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第十三話 2人の冒険者

 私たちはそれから午前はギルドの依頼をこなし、午後は自分達の屋敷の掃除をして過ごした。


 屋敷を掃除し始めてから10日が経過した。お互い掃除をするのに慣れてきたのか、作業効率が最初と比べると目に見えて良くなっていた。最初と比べると本当雲泥の差だ。


そして今現在


「お、終わったぁぁぁぁ!!」


「つ、疲れましたぁ」


 私たちはお互いに背を預けて座り込む。それはまるで敵軍をたった2人で葬ったときのような高揚感があった。


「レミリアさん、やっと片付けが終わりましたね」


「それね、マジきつかったぁ」


 私たちはお互い周囲を見回す。埃ひとつない床面、整えられた家具。これは誰が見ても文句の付けようがないくらい綺麗になっていた。途中何度ギルドに依頼を出そうと思ったか、もうわからない。


「とりあえず終わったことだし、街に行きますかねぇ」


「はい!」


 私たちはお互い揃って屋敷を後にした。





 結局街で軽い食事を取ってから散策してみたが、特に代わり映えがなかったため、結局ギルドに訪れていた。何かあるならここしかないと思ったからだ。


 私たちが扉を開けて入ると、相変わらずの酒の匂いに一瞬顔を顰める。


 私はあまりお酒が得意ではないのだ。


「おぉい、シャノン!なんかない?」


 私はとりあえず受付にいるシャノンに声をかける。


 自分で言ってて何だけど『なんかない?』は流石に抽象的すぎたと思う。


 シャノンは私たちに気がつくと笑顔で手を振ってくる。


「ようこそ冒険者ギルドへ、リリアさん、レミリアさん」


「その挨拶毎回するの?なんかめんどくさくない?」


 シャノンはクスクスと笑うと『これでも受付嬢ですので、挨拶はきちんとしませんと』と言った。実に仕事熱心だと思った。いや、違うか。お金にガメツイだけか。


「それで、暇だから来たんだけど...」


 シャノンは『なるほど』と言ってから少し考えだす。


「あ、そういえば!」


「ん?なにかあるの?」


 シャノンはポンっと自分の手を叩く。


「レミリアさんを探している人がいましたよ」


「へ?私を?」


 一体誰だろうか?心当たりはまああるにはある。というか、探している人なんて元魔王軍の人以外いないと思う。


「レミリアさん、一体誰なんでしょうね?」


 隣のリリアも少し不安そうにしながらこちらを見ている。


「んー、誰だろう。特徴とか分かればいいんだけど...」


「特徴...実際見たのも私ではなく、残業をしていた職員の方ですからねぇ。なんでもよく似た2人組だったそうです。冒険者風の装いをしていたのでおそらく冒険者の方です。あ、なんかお二人ともスコップを背中に大剣を背負うような感じで持っていたと聞きましたよ」


「それは冒険者風の格好だから冒険者は安直過ぎではないですか?」


 私はリリアの言葉に頷く。


「冒険者なのはとりあえず置いといて、スコップを持ったよく似た2人組ねぇ、もしかすると...」


「レミリアさん、心当たりがあるんですか?」


 私は再びリリアの言葉に頷く。


「なんとなくだけどね。というか、おそらく残業をしているとき、つまり夜にしか尋ねることができなかったと見た。てことでまた現れるかもだし、今日はこのまま夜までギルドで時間でも潰そっか」


 私がそう言うと、リリアは素直にコクリと頷いた。





 それから私たちは酒場の一角にて、時間を潰していた。暇すぎてやばかったので、再びシャノンに何か暇を潰せるものがないか聞いたところ、数多のボードゲームを渡された。

私たちはそれを2人でやりながらひたすら時間を潰した。何戦したかはわからなかったけど、結果は私の全敗。リリアが予想以上に強すぎて驚いた。


 そうやって過ごしているうちに日は沈み、辺りが闇に包まれた。


「あのぉ、レミリアさん。流石にもう帰りませんか?この暗さで屋敷に戻るのも危ない気がしますけど、これ以上暗くなっても危ないと思うんですけど...」


「んー、後ちょっとだけ、後ちょっとだけ待ってほしい!お願い!」


 私はパンっと音を立てて手を合わせる。おまけにかわいいウィンク付きで。これでお願いして聞いてもらえなかったことはない!


「はぁ、わかりました。あと少しですからね」


「わぁい、さすがリリア。愛してるぅ!」


 私は向かい側に座っていたリリアに飛びついて抱きつくが、リリアは顔を真っ赤にしているだけで抵抗はしてこない。どうやら受け入れられたようだ。


「ちょ、レミリアさん!あ、あい、愛してるって、何言ってるんですか!?」


慌てふためくリリアも超絶可愛い。ほんとこの子には癒されるなぁ。


「姉さん、ここにいましたね」


「おう!妹よ、いたな。さすが我が妹の言った通りだ、何日か通えばここにレミリア様が来ると言っていたが、本当に来たな」


 私たちがじゃれついていると背後からそんな声がした。


 振り返るとそこには冒険者風の格好をした澄んだ湖のような髪の少女と深い水底のような髪の少女が2人並んでこちらを見ていた。そして背中にはシャノンが言っていた通り、スコップを帯剣していた。


「やっぱりね、久しぶり。元気にしてた?アクア、シズク」


私が声をかけると2人は私に向かって勢いよく飛びかかってきた。

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