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12. 焼肉、それは仁義なき戦い(後編)


 肉を焼き、姪の皿に取り分け、自分の分を食し、次の肉を焼く。それが焼肉における僕の究極のルーティーン、姪ガチ勢の極致である。


「こちら『牛ロースの炭火(すみび)(ふう)グリル ~秘伝のタレを添えて~』です」

「おぉー! ありがとあんちゃん! なんかオシャレでおいしそう!」


 そんなわけで適当にカッコいいセリフを言いながら、僕は丁寧に姪の皿へと肉を入れた。

 要するに焼けたロースをタレに浸けたに過ぎないが、雰囲気重視で言ってるだけなので細かいことは気にしない。なんならコレ、焼いてる火も炭火じゃなくてガスだが。


「お、ライス来たぞー。(だい)は俺と弘治(こうじ)くんで、(ちゅう)(つかさ)だったか?」

「うん、僕は肉メインで行きたいから」

「それで(しょう)はわたしと瑠奈(るな)やね」


 そこに運ばれてきた次なるメニューは、日本人の魂こと白ごはんである。このあと運ばれてくる予定の脂の多い肉は特に米が欲しくなるので、まさにベストなタイミングである。やはり焼肉といったら白い飯だろう。

 たくさん肉を食べるならそれに合わせて大でもよかったのだが、そうすると肉をあまり食べられないというジレンマ。かといって少なすぎても物足りないということで、僕が頼んだサイズは『(ちゅう)』。手堅く堅実に、無難な選択だろう。


「とりあえず(ちゅう)は司……ってちょっと、その邪魔な肉テーブルから退()けてくれへん? ご飯置く場所無いんやけど」

「正論だけどもう少し言い方なんとかならない?」


 焼肉において、テーブル上に皿の置き場が無くなることは少なくない。

 特に序盤から中盤にかけては、開始時にまとめて注文した分が押し寄せてくるのだ。焼くための金網の面積に限りがある以上、渋滞を起こした生肉がどんどん溜まっていくのは普通の現象だ。


 だがしかし、母が言っているのがそういう意味でないのは充分に理解できた。空いてるスペースはまだあるし、別に僕の目の前に生肉の皿が置いてあるわけでもないからな。まぁ自覚はあるのだ。


