18 Bランクへ昇格
みなさんおはようございます。ヒナタです。
昨日は3人で川の字で寝ました。
私が真ん中でカレンとシャルに挟まれる形です。
そして朝起きると私の手がカレンの胸に当たっていました。
不可抗力です。
そのままカレンの胸を揉んでみる。
昨日のお風呂では変態と思われないように、胸に触れる程度で揉むことができなかったため悶々としてたけど、実際に揉んでみると胸に手が沈む。
それにとても柔らかい。……やっぱりこの胸は凶器だ。
そして次は寝返って隣にいたシャーロットの胸を撫でてみる。
揉めるほどの大きさはないけど、可愛らしい胸なので私は好きです。
……なんか朝から発情してしまっているけど発情スキル発動してないよね。
うん。平常運転だと思う。
そのままシャルの胸を撫でて1人で癒されていると……。
「あんた何してんの?」
後ろからカレンに声をかけられた。
まずい、シャルの可愛らしい胸を撫でるのに夢中になりすぎた。
どう言い訳しようか……。
「えっと、あの……。カレンさんとどっちが大きいかなと思って……」
焦ったから墓穴を掘った。
私って焦ると本当にダメ人間になるな。
サーシャに初めて会ったときにプロポーズしたことを思い出すよ……。
「ってことはあたしの胸も触ったってことだよな」
「……はい」
呆れたように私を見てくるカレン。
これは話題を変えないと、私が変態だと思われる!
「べ、べ、別に疾しい気持ちがあったわけじゃなくてですね! あ、そうだ! 朝食にタマゴサンド作りますね!」
よし、話題を変えることに成功した……?
いまだにカレンが目を細めて疑うように私を見ているが、逃げるようにキッチンへと向かった。
完全に怪しまれていると思うけど、街に帰ったら会う機会も少なくなるだろうし我慢しよう。
私がタマゴサンドを作っていると、シャーロットも起きてきた。
「さあ、できましたよ」
朝食のメニューは少しだけ豪華にタマゴサンドにトマトも挟みました。飲み物は牛乳です。
シャーロットの胸が大きくなるよう願いを込めて準備しました。
「おお、昨日のやつもおいしかったけど、トマトを挟んでもうまいな!」
「朝からこんな豪華な朝食を森の中で食べられると思いませんでした」
よし、カレンは朝のセクハラを忘れてくれたみたいだ。
作戦成功だ。
「朝食を食べたら急いで街に帰りましょうか。ギルマスにも報告しないといけませんし」
2人はタマゴサンドを口に頬張りながら頷いた。
「あ、でも討伐証明の魔石とかは回収しないといけませんね」
「それなら昨日、ヒナタが倒れていた間に回収しといたよ。全部で63個もあったぜ」
「そ、そうでしたか。ご迷惑をおかけしました」
「あたしたちは何もしてないから、これくらいは気にするなよ」
朝食を食べ終わり、3人で仲良く街に向かった。
「ワイバーン63体の討伐とは……。本当に信じられん」
「事実だよ。ヒナタが全部倒してくれたよ。それについてはあたしたちが保証する」
日も落ちてきた頃に街に着き、ギルマスに報告をした。
信じられないという顔をするギルマスにカレンが答えてくれる。
「でも、3体はシャーロットさんが討伐しました」
「いや、あれはヒナタさんの魔法ですでに深傷を負っていましたから……」
一応、シャーロットも討伐したことを報告すると謙遜された。
「そうか、信じるとしよう。どうやって討伐したか気になるが……秘密にしたいということだったからな。聞かないでおこう。あと、今回のワイバーン襲撃については君達が解決したことは秘密にしておくが、領主様にだけは真実を伝えようと思うがよろしいかね」
「はい、それで構いません」
「あたしもそれでいいぜ」
「わ、私も大丈夫です」
これで私が英雄として祭り上げられるのを回避できた。
一安心だな。
「それでは報酬の話をしよう。討伐の依頼料に加えてワイバーンの魔石を合わせて金貨120枚だ。あとヒナタさんのランクを上げるが、今回の功績を考えるとAランクでも問題ない。しかし、DランクからいきなりAランクに上がったという前例もないため、私の権限ではBランクが限界だ。これで許してくれ」
「それは構いませんが、報酬については3人で分けますので40枚ずつでお願いします」
「ちょっとヒナタ、何言ってんだよ!?」
カレンが驚いた表情で叫んだ。
「何って、3人で協力して討伐したのですから、きっちり3等分するべきです」
「いやいや、あたし達はほとんど何もしてないんだから、そんなにもらえないって!」
「でしたら、口止め料として受け取ってください。そもそも2人がいなければ、私は死んでいたかもしれないので当然の報酬ですよ」
私は無理矢理押し切る。
正直お金に困ってもいないのでなんの問題もない。
「はあ……。ヒナタは一度決めたら強情だからな……。わかったよ! ありがたく受け取るぜ」
「あ、ありがとうございます」
私の中では2人の胸を堪能させてもらったお礼もあるが、それは言わないでおく。
「よし、せっかく大金が手に入ったから今夜は3人で飲みに行こうぜ!」
「いいですね、行きましょう」
これでBランク冒険者か。
Cランクを目指していたけど、不本意でかなり早くランクが上がってしまった。
私の容姿でBランクとはさらに変な目で見られそうだよ。
トラブルに巻き込まれませんように。
っといけない。これはフラグになる!
