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ロリ巨乳狐娘叔父さんオンライン ‐ 美少女妖狐になったけど姪とゲームがしたい ‐  作者: 菌糸雀
第1章 朝目が覚めたらロリ巨乳狐娘になってたけどそのままゲームする
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27. 怒涛の猛攻


 未だ敵は僕と姪で挟み撃ちに出来る位置にいる。そこへ2人同時に斬り込めばどちらかの攻撃は通る。さぁ果たして奴はどっちに対応するのか……おっと、僕の方を向いたか。武器のリーチが短くガードもできない僕の方を先に潰す算段のようだ。さっきの会話でヘイトを引き付けてしまったのかもしれないが。


「いくよあんちゃん!」

「任せて、同時にいくよ!」

『来いキツネ! 返り討ちにしてやる!』


 姪と声を交わし、タイミングを合わせて攻撃に出る。それに合わせてバトルファラビットもカウンターを叩き込もうと攻撃の構えに入るが、僕はそんなこと気にせず突っ込む。


「≪ソードスラッシュ≫!」

「≪駆け斬り≫!」

『ぐっ!? 速……!』


 例えカウンターを構えていても反応できなければ意味が無い。僕は腕を振り上げたバトルファラビットの脇腹に斬撃をお見舞いしつつ、高速で横を通り抜ける。さっきまでとは違ってスキルも使えるのだ、そう簡単にやられるわけにはいかない。


「アン、瑠奈ちゃん! さっきの俺の≪ヘビーバレット≫で膝に部位破壊ダメージを大きく蓄積させた! ソイツの脚は今ガクガクなはずだ、機動力の無い今がチャンスだ!」


 そこにコージが随分と派手に銃をぶっ放しながら指示を飛ばしてきた。なにやら今は敵の動きが鈍いようで、ヘイト管理など気にせずに後衛でも遠慮なく攻撃して問題ないらしい。よく見ればサラさんも光属性魔法で攻撃に参加している。


「≪ホーリーアロー≫! ≪ホーリーアロー≫! ≪ホーリーアロー≫!」

『いてっ! いててっ! ちょっやめろ……くそっ脚さえちゃんと動けばあんな奴らに! 汚ねぇぞ遠くから攻撃するな!』


 なるほど、脚がガクガクなのは事実なようだ。本人もそう言っていることだし。姪も上手く反撃を躱して長剣のリーチ差で一方的に攻撃している。一方短剣はリーチも短いし、相手の腕の方が長いがどうするべきか。


『くそっ……どうした子狐ちゃんよぉ、ビビっちまったかぁ? そんなとこに突っ立ってないでかかってこいよ!』

「言われなくても。 ≪狐火≫!」

『ぐわあああっ!? お前魔法も使うのかよぉ!?』


 そうこうしていたらバトルファラビットのHPが残り1割ほどにまで減っていた。流石にこれだけ全員で袋叩きにすれば納得の削り速度である。


「≪ホーリーアロー≫! ホーリー……あら? MPが切れちゃったわね」

「あ、僕も」

「何? タイミングが悪いな、俺も弾切れだ。リロードしないといけないが……」


 そんな風に順調にダメージを与えていた折、事件は起きた。遠距離攻撃組の攻撃が一斉に途切れたのだ。そのチャンスを敵は見逃さなかった。


『待ってたぜェ! この瞬間(とき)をよォ!!』

「しまっ……」


 集中攻撃による火力の拘束が無くなった途端、バトルファラビットは腕を振り上げながら素早く前方に跳躍した。攻撃に晒され続けて身動きできなかっただけで、脚はもうガクガクから回復していたらしい。

 そしてその跳躍攻撃の対象とされた僕は、まさかこんなに急に動き出すとは思っていなかったため反応が遅れて――その必殺の野獣の拳を、胸にモロに叩き込まれた。


「ごふぁっ!?」

「あんちゃん!!」

「アン!?」


 僕は見るからに強力な一撃をまともに受けてしまい、勢いよく後ろに弾き飛ばされる。HPはギリギリ1残ったが、革防具を着けてる胸以外で受けていたら即死だった。視界の端には既に追撃の構えに入ったバトルファラビットがチラリと映る。マズい、サラさんのMPが残っていない以上回復は期待できない。HP回復のポーションなんて買ってないし、なんとか避けなければ――


『トドメだぁ!』

「≪ヒール≫」


 しかし回避は間に合わず、ダメ元で武器による防御を試みたものの、短剣のガード適正は低い。案の定防ぎきれずに体ごと弾き飛ばされ、発生したダメージは僕にトドメを刺すに充分なものであったが……しかしそのダメージが発生しても、僕が力尽きることはなかった。それどころか更に追加でHPが回復したので、不思議に思ってサラさんの方を見てみると。

 ……そこには薄っすらと青いポーションを頭から浴びているサラさんの姿があった。それそうやって使うの?


