6. 海の家
海へと飛び込んだ僕たちは、とりあえず水をかけあって遊んでいた。
姪と遊ぶということは、水をかけあうだけで楽しいものである。水が苦手なミィを慣れさせた方がいいという背景も一応あるので、おもむろに水をかけてきた姪の判断は正解だったと言えよう。実際は特に何も考えてなかったんだろうけど。
「くらえー! あはははっ!」
「うおっ!? るぅちゃんめ、やったなー!」
「うにゃあっ!? こっちにもかかってるのにゃぁ!」
そうやって水遊びに興じているのは、姪とミィと僕。見た目で言えば僕もロリ巨乳狐娘なので全員子供に見えなくもないが、実質的にはお子様組とそれに付き合う大人といった構図である。決してお子様3人組ではない。
「海で無邪気に遊ぶ美少女たち……最高に尊いわね」
「瑠奈も楽しそうやし、こっちでも友達できてるみたいでよかったわ」
「きらりん、お前さんはあっちに混ざらんでもいいのか?」
「わたしはええんよ。もう子供やないから」
「ガハハッ、そうかそうか! そりゃ悪かったな!」
少し離れたところで観戦している大人たちの中で、きらりんの事情を察してなさそうなケントさんが豪快に笑っていた。恐らく僕のことも含めて大人ぶった子供だと思っているのだろうけど、これについては虚偽の年齢を申告したきらりんの方に非があるだろう。おとなしく子供扱いされとけと思う。
ていうか自分で12歳だと言い出しておいて、子供じゃないというのは割と無理があると思うのだが。
「おーい瑠奈ちゃん、ボール借りてきたぞー」
「あっボール! ありがとー、社長のおじさん!」
と、そこにカラフルなビニール製のビーチボールを抱えたコージが戻ってきた。
浅瀬の水をかき分けながら、海の家の方からこちらにやってくるのは一応僕の雇用主たる社長である。そんな男をパシリ同然に扱ってボールを借りに行かせる姪は将来大物になるに違いない。
まぁ実際のところは、コージが気を利かせて勝手に取りに行っただけなのだが。
「パス! ヘイコージ、パスパス! マイボマイボォ!」
「お前はこのボールで何の球技をやるつもりなんだ」
僕はなんか適当に球技っぽい掛け声を出しながら、コージが投げてきたビーチボールを両手でキャッチした。自分で言っといてアレだけど、これ何の掛け声だっただろうか。思い出せないから別にいいか。
「いくよ、るぅちゃん。それっ! あ、しまっ……」
「よっ、とうっ!」
「ごめん、ナイスゥ!」
とりあえずビーチボールも手に入ったので、僕は手始めに軽くポーンと姪に向けて手で弾いた。
しかし最近はこの身体にも慣れてきたとはいえ、それはあくまで日常や戦闘における直接的な動作についてである。物を打って飛ばすというのは案外難しく、狙っていたよりも少し手前に着水……するかに思われたが、そんな僕のミスを姪は持ち前の運動神経でカバーしてくれた。
水面ギリギリに差し込まれた手によって打ち上げられたボールは、太陽の輝く青空に向かって真っ直ぐ舞い上がる。なんと巧みなボール捌きだ。流石は昼休みにドッジボールなんかをよくやるだけのことはある。
「次ミィちゃん! それっ!!」
「にゃっ!?」
そして姪は落ちてきたボールを、タイミングよくミィへと向けて打ち付けた。
2回連続で触るのはバレーボールなら反則だが、今僕たちがやっているのはただのボール遊びである。そこに細かいルールは存在しない。強いて言うなら姪がルールだ。
「えいにゃっ!」
「あ、落としちゃった」
しかし急なパスだったからだろうか。ミィが弾いたボールは次へと繋がることなく、そのまま水面へと叩きつけられてしまった。
普段のミィの体捌きからすれば、ミィもまた運動は得意そうなものなのだが。明らかに反射神経もいいし、不意打ちでも対応して返してくるかなと僕も身構えたが、その必要はなかったようだ。
「うにゃ……難しいのにゃ」
「ミィちゃんバレーボールとか苦手なの?」
「球を打って狙った方向に飛ばすとか、普段やらないから慣れないのにゃ。転がして遊ぶのなら得意なんだけどにゃぁ」
「猫かよ」
「にゃ? ミィは猫だけどそれがどうかしたのにゃ?」
「ん? ネコでしょ?」
「いやそうなんだけどさ、そうじゃなくて……」
そんなミィの姪に対する受け答えを聞いていた僕は、ボールを転がして遊ぶとか本物の猫じゃんとツッコんでみたのだが。
しかし猫又獣人のアバターのことを言っていると思われたのか、姪にまで何言ってんだコイツみたいなリアクションで返されてしまった。これでは僕が急に当たり前のことを言い出しただけみたいじゃないか。解せぬ。