 そんなわけで僕は椅子に深く座り直し、テーブルに乗せていた大きな胸肉を退けた。

 うん、まぁ、胸肉というか、胸の肉というか、胸部に付いてる肉というか。

 つまるところ、おっぱいである。子供の身体には巨乳すぎて重かったので、ちょっと置かせてもらってたのだ。


「それにしても……デカいな。机に置くほどだしさ、やっぱり重いんだろう? 父さんが支えててやろうか?」

「パパ、これとかそろそろ焼けてるんちゃう? はい、あーん」

「あっづ!? ちょっ、きらら!? 熱々の肉を金網から口まで直送するのやめて!? ていうか口にも入ってないからな!?」


 そんな僕の様子を見た父は息を吸うかのようにセクハラ発言をかましてきたが、それに対して母は息を吐くかのように即座に断罪していた。

 流石は長年連れ添った夫婦、息ピッタリだな。これが阿吽の呼吸というやつか。


 直前まで火に炙られていた肉を顔面に押し当てるとか容赦が無さすぎて軽く引くが、まぁこれは仕方ない。今のは父さんが悪かったからな。セクハラ親父は女の敵である。


「しかしアレだぞ、司。お前の親父さんのような人もいるんだから、やはりもっと普段から警戒心を持った方がいい」

「さりげなく弘治(こうじ)くんまで辛辣すぎない? 俺泣くよ?」


 そんな光景を何事もなかったかのようにスルーしつつ、真顔で僕に忠告してくるコージ。

 いくら幼馴染みとはいえ、コイツも随分と慣れたもんだな、ウチの両親のノリに。それが良いことなのか悪いことなのかは判断しかねるが。


「でもさぁコージ、これはしょうがなくない? だって重いんだよ」

「それは見た目から充分に察せられなくもないが……しかしお前なら分かるはずだぞ、その光景を男が見てどう感じるのか。少なくとも机に胸を置くのはやめた方がいいだろう」

「せやね、わたしもそう思うわ。なんか持つ者の余裕って感じでムカつくし」

「母さんはちょっと黙ってようか」


 分かるか分からないかで言うならば、まぁ分かる。僕も中身は男だ、机に置かれた巨乳がエロいということが分からないはずがない。

 だがしかし、それとこれとは話が別だ。重いから置く、そこに理由が必要だろうか。


「一応≪人化≫さえしてなけりゃ、ここまで重く感じることもないはずなんだけど」

「ん、そうなの? ってあれ? ≪人化≫であんちゃんのステータスが下がるのって、ゲームの話じゃなかったっけ?」

「それはそうなんだけど、現実でも似たような仕様っぽいんだよね。朝に水の入ったバケツ運ぶ時に試してみたんだけど、≪人化≫してない時の方が遥かに楽だったし」

「へぇー、そうなんだぁ」


 そんな何気ない僕の言葉に対して姪が持った疑問は、実は既に検証済みだったりした。

 まぁジョギングの時に予想以上に身体能力が低くて、これは流石におかしいんじゃないかって思ってたからな。ゲーマーである僕がそれとなく仕様を調べるのも当然である。


 ちなみに結果としては、ロリ巨乳狐娘モードの時は≪人化≫状態の数倍は強くなっているように感じた。人間形態が弱すぎるだけというか、見た目相応に非力な女子小学生レベル(の中でもおそらく最底辺付近)なだけというのもあるが。

 それに加えて≪人化≫を解除すれば妖力による身体強化なども使えるようになるので、実質的にその差は計り知れない。妖力が使えれば胸を支えることもできるので、基本的には≪人化≫は使わない方が快適に過ごせるのだろう。まぁ極論言えば≪獣化≫を使ったガチ狐モードが一番胸とか気にせずに済むから楽なのだが。


「ふむ……狐耳と尻尾を隠せるその妖術も、便利なだけではないということか。いや現実で使えるというだけで充分に不可解で便利だとは思うが……そもそも弱体化といっても、見た目通りになるだけならば別に……」

「お待たせしました、こちら上カルビになります」

「おっ来た! 上カルビ!」


 そんな僕の言葉を聞いて、なんだかコージはブツブツと分析していたが、そんなことより上カルビである。

 カルビの中でも上位の存在、それが上カルビ。やはり焼肉といえばコレだろう。


 30歳にもなれば脂の乗った肉など多くは食べられなくなってくるものだが、今のお子さまボディなら問題ないはず。胃が脂を拒絶するのを恐れることなく思う存分に食べられるということで、たくさん注文して楽しみにしてたのだ。


「こちら5皿分ずつ大皿にまとめてますので、それが3皿で合計15皿分になります」

「待って、上カルビ多くない?」


 そんな僕のワクワクに水を差したのは父。値段の高い上カルビが大量にやってきたことで支払いの不安が出てきたのは分かるが、今日は好きなだけ頼んでいいと言ったのだ。男に二言は無いということで、おとなしく死んでほしい。


「こういうメチャクチャな注文をするのは……おそらく司だな」

「さすがコージ。何度も僕に焼肉奢ってくれてるだけあって、そこんとこよく分かってるじゃねーか」

「あんちゃんそんなに何回も焼肉たべてるの? いいなぁー」

「ちょっと司、あんまりコージくんに無理()ったらアカンよ?」

「だーいじょうぶ、どうせ経費だから遠慮するなって社長(コージ)本人が言ってたし」

「それはそうなんだが、お前ほど遠慮しない者もなかなか居ないからな?」

「……弘治くん、今日のコレも経費でなんとかならないかな?」

「無理ですね」


 そんな会話を弾ませながらも、僕は手をしっかり動かして肉を焼いていく。金網の上は大盛況だ。


 まぁコージが焼肉を奢ってくれてると言っても、基本的には会社の飲み会とか食事会の枠だから参加者は僕だけじゃないんだけどな。

 たまにサシで食事に行くこともあるが、それはノーカンでいいだろう。親友と食事に行くのを遠慮する必要なんて無い。会社じゃ上司だからって理由をつけて奢らせてはいるけど。


