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第十二話 大掃除開始!

 シャノンからの依頼をこなした次の日、私たちは再び屋敷の前にいた。昨日はギルド近くにある宿屋に一泊した。もちろん部屋は一部屋で、リリアと共に寝た。


 今日は屋敷の掃除を主にしようと思う。


「これ、2人で掃除してなんとかなりますかね?」


 私の隣では掃除道具を両手に持つリリアが屋敷を見上げながら口を開いた。


「うーん、なんとか、するしかないと思う。手伝ってくれる人の当てがあればいいけど流石に300年経つとみんなどこにいるかわからないし、しゃーない」


「私もお力になれればいいんですけど....。申し訳ないですぅ」


 リリアは肩を落とす。


「いやいや、ちょっとずつやってけばいいんだよ。なんでも一気に片付ければいいってもんじゃないし。それに、今日からここで寝泊まりするんだし、まずは自分達の過す部屋をなんとかしよっか」


「はい!精一杯頑張ります!」


 リリアは片手に持っている塵取りを天高く掲げる。それはまるで勇者が民衆を鼓舞するために行なっているように見えるが、実際周囲には民衆は1人もおらず、あるのは雑草と木と蔦に覆われた屋敷のみだ。


「さて、それじゃあやりますか!」


私たちは掃除道具を持って屋敷内に入った。





「うわぁ、こりゃ何度見てもすごいね。もう埃が雪みたいに積もってるし」


「ほんと、そうですね。これがなきゃ、今頃くしゃみばっかりしてたかもしれないです」


 リリアはそう言って自分の口元を覆っている布に手をかける。


 私たちは掃除をするにあたって口元を布で覆っている。これは埃やその他諸々をあまり吸い込まないようにするためだ。これがどこまで機能してくれるかはわからないけど、ないよりはマシだと思う。いや、思いたい。


「とりあえずお互い部屋を決めるところから始めよっか」


「はい!そしたら先にレミリアさんが選んでください」


「ん?私からでいいの?」


 リリアは大きく頷く。


「私はレミリアさんの隣の部屋がいいので...。ダメ、ですか?」


 リリアは上目遣いでこちらを見つめる。この瞳に勝てる人はいるのだろうか?いや、いない。これは魔王も裸足で逃げ出すくらいの破壊力を持っている。可愛いは正義!


私はリリアの頭を撫でながら口を開く。 


「ダメなわけないじゃん。私もその方が嬉しいからね。うん、是非そうしよう!」


 それから私たちは屋敷内の部屋を一つ一つ見て自分の部屋を決めた。私は2階に上がって左の通路側の1番端っこの角部屋、階段から1番遠い位置の部屋だ。リリアはその隣ということになった。


「さて、部屋も選んだことだし、掃除を開始しよっか!」


「はい!」


 私たちはお互いの部屋を2人一緒に掃除し始めた。室内にはもう買い足さなくてもいいくらい家具が揃っている。大きめのベッドに机、それから立派な木でできた両開きの箪笥の中にはハンガーが無数にかけられている。各部屋にはベランダにつながる大きな窓があり、ベランダは全部屋に繋がっている。


 私たちは時間をかけてゆっくりとお互いの部屋の掃除をした。気がつけば日が傾き、空を茜色に照らしていた。


「いやぁ、約一日あっても掃除できたのが自分達の部屋だけとか、こりゃ全部掃除するまでに相当時間かかりそうだね」


 私は額に浮かぶ汗を拭いながら今も尚床を拭いているリリアに声をかける。


「そうですね。もし早く終わらせたいのならギルドに依頼を出すってのも一つの手かもしれませんね」


「うーん、そこまで急いでないし、それは別にいいかな?それよりお腹減ってない?お昼も食べないでぶっ続けだったからすっごいお腹減っちゃった!」


 リリアはそういえば見たいな表情をしてからお腹をさする。


「そうですね。少し、いえ、結構お腹減ってるかもしれません。集中してたので全然気が付きませんでした」


 そう言ってあははっと苦笑いを浮かべる。


「それじゃあ、この部屋の掃除をチャチャッと終わらせて飯でも食べに行きますか!」


「はい!」


 私たちはそれからラストスパートをかけた。





 次の日、私たちは再び同じ宿屋で目を覚ました。昨日は自分達の部屋を先に掃除してから寝泊まりすればいいと思ったけど、リリアに『流石にシーツとか洗濯しないとまずいんじゃ...』と言われてから思いとどまった。


「さて、それじゃあまた掃除を再開しよっか!」


「はい!」


 今日はお互い分担して掃除をすることになった。私は庭や周囲の雑草刈り、リリアは食堂とキッチンの掃除。


 私はリリアと一旦別れ、庭へと足を運ぶ。


「うわぁ、こりゃすごいや。雑草たちがぐんぐん背を伸ばしてるなぁ」


 雑草は長年放置されていたのか、私の胸あたりくらいまで伸びていた。リリアの身長だと首元くらいまであるんじゃないか?


「よしっ、それじゃあチャチャっとやっちゃいますか!」


 私は自分の親指を噛み切って右手を前へと突き出す。真紅の雫がポタポタと滴る。


「血よ変化しろ、『獄鎌ブラッド・リーパー』!」


 滴り落ちる真紅の雫が右手に集約して大きな鎌の形を作る。それは私の身長くらいある大きな鎌だ。


「それじゃあ雑草駆除開始!」


 私は『おりゃりゃりゃりゃりゃ!!』と叫びながらブンブン鎌を振って縦横無尽に庭を駆ける。右に左に鎌を振って高速で草を刈っていく。それから少しすると、雑草で辺り一面覆われていた場所は見違えるような変化をしていた。


「ふぅ、これでいいかな」


 私の視線の先には切り揃えられた雑草たちの姿があった。


「この前のゴーレム戦よりも動いたなぁ」


 私は首をポキポキとならす。


「さて、終わったことだしリリアと合流しようかな」


 私はリリアと合流するために再び屋敷内へと戻っていった。


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