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19 いざ、王都へ


 みなさんこんにちは。ヒナタです。


 あれから3週間が経過しました。

 この3週間はワイバーンによって壊滅したバリスという街に行って、復興の手伝いをしていた。

 行ってみてわかったけど、住民はすぐに避難したらしくて被害は最小限に抑えられたらしい。

 復興の報酬は良かったけど、かなりこき使われた。

 最初は木材の運搬とかを頼まれていたけど、数日で筋肉痛になり動けなくなったことで途中から食事当番になった。

 女性に対して力仕事を任せるとかちょっと酷いんじゃないかと思ってしまった。

 前世なら多少は大丈夫だったけど、女性って本当に筋肉が付きにくい。

 たぶん女性ホルモンが影響しているのだと思います。

 そして食事当番になってからは、街の女性陣と協力して前世の知識を活用した食事の提供をした。

 そのせいか私が作る食事がかなり好評になり、地元住民の男性から「毎日あなたの作った料理が食べたいです」とか言われて遠回しのプロポーズをされたりした。

 前世でいう、毎日僕のためにお味噌汁を作ってくださいっていうのと同じ意味だと思います。

 でもさすがに男性との結婚は想像できないので丁重にお断りさせて頂いた。

 そんないろいろなことがあった3週間でしたが復興はまだまだ続くみたいです。

 しかし私はフィリップからの依頼もあったので先行してウルレインに戻ってきました。


 さて、今日は将来の嫁のサーシャと王都に行く日です。

 え、嫁じゃないって? 妄想だけでもさせてくれ。

 メンバーは私、サーシャ、御者、護衛の騎士が4人で、計7人で王都に向かいます。

 王都は予定通り行けば4日で着くみたいです。


 私は護衛としての仕事も兼ねているので、常に気配察知で周囲への警戒を怠ったりはしない。

 ワイバーン討伐からかなりステータスが上がったので、今の私なら余程のことがない限り負けることはないと思うけど慎重に行きます。

 増長すると痛い目に遭う可能性もあるからね。

 ちなみに私の現在のステータスはというと。


名前:ヒナタ

種族:人族

年齢:15歳

職業:魔法使い

HP :168/168(+23)

MP :315/315(+26)

スキル:水魔法LV6(+1)

    風魔法LV7(+1)

    火魔法LV5

    土魔法LV7(+1)

    無限収納

    威圧LV4

    毒霧LV1

    毒耐性LV3

    麻痺耐性LV2

    気配察知LV5

    気配遮断LV2

    隠密LV4

    発情LV2

    遠視LV4(+1)

ユニークスキル:強奪


 魔力量に至っては、もうこの世界の人族では一番なんじゃないかと自負している。

 もしかしたら、上がいるかもしれないけど。

 それに、風・土・水魔法もレベルが上がったことで風・土魔法に限っては上級魔法も扱えるようになった。

 上級魔法として魔法書に書いていたのは、風魔法だと風撃(ウインドインパルス)竜巻(ハリケーン)などがある。

 土魔法だと岩石雨(ロックレイン)岩石圧(ロックプレス)と言うのがあった。

 暇な時に試してみたけど、どれも上級魔法なだけあって、威力がすごくて練習台にしていたゴブリンとかオークが跡形もなく肉片になったりしていたよ。素材が欲しいときは、上級魔法は使えないと学びました。

 遠視についても頻繁に使っていたからレベルが上がりました。

 今では500m先まではっきり見えます。


 そして馬車に乗って王都を目指して、3時間くらいが経過したみたいです。

 お昼休憩のために馬車を停車させます。

 私は旅路用に事前に食事を作って無限収納にしまっておきました。

 今日はカツサンドを食べています。

 騎士の方が羨ましそうに見ていたけど気にしない。


「サーシャちゃんも食べる?」

「いいんですか!?」


 野菜スープのようなものを啜っているサーシャも羨ましそうに私を見ていたので分けてあげる。

 サーシャは特別だよ。

 サーシャに食べさせて笑顔を見るために余分に作ってきているんだよ。

 たくさん餌付けして、私無しじゃ生きていけない身体にしてあげるんだから。


「ん〜、おいしいです!」


 私に向かって満面の笑みで言ってくる。

 この笑顔を見るとたくさん作ってあげたくなるね。まさしく孫にご飯を作ってあげるおばあちゃんの気分だ。

 全員が昼食を食べ終わった後はまた王都へ向けて走り出した。

 しばらくすると、気配察知で進行方向に魔物の気配を感じた。

 私は馬車から顔を出して遠視で確認する。


「……あの魔物は」


 あ、ニワトリの魔物じゃん。

 材料がなくなったから最近食べてなかったけどちょうどいいね。

 今日の夕飯は唐揚げで決定だ。


「1体、魔物がきます!」


 私がそう言うと、騎士たちが剣を構えた。

 私も馬車から降りて、戦闘態勢に入る。


「あ、あれはコカトリスじゃないか!?」

「さすがにこの人数じゃ、やばいな……」

「お嬢様お逃げください!」


 騎士たちが怯えている。

 ってか、あのニワトリってコカトリスだったの?