「よし焼けた、上カルビお待ちィ!」

「やったー! カルビだぁ!」


 それはさておき、今は肉である。

 上カルビはたくさんあるので、他人のペースなど気にせず食べ放題だ。姪の分を取り、自分の肉もタレの入った小皿に取ったら、すぐさま金網の空いたスペースに生肉を補充していく。

 そして次の肉が焼きあがるまでの合間の時間で、ほどよくタレが絡んだ肉を、ご飯と共に食す。

 うんうん、やっぱり焼肉はこうでないと。タンやハラミも良いが、やはり焼肉の花形はカルビ。口の中に広がる肉と脂のハーモニー、胃が受け付ける限りいくらでも食べたいぐらいだ。


「それにしたって、上カルビ15皿分って(おお)ない? なんで司、こんなに注文したん? アホなん?」

「いやでも5人だし、1人あたり3皿分と思えばそんなに多くなくない?」

「わたし健康によくないから、脂が多いお肉はそんなに食べへんのやけど」

「俺もなぁ、流石に50を()えると歳でなぁ……食べたくても全然食べれないんだわこれが」

「それはまぁ僕も多少は分かるけど……でも僕とるぅちゃんと、あとコージもいっぱい食べるしこんなもんじゃない? どうせこの店、1品あたりの量って少ないし」

「やはりコイツに注文の端末を持たせたのは間違いだったか……」

「おいコージ、聞こえてっからな?」


 なんだか不名誉なことを呟いているコージを睨みつけつつも、肉を焼く手は止まらない。ちゃんと火が通ったことを確認しつつ、自分と姪の皿に交互に入れていく。僕自身はともかく、姪に加熱の甘い危険な肉を食べさせるわけにはいかないからな。


 だがそうやって食べ進めていったある時、姪の口から出たのは信じられない言葉だった。


「あ、ちょっとあたしそろそろ他のお肉も食べたいし、カルビはもういいや」

「えっ、るぅちゃん?」

「だそうだ。責任を持って残りは頑張れよ。俺も流石にこうも連続で食べていると、脂がキツくなってきた」

「ちょっコージ?」

「まだ結構あるなぁ……この量、司1人じゃキツイんじゃないか? なんなら父さんが手伝ってやろうか? あまり多くは無理だけど、かわいい金髪ロリ巨乳の娘が『あーん』ってしてくれたら食っちゃうなー! はっはっは!」

「このカルビ、いい感じに焼けてそうやね。はいパパ、あーん」

「あっづぅ!? だからちょっとは冷まして!? せめてタレに浸けてくんない!?」


 懲りない父さんは置いといて、僕は考えを巡らせる。この量、最初に来た分から比べれば残りは4割ぐらいか? まだ半分近くあるじゃねぇか。

 万全の状態ならいける量だが、如何せん僕はこれまでに上カルビだけで3皿分は食べている。1皿あたりの量自体はさほど多くないので、量だけならいけると思うが……問題は胃が脂を受け付けるかどうか、その限界ライン。ふむ、まだいけそうだな。勝手に30歳男性(もとのからだ)の耐性で計算して危惧してたけど、今の身体なら普通にいけるんじゃないかこれ。ちょっとペース上げてみるか。


