクの冒険者がいないと受けることができない。つまり、自分よりもひとつ上のランクを受けることができるのはソロであることが条件だ。パーティとソロだとソロの方が危険そうに見えるがそこのところどうなのだろうか?


6 冒険者になることで割引が効く場所が出てくるとのことだった。例を挙げると武器屋、帝都や王都の入場の際、馬車に乗せてもらう際などなど...。


7 冒険者になった際、冒険者カードなるものが貰えるらしい。紛失した場合は10000ルピを払うことで再発行可能。


 以上がシャノンから聞いた大まかな冒険者についてだった。思ったよりも昔と変わっていなかったなぁなんて思ったりもした。


「レミリアさん、レミリアさん!」


 私の肩をトントンと隣からリリアが叩いてくる。


「ふぁ!?」

 

 リリアに叩かれたことでフリーズしていた脳が働き始めた。


「うん、今の話なら冒険者になるデメリットはなさそうだね」


 シャノンは満面の笑みで頷く。


「えぇ、それはもちろん。ただ強いて挙げるなら最初の登録料で5000ルピかかるというところですかねぇ」


「5000...ルピ...」


 私は軽く絶望する。


 やばい、着の身着のまま出てきたせいで何も持ってこなかった。5000ルピなんて当然持っていない。それじゃあ登録が...。


 私の顔色の変化で勘づいたのかシャノンはピンッと指を立ててから『登録料の心配はしなくていいですよ』と言った。


「え?もしかして無料ただで登録できるの?」


「いえ、流石に無料ただでは無理ですけど...。他の冒険者さんたちがそれでは損してしまいますからね」


 まあそうだよね。それくらい知ったたよ。じゃあさっき言った言葉はなんだったのか。

シャノンは自分の手の甲をすりすりしながらあくどい表情を浮かべる。


「ただ、レミリア様にはちょーっと私たちの頼み事を受けていただければなぁーなんて思ったたりして。あ、もちろん報酬は支払いますよ。報酬としては冒険者カードを無料で作成、別で3000ルピといったところですね。どうですか?」


「いや、どうって言われても...」


 依頼内容を聞いていない以上下手に頷くわけにはいけない。というか頷けない。


 シャノンは軽くため息を吐く。


「あぁ、そうですかぁ。チラッ。残念ですぅ。チラッ。レミリア様が開けてくださらないならぁ。チラッ。この依頼は他の人に頼むと言うことでなかったことに...」


 私はガシガシと頭を掻く。


「あぁぁ、もう!わかった、わかったよ。受ける、受けますぅ。受ければいいんでしょ、全く...」


「流石レミリア様、話が分かりますね。それでは私たちからの依頼ですが・・・」


 私はまあ冒険者登録できるならいいかと諦めてシャノンの話に再び耳を傾けたのだった。


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