その後は3人で酒場に行き、遅くまで飲み明かした。
この世界に来て初めてビールを飲んだが、なかなかイケるものだ。
翌朝、私は宿の部屋の扉をノックされて起きた。
寝巻きのまま扉を開けると、領主様の執事であるクロスが立っていた。
「おはようございます、ヒナタさま。旦那様がお呼びですので屋敷までご案内します。外に馬車を用意していますので、準備ができたらお越しください」
ワイバーン殲滅のお礼かな。
長く待たせる訳にもいかないので、急いで着替えてから髪を梳かし外に出る。
今からサーシャに会えると思うと心が躍る。
「お待ちしておりました。それでは馬車にどうぞ」
馬車に乗り領主の屋敷へと向かう。
例の如く、屋敷に入るとメイドさんが出迎えてくれた。
なんかメイド服着てみたくなってきたよ。
サーシャの専属メイドとかやってみたい。
この世界で特にやりたいことがなくなったら専属メイドになるのもいいかもな。
サーシャがお嫁に行っても絶対なってやる。
「ヒナタお姉ちゃん!」
今日もサーシャは可愛い。なんか妹ができたみたいだ。
前世では男3人兄弟の末っ子だったから姉か妹が欲しかったんだよね。
私はサーシャを抱きしめながらそんなことを考えていると……。
「来たかね、ヒナタさん」
また私とサーシャの逢瀬を邪魔してきたよ。
この流れにはもう慣れた。
「おはようございます。フィリップ様」
「おはよう。早速だが執務室までいいかな」
はいはい、いつもの流れね。
これも慣れましたよ。
私は執務室に案内されると中にはカレンとシャーロットが緊張した顔で座っていた。
「え、なんで2人がいるんですか」
私は驚きながらフィリップに尋ねた。
「そりゃあ今回の功労者を招くは当然だろう」
そういうことか。
それにしても2人の緊張した顔が面白い。
普段こういう場に慣れていないんだろうな。
冒険者だとあまり貴族と接する機会がないだろうし。
そしてフィリップは椅子に腰掛け、私達にお礼を言った。
「今回のワイバーン討伐に尽力いただき感謝する。君達がいなければこの街もかなりの被害になっていただろう」
カレンとシャーロットは頭を下げてお礼を言うフィリップに慌てふためいていた。
なにこの2人面白すぎる。
「いえ、たまたま討伐する方法があっただけですので気にしないでください」
「ヒナタさんにはたくさんの恩があるな。借りた恩を返すには私の余生では足りないくらいだ。ヒナタさんが男だったらサーシャを嫁にって思ってしま……」
「一生大切にします!」
食い気味に答えてしまった。
やばい。顔が熱い。
フィリップやクロス、カレンとシャーロットも目を見開いて私を見ている。
きゃー、恥ずかしい!
「す、すいません。じょ、冗談です……」
俯きながら私は答えた。
だって、サーシャと結婚できるチャンスだったんだよ。
そりゃあ食い気味になっちゃうよ。
「そ、そうか……。とりあえず3人にはお礼として、謝礼金を用意した。受け取って欲しい」
机に置かれた巾着袋を受け取る。
「本日はお礼と謝礼金を渡したかったんだ。朝から来てもらって申し訳なかったな。あ、そうだ。ヒナタさんは少し話があるからここに残ってもらえるか」
「え、はい……?」
フィリップが言うと、カレンとシャーロットはクロスに案内されて執務室を出て行く。
それにしても2人とも緊張してて何も喋ってなかったな。
私が来るまではどうしていたのか気になる。
そして執務室に私とフィリップのみとなったところでフィリップが口を開く。
「冒険者のヒナタさんに頼みがあるんだ」
え、なに。嫌な予感がするよ。
サーシャとの婚姻だったら喜んで受けるけど。
「実は、来月サーシャの姉の誕生日なんだ。それでサーシャが直接お祝いをしたいらしくて、王都に行くことになったんだが、私は仕事で行けそうにない。だからサーシャの護衛兼話相手として行ってくれないか。前回の盗賊の件もあったし、それにサーシャもヒナタさんと約束したって言っていたからな」
サーシャは前に約束したのを覚えていたみたいだ。
サーシャたんまじ天使。
「私でよければ是非お願いします」
「それならよかった。今回は指名依頼として冒険者ギルドにお願いしておくからよろしく。ちなみに出発は3週間後を予定している」
「はい、わかりました」
想定よりも早い王都行きが決まった。
すごい楽しみだ。