 言われてみれば尻尾が蛇みたいな形をしていたような……。

 調理に邪魔だったからすぐに切り落としてたよ。

 確かコカトリスって石化のブレスを吐き出したり、毒性の爪で攻撃してくるからって討伐難易度も高いって聞いたような……。

 まじか……。森の中で岩石弾(ロックショット)で瞬殺していたからまともに戦ってすらないんだよね。

 素材を有効活用するために羽根をむしり取って羽毛布団にしちゃってるよ。


「ヒナタお姉ちゃんコカトリスは危険です! 逃げましょう!」


 サーシャが馬車から顔を出して、怯えた口調で叫んでいる。


「大丈夫だよ、安心して見ていて」


 不安にさせないために私は笑顔でサーシャに言った。

 騎士も怯えて動かないので、私は走ってコカトリスに向かっていく。

 低空飛行で私に向かってきたコカトリスに向けていつも通り岩石弾(ロックショット)を放つ。


「ロックショット!」


 コカトリスを狙った岩石弾(ロックショット)が頭部を貫く。

 そしてコカトリスが勢いよく私に向かって落下してきた。


「あぶなっ!」


 コカトリスとの衝突を間一髪で避けて、死んでいるか確認する。

 コカトリスは以前倒したとき強奪スキルを使っているため、こいつには使う必要がない。

 同じ魔物だと上位種にでもならなければ、強奪スキルを使ってもスキルが被って何も得られないからだ。

 そしてそれは人間でも同じなのは確認済み。


「ヒナタお姉ちゃん!」


 サーシャが涙目で私に抱きついてきた。

 そんな心配しなくてもいいのに。


「大丈夫って言ったでしょ。だから泣かないで」

「うぅ……。だってコカトリスって危険な魔物なんだよ。それなのにヒナタお姉ちゃんが一人で走って行っちゃうから、死んじゃったらどうしようって……」

「ふふ、心配してくれてありがとうね。でもサーシャちゃんのお父さんだって私を信用して護衛にしてくれているんだから、これくらいじゃ死なないよ」


 サーシャの頭を撫でながら言った。

 なんかこのサーシャに抱きしめられて私が頭を撫でるっていう構図がよくあるな。

 できればこのまま維持していきたい。


「嬢ちゃんすごいな……。コカトリスを一撃って」


 そして私とサーシャの逢瀬を邪魔する構図もよくある。これは維持しなくていい。

 話しかけてきた騎士に対してサーシャを抱きしめながら答える。


「コカトリスでしたら以前に何回か倒していますので」


 騎士たちが驚いた顔をしている。

 そんな騎士たちを無視して私はアイテム袋に入れるように偽装して無限収納にコカトリスを収納した。


「それでは、先に進みましょうか」


 その後は特に何事もなく進んでいき夜になったので、街道の脇に馬車を停めて野営をすることになった。

 私は夕食の準備のためにコカトリスを血抜きした後、モモ肉を捌いて唐揚げにした。


「それは何ですか……?」


 サーシャが興味深そうに唐揚げを見ている。


「これは鶏の唐揚げだよ」

「唐揚げ……ですか?」


 正確にはコカトリスの唐揚げだけど、似た様なものだ。どうせ鶏だし。


「はい、サーシャちゃんも食べて」

「ありがとうございます!」


 そしてサーシャにも唐揚げをあげる。

 サーシャが美味しそうに食べているのを姿を見て私も幸せな気持ちになった。


 その後はお待ちかねのお風呂だ。……いや、変な気持ちはないよ?

 私は街道から外れて森の中で更地となっている場所に土魔法で穴を開けて即席の浴槽を作った。

 そこに混合(ミックス)魔法でお湯を出して浴槽に入れる。

 よし、できた。

 さすがにマイホームは出せないからこれで我慢しよう。

 街道に戻りサーシャを呼びに行く。


「サーシャちゃん! こっちにきて!」

「どうかしたんですか?」


 不思議そうな顔でついてくるサーシャ。

 風呂が見えてくると、驚いた表情をしていた。


「なんでここにお風呂が!?」

「私が魔法で作ったんだよ。さ、一緒に入ろう」


 お風呂と私を交互に見て驚いた表情をしていたが、私が服を脱ぎ始めたのを見てサーシャも脱ぎ始める。

 そして2人でゆったりとお風呂に浸かる。


「ヒナタお姉ちゃんってすごいです。本当、なんでもできるんですね」

「なんでもはできないよ。できることだけ」


 なんか化◯語で出てきたようなセリフになってしまった。

 浴槽に入っているサーシャを見つめると、月明かりに照らされた金色の髪の毛が神秘的に見えて、まるで森の妖精のようだ。

 2人でゆったり入浴して身体も綺麗になったので、バスタオルをサーシャに貸してあげた。


「騎士の人たちにもお風呂を貸してあげたほうがいいかな?」


 服を着ながらサーシャに尋ねる。

 サーシャは少し悩んだ後……。


「……えっと、私たちが入ったお風呂に男性が入るのは……ちょっと恥ずかしいです……」


 おっと! サーシャが頬を赤らめている。

 かわいい! 抱きしめたい!

 でも確かにそうか。

 年頃の女の子だからね。私もちょっと気を使ったほうがよかったかもしれない。


「そうだね、ならこのお風呂のことは2人だけの秘密しようか」

「はい!」


 私たちは馬車に戻ってそのまま眠りについた。

 騎士たちが森に入って帰ってきたと思ったら、身綺麗になった私たちに疑問を抱きながら眠ったのだった。

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