「はふはふっ、もぐもぐ、むしゃむしゃ」

「お、いい食べっぷりだなぁ! このペースなら完食いけるんじゃないか?」

「限界やったら無理せんでもええからね。なんやったらパパが頑張ってくれるやろうし」

「ちょ、きらら? 俺そんなこと言ってないんだけど……」

「司、全部1人でいけるのか? 俺もいくらか野菜を挟めば、多少は手伝えるようになると思うが」

このかはふぁはら(この身体なら)あふふぁふぉへんへん(脂も全然)ひふふふぁいひ(キツくないし)いふぁいほ(意外と)ひふぉひへほ(ひとりでも)いへふぉうはわ(いけそうだわ)

「何言ってるか分からん、食べながら喋るんじゃない」

『この身体なら脂も全然キツくないし、意外と1人でもいけそうだわ』

「こいつ脳内に直接……!?」


 コージの方から僕が食べてる途中に話しかけてきといて、この扱いはちょっと理不尽すぎない? そう思わないでもないが、まぁいいだろう。今の僕は機嫌がいいのだ。特に文句も言わず、念話で言い直すだけにしておいた。

 なにしろこれほどまでに脂の多い肉を連続して食べても、まだまだいけるのである。若さの力って素晴らしすぎだろ、脂がいくらでも食べられるぞ。うおォン、僕はまるで人間火力発電所だ!


「んくっ、ごくっ……ふー、満足」

「まさか本当に全部食べきるとは……」


 そうやってしばらく黙々と食べ続けること(しば)し。最後にミックスジュースを飲んだ僕は、スッキリした気持ちで上カルビの軍勢に勝利した。

 流石にこれ以上はキツかったと思うが、最後まで美味しくいただけたので大満足である。苦しみながら食べてるようじゃ元も子もないからな。


 ていうかさっき≪人化≫したままでも何気なく念話が使えたけど、この状態だと妖力は使えないはずでは?

 念話だけは特別なのか? それともほとんど妖力を消費しない術だから、この形態でも扱える程度の微量の妖力で発動しているとかなのだろうか。謎である。

 まぁ結局のところ喋ればいいだけなので、使えたところでという話ではあるが。せいぜい先ほどのように、口にものが入っている状態でも喋れるのが利点という程度か。


「あんちゃん、ウインナー焼けてるよ。1本いる?」

「ありがとう、るぅちゃん」


 そこに姪からの差し入れとして、先ほどから金網の上で転がしていたウインナーを1つ貰った。姪が手ずから焼いたウインナーともなれば、カルビ軍に打ち勝ったご褒美として申し分ない。さしづめウイニングウインナーといったところか。


「ウインナーは熱いから、冷ましてから食べるようにしようね。僕もしばらく取り皿に置いとくよ」

「ん、わかった!」


 子供はすぐに熱いものも口に入れてしまうので、念のため注意しておくのも忘れない。

 そんな僕からのアドバイス通りに、一旦取り皿に入れた熱々ウインナーに、ふーふーと息を吹きかけて冷ます姪。かわいすぎるだろ。この光景だけでご飯が進む……あっ、ご飯はもう全部カルビと一緒に食べたから残ってなかったか。どうしよう、おかわりしよっかな。


 などと考えながら次の肉を焼いていたら、呆れ顔のコージが話しかけてきた。


「それにしても司お前……あれだけカルビを食べたあとに、よくまだ食べられるな」

「ん? 普通じゃね? いつも2人で焼肉行く時も、僕これぐらいは全然食べてるじゃん」

「それはそうなんだが、身体が小さくなったのだから当然食べる量も減ったはずだろう?」

「ああうん、ちょっとだけな。ってか前にもその(はなし)したじゃん、病院で倉尾の診察受けてる時に」

「……いや、言われてみれば確かに食事の量は少し減ったというようなニュアンスだった気がしないでもないが。待ってくれ、少しとはそんなにも少しだけしか変わらないものなのか?」

「俺もなぁ……瑠奈(るな)と同じぐらいに小さくなったんだから、せいぜいよく食べる子供くらいだろうと思ってたんだけどなぁ。そしたらむしろ、カルビなんかは前より多く食べる勢いだしさぁ。今日の支払い、俺の小遣いからなんだけど……」

