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ロリ巨乳狐娘叔父さんオンライン ‐ 美少女妖狐になったけど姪とゲームがしたい ‐  作者: 菌糸雀
第1章 朝目が覚めたらロリ巨乳狐娘になってたけどそのままゲームする
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25. 激闘!バトルファラビット!


 ウサギの親玉『バトルファラビット』との戦いが始まった。顔のかわいさに反してかつて戦った狼よりも強靭なその体躯は、野獣と呼ぶに相応しい。


「瑠奈ちゃんは前衛を頼む、ヒット&アウェイでいいから無理はするな! 俺は援護射撃をする、サラサは支援だ!」

「りょーかい!」

「任せてちょうだい!」


 コージの指示の元、2人は素早く自分の役割に着く。一方で僕だけ何故か指示が貰えなかったので手持ち無沙汰……などにはならない! 有能な社会人である僕は指示待ち人間ではないので自分で考えて動けるのだ!


「あっ待てアン!」

ふぁんは(なんだ)?」


 が、短剣を両手に構えて突撃しようとしたところを呼び止められる。僕はこれから姪と一緒に前衛があるので忙しいのだが。


「お前はとりあえず口の中の物をなんとかしろ」

ふぇっ(えっ)……」

「そうね、その状態じゃとても集中できないだろうし……」


 それは実質的な戦力外通告だった。噛むに噛めないこのサイズのニンジンを食べきるにはそれなりの集中力を必要とするため、接近戦で戦いながらなんとかすることは出来ない。

 だが、それならそれでやりようはある。なにせ僕には武器での攻撃だけでなく遠距離攻撃スキルもあるのだ。右手の短剣をまっすぐ敵に向け、今にも姪に襲い掛かりそうなバトルファラビットめがけて必殺の炎を放つ。


「≪ひふふぇひ(きつねび)≫ッ!」

「ビフテキ?」


 サラさんのマイペースな聞き間違いにペースを乱されるが……しかしそれとは関係なく、≪狐火≫が発動することはなかった。呂律が回らなさ過ぎて音声認識システムが単語を読み取ってくれないのだ。


「ほっ! てりゃあああっ!」

『チッ、やるじゃねぇか!』


 そうこうしている間にもバトルファラビットと姪の攻防が繰り広げられているが、短剣使いとして加勢することも魔法で援護することも出来ない僕は完全に蚊帳の外だった。

 こんなことならさっさと無詠唱のショートカット登録方法を教えて貰っておくべきだったと後悔するが、そんなことはあとの祭だ。


「何、問題ない。俺たち3人で勝てないこともないだろう」


 落ち込んで耳と尻尾が力なく垂れさがる僕をフォローしながらも、コージは的確に敵を射撃していた。このゲームではフレンドリーファイアがあるので味方の前衛に当ててしまわないよう気を付ける技術が後衛に求められるのだが、それを難なくこなして確実にダメージを蓄積させていく。

 


『これでも喰らえ!』

「いっ……たいなぁー! このっ!」

「るなちゃん、回復するわ! ≪ヒール≫!」

「ありがとサラさん! ≪ソードスラッシュ≫!」


 振り回された豪腕を避けきれずに姪が被弾してしまった際には、サラさんが回復魔法を使って立て直す。なにしろ彼女の本職はヒーラーなのである。現状ではここまで回復の出番がなかったため光属性の初級攻撃魔法の方がスキルレベルは高いが、それでも選んだ職業は聖職者だ。


 その3人のバランスはボスモンスターと戦うのに申し分なく、最低限必要なものは揃っていると言えた。このままなら本当に3人でも倒せるかもしれない。


 くそっ……僕はこのまま黙って見てるしかないのか?


『ウザってェなちょこまかと!』

「くっ、あぶっ! はっ、そこっ!」


 後衛からの援護こそ入るが、ほとんど姪とボスとのタイマンのようなものだった。鋭い爪のある腕による連撃を、見切り、避け、防ぎ、時には被弾しながらも、合間を縫って斬りつけて反撃する。

 自分より大きな敵にも臆せず立ち向かう姪は凄いと褒めたいところだが、今はそれよりも自分の無力さを責めたい気分だった。


 前衛が2人なら……もっと安定して立ち回れるし、攻撃も通せるのに! 僕が前に出られれば姪はもちろんサラさんの負担も減るし、防戦一方になることもない。なんなら1人が狙われている間は攻撃のチャンスだ。前衛は1人では少ない、複数人いてこそ格上と戦えるのに……それなのに僕は!


「ッ……!」

「あっ待て司!」


 我慢できずに僕は前線に飛び込んだ。口の中のニンジンに呼吸を阻害されてスタミナの減りが僅かに早いが、そんなことは些細な問題なので気にしない。敵が姪に気を取られている隙に、側面から2本の短剣で斬りつけた。


「あんちゃん!?」

『邪魔だこのキツネ!』


 斬撃がモロに脇腹に入っても、HPゲージの減りは極僅かだ。だからといってそれを良しとはせず、太い腕を横振りして反撃してくる。よし僕にヘイトが移った、姪の攻撃チャンスだ。狙い通りに敵の攻撃を引き付けた僕は、それを素早く身をかがめることにより最小限の動きで華麗に回避し……痛ってぇ! そうだ頭の上に狐耳あんじゃん! 普通の体の感覚でギリギリで避けてたらダメだわこれ!


「≪ソードスラッシュ≫!」

『ぐぅっ!?』


 僕の方は少ししくじったものの姪はその隙を見逃さず、大振りな攻撃モーション中の敵を斬り裂いて大きなダメージを与えた。


「アンちゃん大丈夫!? ≪ヒール≫!」


 思わぬダメージは貰ってしまったが、サラさんからの回復が飛んできて半分ほどだったHPがほぼ全快する。え待って半分? ダメージ多くない? 耳に掠っただけなんだけど? いや、レッサーファラビット戦で姪の剣が首を掠めた際にHPが1割減ってそのままだったから、この攻撃自体のダメージは4割ほどだとは思うが……だとしても多くない? 耳に掠っただけなんだけど?

 そんな困惑を抱えていたら、僕の表情から読み取ったのかコージが疑問に答えてくれた。


「これまでの瑠奈ちゃんの被弾ダメージと比べても、さっきのアンのダメージは明らかに大きすぎる。恐らく耳は弱点部位判定だったんだろう」

ふぁぁ(はぁ)!?」


 耳が弱点だと……? ふざけるなよお前これ頭装備不可なんだぞ? これから常に弱点丸出しでやっていくってことかよチクショー!

 だが僕の無言の抗議は適当に受け流して、コージは情報を分析する。


「だとすればあるいは……するとこれまでの行動も……よし。アン、俺に考えがある」


 そう言いながら僕に視線を向ける親友の表情は、僕の力を必要としている時のものだった。そして了承も取らずに作戦を簡単に説明し始める。さっきは戦力外通告してきた癖に、都合の良い話だ。まぁ頼られて悪い気はしないけどな。


「行けるか?」


 もちろん、と言葉に出さず僅かな笑みと視線だけで返す。長い付き合いだ、返事はこれだけで充分だろう。


「よし行ってこい。姪を守るのが、叔父の役目なんだろう?」


 分かってるなら長々と作戦会議で引き留めるなよと心の中で零しながらも、僕は再びボスモンスターとの戦いに飛び込んだ。


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