と、僕がなんだかモニョモニョとした気分になっていると、近くで様子を見ていたコージが口を挟んだ。
「今のアンの発言にそう深く触れてやるな、ミィさん。これはボールを転がして遊ぶという行動がまるで本物の猫のようだという比喩的表現であってだな」
「待てコージ、解説やめろ」
「あ! そっかぁ! そっちの意味だったんだね!」
「にゃ……? ああ、そういうことなのにゃ? まあ実際ミィは猫みたいなもんだけどにゃあ……」
「詰めが甘いな、アン。『例えツッコミ』は分かりやすさが大切だぞ」
「くっ……お前にツッコミを語られるとなんか腹立つな」
どうして僕は、ゲームの中で海に来てまで社長から例えツッコミのなんたるかを説かれているのか。
かなり釈然としない思いではあったが、言われてること自体は間違いではないので反論は飲み込んだ。僕は無駄な反論はしない主義なのだ。特にコージ相手だと、だいたい言い負かされることが多いし。
「でもどうしよ、ミィちゃんが苦手だったらあんまり楽しめないかな? それとも練習とかしてみる?」
「正直ちょっとやそっとの練習で、できる気はしないのにゃ。リアルと身体の勝手が違いすぎるのもあるしにゃぁ……」
「んー、そっかぁ」
優しい姪はそんなミィでも一緒に楽しめる遊びを模索しようとしていたが、この様子だとボール転がし以外は無理そうである。かといって砂浜はボールを転がすのに向かないし、どうしたものか。
というかリアルと身体の勝手が違うからというのは、流石にあまり関係ない気もするが。僕だって身長170cmの成人男性から134cmのロリ巨乳狐娘になったけど、ちょっとボール捌きが下手になったぐらいであそこまで酷くはないし。
それにゲーム側のモーション補正だってあるし、猫がVRゲーム機をかぶって人間として遊んでるとかでもない限りは、アバターの体型を弄ったとしても少々感覚がズレる程度でしかないだろう。
リアルの方で身体が不自由だったりなんかの理由で、ゲーム内でしか腕が上手く動かせないとかならともかく……あ、その可能性も別に無いわけではないな? 一応その辺はあまり深く触れないようにしとくか。
とりあえずこの場の責任は、ボールを持ってきたコージにでも押し付けておこう。
そう考えた僕は、特に理由も無く社長に向かって抗議した。
「どうすんだよコージ、お前の持ってきたボール全然役立ってないぞ」
「ふむ……それならみんなで海の家に行ってみて、遊べそうなものを物色してみたらどうだ? ビーチボール以外にも借りれるものは色々あったぞ」
「おぉーそれいいかも! あ、でも……せっかくおじさんがボール持ってきてくれたのに、こんなにすぐ使わなくなっちゃうのも悪いっていうか」
「いいさ、気にしないでくれ瑠奈ちゃん。このボールは大人組で使って遊んでおくからな」
「ん、それならいっか。じゃあさっそく行こっ!」
「うん。行こっか、るぅちゃん」
「ミィでも遊べるオモチャを探しに行くのにゃあ!」
ボールを持ってきたコージに対する思いやりの心も忘れないだなんて、相変わらず姪は優しさが天使すぎるな。理想の上司かよ。
そんなことを考えながらも僕は、バシャバシャと足元の水を掻き分けて突き進む姪の後をついて行く。何があるのかとワクワクしているのか、若干濡れてる狼の尻尾がブンブンと左右に振られている。かわいい。
楽しそうな姪の姿を見てテンションが上がった僕もまた狐の尻尾を振りながら海の家に到着すると、そこはまさに海の家といった感じの施設であった。
ほどよく古びた木製の風通しが良い建物、疎らに設置された日除けのすだれ、涼し気な音を奏でる風鈴、あとテラス席、それを利用する水着の人々。僕のイメージの中にある海の家を、そのまま大きくした感じである。
それとカキ氷や焼きそばをはじめとした定番な飲食物を売っており、その隣には遊具を貸し出してくれるスペースも設けられている。恐らくここでコージはビーチボールを借りたのだろう。
「あそこで借りれるみたいだね。るぅちゃん、どれがいい?」
「ん、どれにしよっか迷うけど……でも、その前に」
「あっちも気になるにゃ!」
「ハハハ……」
しかし今回は遊び道具が目的ではあるのだが、お子様2人には食べ物の方も捨てがたかったらしい。
かくいう僕も、こういう場の空気に呑まれて割高なフードメニューを食べたくなるという気持ちは分からないでもない。それにゲームなのだから食事が必須でないにも関わらず人で賑わっているのも、つまりはそういうことなのだろう。みんな考えることは同じである。
そういうわけで僕たちは、食事スペースの方を先に見てみることにした。
