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ロリ巨乳狐娘叔父さんオンライン ‐ 美少女妖狐になったけど姪とゲームがしたい ‐  作者: 菌糸雀
第1章 朝目が覚めたらロリ巨乳狐娘になってたけどそのままゲームする
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17. スキルの練習


 新スキル≪駆け斬り≫を使ってみた僕。名前から察するに、駆け寄って斬るとかその辺だろうと予想したのだ。

 しかしスキルによるモーションアシストで勢いよく敵との距離を詰めた僕は、敵襲に驚いて跳び上がっていた大き目のウサギ(ファラビット)とお腹の辺りで衝突した。


「えっ……えぇ~……?」


 その結末が思っていたのと違ったのか、姪も困惑気味だ。僕だってこんな攻撃だと思ってなかった。というか、誰が短剣の武器スキルが体当たりだなんて思うんだ。


「キュイッ!」

「あっちょっ」


 しかも威力が低すぎたのか、ファラビットのHPはほとんど削れていない。むしろ僕の反動ダメージの方が大きいぐらいだ。そのまま攻撃され始めたので、とりあえず普通に斬って手早く倒す。


「……スキル欄で説明文とか読んでみたら?」

「そうだね、流石にこれは僕の使い方が間違ってたのかもしれないし……」


 というかそうであってほしい。正しく使ってこの威力では救いがなさすぎる。そうでなければ二刀流によって上げた評価を一気に地の底まで叩き落さなければならないことになる。


 自分の間違いであることを願いながら、僕はアクティブスキルの一覧を開いて≪駆け斬り≫の説明文を表示した。



()()り≫

消費MP:5

短剣専用。素早く前進しながら道中の敵を斬る。



「あれ? こんなんだったか……?」

「なんか、さっき出たのと違うよね」


 僕たちは首を傾げた。さっきは変な体勢での体当たりだったはずだ。武器を振った覚えはない。

 おかしいと思ったので詳細説明を開いてみれば、なんとなく何が起こったのか理解できてきた。


「ふむふむなるほど……」

「あんちゃん、分かったの?」

「この詳細説明によれば、こんな単純そうなスキルでもいくつか発動時に意識しといた方がいいことがあるみたい。『終点』『移動ルート』『武器の振り角度』『攻撃タイミング』……」

「うーん、むずかしい……つまり?」

「さっきの例だと、ファラビットをターゲットとして意識してたから、同じ座標に行こうとしてその結果ぶつかった。武器を振らなかったのはアシスト任せだったからで、デフォルトだと攻撃してくれないみたいだね。攻撃なしの移動スキルとしても使える側面が仇になったっぽい」

「なるほど理解した」

「あんまり理解してなさそうだけど問題ないからいいよ」


 勉強を教えている時と同じような反応を返してくる姪への説明を諦めた僕は、再び試すべく次のファラビットに狙いを定める。いや、スキルで狙いをつける場所は敵の背後である。敵の横を通り抜けるイメージが大切なはずだ。


「まずは練習! ≪駆け斬り≫!」

「キュイッ!?」


 まずは移動の練習をした。武器は振らない。

 移動ルートといっても微々たるカーブが可能な程度なのだが、ファラビットは中型犬くらいの大きさなので真横を通り抜けて背後に回り込むことが出来た。


「次は攻撃もだ。≪駆け斬り≫!」


 移動の感覚を無事掴んだので、次は武器を振りながらやってみる。

 今回はファラビットの横を抜けた斜め後ろあたりの地面をターゲットし、そこに真っ直ぐ移動しながら右手の短剣を振るった。


「ギュィッ!」


 その攻撃は見事に命中したし、スキルによる一撃であるが故に威力も少し上がっている。だがしかしその僅かな威力アップのために二刀流の2回攻撃を使えないのでは意味がないので、次は両手を使ってみることにする。


「≪駆け斬り≫!」

「ギュィーッ!?」


 同時に振った2本の短剣はファラビットを十字に切り裂き、HPゲージをゼロにして光のエフェクトに変えた。無事に一発で成功してなによりである。


「おぉーあんちゃんかっこいい!」

「……ふぅ、大体わかったしこんなもんかな。るぅちゃん、採取の方はどう?」

「ん、おっけー! 必要な分は集まったよー」


 一通り試したのであとはその内慣れるだろうと思い始めた頃合いで姪に採取の進捗を確認してみたが、どうやらこちらを見守りながらも手は進めていたようで終わっていた。


 それなら一度クエスト報告のため、街に戻ろうかと思ったところであった。

 システムメッセージにこれまで見たこともないような目を引くログが流れたのだ。



【サーバー全体で『プレーンウルフ』の討伐数が規定値に達しました。15分後より緊急イベント『ファラビットの襲撃!』を開始します。】



 それは、ゲーマーなら誰でも心躍らせる緊急のイベント告知であった。


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