「ふふっ、それはドンマイやね。あ、店員さん(ナマ)1つ追加で」


 父にドンマイと慰めの言葉をかけつつも追撃をかける母は、なんというか流石と言うべきか。夫婦として付き合いが長いだけあって、遠慮の要らないところをよく分かっていた。僕も見習わせてもらおう。


 しかし確かに言われてみれば、この身体になってからコージと一緒に食事をするのは初めてだった。倉尾の診察の時にも特別具体的に食べる量を説明した覚えも無いし、男だった頃とほとんど変わらない食事量を見れば驚くのも無理は無かったか。

 姪が食べる量とかと比べても、一体どこに入ってるんだってレベルだしな。まだまだ余裕とは言わないが、まだそれなりには食べられる。焼肉は限界まで食べるもの、己との戦いだからな。


「お、ハラミもうすぐ焼けそうだな。裏返しとこ。ウインナーもそろそろ食べれる頃かな? はむっ……」

「でもまぁそんなによく食べるんやったら、司も朝のジョギング毎日しっかりやらなアカンね」


 そうやってほどよく冷めたウインナーを食べようと、大人の男だった頃よりも小さくなった女児の口でかぶりついた時。

 ちょうど母の何気ない一言(ひとこと)が耳に入り、僕は一瞬フリーズした。


「……母上、今なんと? ジョギングを? 僕が? 毎日?」

「喋り方おかしくなってるぞ」

「あははっ! なんかあんちゃん変になってるー!」


 姪のかわいい声が隣から聞こえてくるが、今はそちらに意識を割く余裕が無い。姪のかわいい笑い声を頭の中で愛でることにも、脳の半分ぐらいしかリソースを使えなかった。


「だって女の子やからね、体型維持は気ぃつけな。そんだけカロリー取ったんやったら、消費もしっかりしなアカンよ?」

「でっでも、僕って食べても太らない体質だし?」

「そうは言っても限度があるんやない? 司っていっつも、ゲームばっかりしてゴロゴロして過ごしてるわけやし。それだけ動かへんかったら流石に太ると思うんやけど」


 ふむ、なるほど。母の言い分は理解した。ゲームばかりやっててゴロゴロして過ごしてるというのも、言い逃れできない事実すぎて反論の余地が無い。つらい。

 つまり今の僕では、これ以上アレコレと言葉を並べても無駄だということ。やらない理由を並べての抵抗は無意味。ならばやることは1つ。

 それは――ゴネるッ!!


「やだやだやだ! ジョギングやっだもーん!! 毎朝とか走りたくない! 絶対に走りたくないでござる!! 絶対に走りたくないでござる!!」

「うわっ急に子供みたいにゴネるな! あと意味もなく俺のスーツを引っ張るんじゃない!」

「子供ですー! 僕子供だからー! DNA鑑定でもしっかり10歳少女ですぅー!」

「えぇ……?」

本当(ほんま)にこの子は……」

「あはははっ! あんちゃんおもしろーい!」


 そんな僕の様子に両親は呆れ気味であったし、周りの席の他の客も何事かとこちらを見る始末。

 だが僕はここで諦めるわけにはいかないのだ。早起きと運動なんて僕が最も嫌いな物の中の2つだ、それがセットで来るとか認めるわけにいかねぇんだよォ! 僕は絶対に負けない! 全力でゴネるぞこの野郎!!


 そうして必死の抵抗の甲斐もあって、なんとか毎朝ジョギングをすることだけは回避することに成功するものの。

 なんだか人として、大人として失ったモノが多すぎるのではないかという気分になったのは、言うまでもないのであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 妖怪なのでバクバク食べても太ったりしないのじゃ。接種した熱量(カロリー)は妖力へと変換されるので。
[一言] え?失う物なんてまだ残ってたの??
[一言] 元成人男性がTSして子供になった後に子供っぽく振る舞うシーン大好き!!!最高!!!
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