よく見れば海の家の調理場だけでなく、建物の外にもいくつか屋台が隣接しているようだった。これについてはゲームなのだからその気になれば完成品の料理をポンと出すことも出来るはずなのだが、敢えてこうやってわざわざ調理するのは一種のパフォーマンスなのだろう。姪たちも目を輝かせて興奮している。
実際僕も屋台から漂う匂いを嗅いでいたら何か食べたくなってきたし、宣伝効果は抜群だ。焼きトウモロコシか焼きそばかどっちにしよう。フランクフルトも捨てがたいな。
「何を食べようか迷ってるようだな!? そんな美少女たちが困っているところに俺参上!」
「は!?」
「えっ!? 何!?」
「誰にゃ!?」
と、そうやって何を食べようか迷っていたところ、急に近付いてきた男に声を掛けられた。まさかそんな風に知らない相手から話しかけられると思っていなかったため、僕たちは思わず驚いてしまった。
ましてやその男は、白い西洋風の甲冑に身を包んだ不審者であった。まぁこの世界はあくまでファンタジー風ゲームなので、フルプレートアーマー的な鎧を着込んでいること自体はいいとしても……だとしても海でまでその姿なのはおかしくない? 水着着ろよ。
あっ、でもよく見たら鎧の上から海パン穿いてるな? じゃあ問題ない……いや問題しかねぇわ。むしろ普段の装備から着替えてないだけって言い訳が通用しない分、余計に不審者だよ。
これが現実だったら姪に防犯ブザーを使わせているところである。とりあえず僕は咄嗟に庇うように姪の前に出たが、どうやらその判断は間違いではなさそうだ。
「俺のオススメはイカ焼き! 何ならかわいい水着のお嬢ちゃんたちには俺が奢ってあげてもいいぜ?」
「にゃ? 食べ物くれるのにゃ? オマエ良い奴だにゃぁ!」
「えっ……えっと、でも知らない人から食べ物もらうとかダメだってばーちゃんに言われてるし……」
「それでいいよ、るぅちゃん。ていうか誰だよテメーは、いきなり現れて好き勝手言ってんじゃねーぞ。何を食べるかなんて自分たちで決めるし、あと僕イカあんま好きじゃねーから」
「何? イカ焼きはお好きでない? だったら次点でのオススメは……」
ダメだな、自分で決めるって言ってるのに一向に引く気配が無い。しつこいナンパ野郎もいたものである。
僕は内心舌打ちをしながら、とりあえずPT会話でコージとケントさんを呼ぼうと決めた。あの2人の鍛え上げられた肉体(アバターだけど)を前にすれば、そこらの軟派な男など一目散に逃げ出すことだろう。少なくとも僕なら怖気づいて逃げ出す。
と、頼れる男たちを呼び出すべくSOS信号を出そうとしたところだった。
僕はいつの間にか鎧の不審者の傍に、目付きの鋭い銀髪の女性が仁王立ちしていることに気付いた。その黒い水着は僕のよりも更にフリフリで、ゴスロリ風の水着とすら言えるような代物なのだが……こんなに存在感のある人を、今まで僕は見逃していたのだろうか? 見逃してたのかもしれない、目の前の鎧の男もまた存在感が強すぎる。
まぁ今はそんなことどうでもいい。とにかくこの場をなんとかするため、コージたちを呼んで――
「お前、性騎士だな? アタシらを差し置いて抜け駆けするとはいい度胸じゃねーか」
「んん? 如何にも俺は『聖騎士ヴァイス』だが、何か用でも……ゲェッ!? アンタは『障子にメアリー』!?」
おっ? 流れ変わったか? 立場はよく分からないがこの女性、鎧の不審者を咎めているのだというのはなんとなく分かる。
なんかこのままほっといたら勝手に解決しそうな空気だな。コージたちは今ビーチボールで遊んでるはずだし、呼ばなくていいならこっちとしても気が楽なんだが。
「お前ら、コイツ連れてけ」
「「「「イエッサー!!」」」」
「やめろー! 離せー! 俺はただオススメの料理を教えただけなのにー!」
「うるせぇ、この子たちが迷惑がってただろうが。言い訳は地獄でしてろ」
あ、うん。なんかよく分からない内に解決したわ。それにしても口悪いなこのお姉さん。
僕たちがただただ見ている内に鎧の不審者は、数人の男たちに連行されて人気の無い岩場の方へと連れ去られた。どうやら危機は去ったようである。何だったんだマジで。
「もう安心しろ、嬢ちゃんたち。あの変態は後はライフセーバーどもに任せとけ」
「ん、なんかよくわかんないけど、お姉さんありがとう?」
「一体なんだったのにゃ……?」
「ていうかあの人たちライフセーバーなんです?」
「自称だけどな」
「自称」