「≪ヒール≫、よしこれでアンちゃんは全快したわね」

『チッ余計なことを……』

「サ、サラさん僕のためにそこまで……」


 MP回復のためのマナポーションは初心者にとっては高級品だ。効果はMPを10回復するだけでしかないのだが、1本20ゴルとかするのでそれだけで布の防具が1部位買えるのだ。それを惜しげも無く、僕を助けるために使って……あっ2本目使った。


「っしゃあ!! ≪ホーリーアロー≫!」

『うおおおおっ!?』

「サラさん!? もう無理に攻撃せずMPは≪ヒール≫のために温存した方がいいんじゃ……あっ3本目はマズいですよ!」

「≪ホーリーアロー≫! ≪ホーリーアロー≫! ≪ホーリーアロォォォォオオ≫!」

「マズイ! サラさんが壊れた! おい社長、お前の部下だろなんとかしろ!」

「構わん、それでいい」

「いいの!?」


 なぜヒーラーのサラさんがここまで頑なに攻撃を続けるのか。最初はまるで理解できなかったが、銃に弾を込め終えて狙いをつけるコージの横顔を見て気付いた。

 ああそうか、これ本気で怒ってるんだ。僕が思っていたよりも、仲間たちはずっと本気で僕のために怒ってくれていた。ニンジンを取られた僕が絶望したのを見て、そんな一見くだらない理由で。


 つまり怒っているから、それだけがこの猛攻の理由だったのだ。


「あたしも新技いくよっ! ≪ブレイドダンス≫ッ!」


 ヘイトが後衛にも分散してきたあたりで、姪も先ほどのレッサーファラビット戦で習得した新技を繰り出す。コンボを繋げた分だけ発動し続けて強くなる、踊るように滑らかに連続で斬りつけるスキルだ。


「それそれそれそれっ!」

「よし僕も!」


 僕も姪の連続攻撃に便乗し、防御で手一杯のバトルファラビットに両手の短剣で何度も斬りつける。


『ぐっ、マズい……このままじゃあ』

「このままトドメだぁ!」


 そして敵のHPも残りあと少し、僕たちが勝ちを確信したところで――奴は動いた。


『チッ、やるしかねぇか』

「わっ……!?」

「きゃっ!?」


 あと一歩というところでバトルファラビットの体から衝撃波のようなものが発生し、僕と姪が弾き飛ばされる。ダメージこそ無いが数メートル距離を開けられてしまった。


『しょうがねぇ、出てこい残りの手下ども! コイツらを数で押し潰せぇ!』

「なにっ!?」

「「「「キュイキューイ!」」」」

「しまった! 伏兵か!?」

「ひゃっ!? ファラビットがこんなに!?」

「これはこれで……悪くないわね」


 そして息をつく間もなく打たれる次の一手。ボスの号令がかかるや否や、一瞬にして周囲の茂みや地面の穴から辺りを埋め尽くさんばかりの大量のファラビットが飛び出した。僕や姪は武器を振り回してなんとか抵抗しているが、射撃であるがために点での攻撃しかできないコージは脚にしがみつかれてじわじわとHPを削られている。サラさんに至ってはさっきまでの攻撃的な姿勢はどこへやら、流れに身を任せて至福の表情で全身をモフられていた。


「くそっあとちょっとなのに近寄れない……! コージ! このままじゃ削り切られて全滅だ! なんとか遠距離攻撃でやられる前にやれないか!?」

「無理だ! さっき試してみたが、遠距離攻撃無効のエフェクトに弾かれた! 恐らく残りHPによる特殊行動だが……悪いが前衛だけでなんとかしてくれ!」


 そうやって相談する間にもコージはファラビットの山に埋もれて全身ウサギまみれになっていった。もう援護射撃も期待できないだろう。僕の方もいくら二刀流とはいえ対処が間に合わず、撃ち漏らしたファラビットに徐々にまとわりつかれる。高速接近技である≪駆け斬り≫もここまで足元がウサギだらけだと使えないし……流石にもう万事休すか……?