未だに状況がよく飲み込めないが……どうも話によると、ボランティアでライフセーバーの仕事をしているプレイヤーの人たちが助けてくれたらしい。まったく良い人たちもいたものである。僕なら見返りも無しに働かないぞ。
海ともなるとナンパ男もいるようなイメージなので姪の遊び場として不安だったが、ああいう治安を守ってくれる人たちがいるなら多少は安心だ。本来なら迷惑プレイヤーは運営が取り締まるべきだとも思うが、運営が動くほどの迷惑行為だと言い切れない部分もあるだろう。そういう際どいラインを取り締まってくれるなら大助かりである。
そうやって僕が海の治安事情に思いを馳せていると、唐突にミィが何かに気付いたように叫んだ。
「にゃっ!? しまったにゃ、イカ焼きもらってないのにゃ!」
「ミィお前マジで貰うつもりだったの?」
どうやらミィは、鎧男が奢ってくれると言っていたのを真に受けていたらしい。
本当にコイツの危機感というか、その辺の認識はどうなっているのか。いくらゲームの中とはいえ、猫でももう少し警戒すると思うのだが。
「そういえば性騎士の奴そんなこと言ってたな……よし、それならアタシが奢ってやるよ。今回の件は半分身内が迷惑かけたようなモンだからな」
「いいのにゃ!? オマエ良い奴だにゃ!!」
「ちょっミィ……いや、悪いですよ。助けられた上に奢ってもらうなんて」
「構わねーよ、後でアイツに請求しとけば喜んで払うだろうし。それで狐ちゃんはイカ焼き好きじゃないんだったな、フランクフルトでいいか?」
「あっハイ。あとるぅちゃんの分もフランクフルトで」
しかしいつの間にやら、今度はお姉さんに奢ってもらう流れになっていた。どうしてこうなった。正直全く流れについて行けていないのだが、とりあえず反射的に姪の分のフランクフルトだけは手配しておいた。姪は魚介より肉派である。
それにこのお姉さんは半分身内とか言っているが、あの鎧の男と知り合いだったりするのだろうか? いや、言葉のニュアンス的にフレンドのフレンドとかか……? うーむ、わからん。
僕がその辺を疑問に思っていたところ、若干困惑気味に姪が訊ねてきた。僕の今のやりとりに、姪なりに思うところがあったらしい。
「でも……あんちゃん、いいの? 知らない人から食べ物もらって」
「うんまぁそうなんだけど……今回は助けてくれた人だし、初対面だけど悪い人じゃなさそうじゃん? あとゲームだから危険は無いし、お詫びみたいな流れなら断るのも失礼かなって」
「なるほど? あんちゃんがそう言うなら別にいっか」
姪の意見は正論であったが、大人の僕が良いと判断したのだ。そこは子供だけで勝手に判断したわけではないので問題はない。
それと敢えて姪に言うようなことはしないが、僕が童貞ゆえに女性に押されると弱いからというのもある。なんだか向こうはすっかりその気みたいだし、ここから何かと理由をつけて断るというのはなかなか僕には難しいのだ。自分で言ってて悲しくなってきた。
「ほら買えたぞ、食べな」
「やったにゃ! ありがとうにゃ!」
「ありがとう、お姉さん!」
「ありがとうございます」
「よしよし、ちゃんとお礼も言えて偉いじゃねぇか。熱いかもしれねーから気を付けろよ」
「はーい!」
「これがイカ焼きなのにゃ!? 美味いにゃぁ!」
「すごいよあんちゃん、このフランクフルトおっきい!」
そんなこんなで色々あったが、僕たちはようやく屋台の食べ物にありつけた。
興奮気味に大きなフランクフルトにかぶりつく姪の様子はバッチリ密かにスクリーンショットに収めたし、僕もいただくとしよう。いやこれマジでデカいな、子供の口ではギリギリである。顎が疲れそうだ。
「……ん? どうかしました?」
「ああいや、美味そうに食べるなって見てただけだ。気にしないでくれ」
そうやってフランクフルトにかぶりついていたところ、なんだか視線を感じたので見てみればお姉さんからであった。
感じた視線の質からして一瞬サラさんでもいるのかと思ったが、どうやら僕の思い過ごしだったようで何よりだ。ロリ巨乳狐娘が大きなフランクフルトにかぶりつくシーンなんて、あの人に見せるのは危険すぎるからな。絶対興奮気味に撮影してくるだろう。
とはいえ今は、サラさんはコージたちとビーチボールで遊んでいるはずである。
つまりここは安全圏。目の前にいるお姉さんもどうやらライフセーバーの人たちの関係者のようだし、また不審者に絡まれるようなことがあればすぐに仲間を呼んで解決してくれるだろう。
そういうわけで僕たちは、引き続き安心して屋台の食事を楽しんだのであった。
――ちなみにこのあと、知らない人から食べ物を貰ったらダメだときらりんに叱られたのは言うまでもない。