 だが僕が諦めかけたその時、それでも姪はまだ諦めていなかった。


「あんちゃん! あたしとボスとの間の雑魚敵、≪狐火≫で蹴散らせない!?」


 既に何匹ものファラビットにまとわりつかれながらも、全方位から迫りくる敵に剣を振り続ける姪のその目には、今だ闘志が消えていなかった。そうだ、彼女は戦いを、ゲームを楽しんでいるのだ。諦めるなどという選択肢は無いのだろう。ならば僕も精一杯最後まで諦めず足掻くべきだ。それが姪を見守ると決めた叔父としての使命なのだから。


「――もちろん! るぅちゃん準備はいい!? 邪魔する雑魚は僕がなんとかするから、るぅちゃんは僕を信じてボスをお願い!」

「まっかせて! あたしにかかればヨユーなんだから!」


 そんな自信満々の姪の笑顔に後押しされて、心に更に力が漲るのを感じる。残りMPはちょうど1発分、失敗は許されない。僕は期待に応えるべく一旦迎撃の手を止め、スキルの発動だけに集中して全身全霊で魔力を練り上げる。

 その結果徐々に体がウサギの波に呑まれていくのを感じるが、どうせMPが無くなるのだから動けなくなっても問題はない。あと少しとはいえサラさん(ヒーラー)がいない今、このウサギだらけ空間で長時間スキル無しで戦うなんて無謀過ぎる。姪のスキルで短期決戦を狙うしかない。


 この≪狐火≫は今まで何度も使ってきた。発動時に感じる魔力という未知の感覚も段々と自然に馴染んできたし、どういうプロセスで起動するのかも理解できてきた。今ならば少しだけ軌道を変えたり、簡単な動作を仕込むぐらいなら出来るはずだ。否、出来なければならない。今それが出来なかったら……ダメだろ!


「≪狐火≫ッ!!」

『無駄だァ! 今のオレっちに魔法は効かな……何ィ!?』


 ウサギに埋もれ行く視界の中、群れのボスであるバトルファラビットに向けて渾身の≪狐火≫を放つ。無理矢理押し固められたオレンジ色の炎の球はしかし敵にぶつかることなく僅かに角度を変え、奴の横を通って向こう側の地面に当たって炸裂する。その爆炎は地面を這って真っすぐ姪の方へと伸びて、炎の一本道を作り出したはずだ。……結末は、もう見えないが。


『外しやがったなバカめ! 味方に当たってんじゃねぇか!』

「そうか……味方に当たったか」


 僕の体はもう完全にウサギに埋もれてしまった。全身がモフい。視界ももうゼロだ。何も見えない。

 だからこそ敵のその言葉にホッとする。奴は言った、味方に当たったと。それはつまり僕にとっての作戦成功を意味する言葉だったのだ。


「あんちゃんナイスッ! 通りやすい!」

『なっ……バカな!?』


 声を聴くに、恐らく炎の中を通って姪が距離を詰めたのだろう。ファラビットぐらいなら一撃で倒せる威力を持つ範囲攻撃である≪狐火≫は、いくら密集されようと道を切り開くことが出来る。それを使ってバトルファラビットと姪の間に炎の道を作り、そのまま姪をも飲み込んでまとわりつくファラビットをも焼き払ったのだ。

 もちろん敵にまとわりつかれながらの乱戦でHPが減ったプレイヤーに最大火力のこのスキルを当てれば無事では済まない。だがそれはあくまで()()()()()の話だ。これは僕の炎なのだから、それが姪を傷つけることなんてあってはならない。そんな想いを込めて撃ったのだが、結果は上手くいったようで何よりだ。


「これで終わりだぁっ! ≪ソードスラッシュ≫!!」

『ぐわああああああっ!!』


 姪のスキルの効果音とボスモンスターの断末魔が響き渡り、バトルファラビットは討伐エフェクトの光となって消えていった。

 なんとか気合いで顔にまとわりついてくるファラビットだけは頑張って剥がして、トドメの瞬間の姪の勇姿だけは見られたので僕は満足して再びウサギに呑まれた。


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