8. 姪と一緒にお風呂に入るだけの健全イベント(前編)
実家に帰った時、一番楽しみなことって何だと思う?
そう、姪と一緒に入るお風呂だ。それはロリ巨乳狐娘になった今でも変わらない。
というか1年ほど前から男の僕とは一緒に入ってくれなくなっていたので、今日は久しぶりの一緒のお風呂である。女の子同士になったから一緒に入っていいとか言われたら、そんなのある日突然ロリ巨乳狐娘にされたことにも不本意ながら感謝せざるを得ない。
そういうわけで僕たちは今、脱衣所で服を全部脱いだところである。
ロリ巨乳狐娘となって縮んだ僕にとっては姪が以前より大きく感じるので、前ほど所詮は子供の身体だという認識ではいられないが……まぁまだ色々とツルペタな子供の身体である。いくら僕の中身が童貞だからといっても、子供に欲情するようなことは無いのだ。性別が女であることに変わりは無いとはいえ、理性で以て我慢して視線を外せばギリギリ耐えられる。
「おぉー……やっぱりあんちゃん、おっきい」
「どこみて言ってるのるぅちゃん」
そんな姪の視線の先はしっかりと、服を脱いで露わになった僕の大きな胸に向いていた。
それは巨大でありながら若さ故にか垂れることなく丸みを保っている、ロリ巨乳特有の奇跡の造形。まぁ子供な自分よりも少し小柄な134cmしかない身体にこんな凄いモノがついていたら、あまりの存在感から気にしてしまうのも無理はないだろう。僕だって未だに自分で気になるし。色んな意味で。
「うん、相変わらず柔らかい」
「んひゃっ!?」
などと考えていたら突然伸びてきたのは姪の小さな手。行き着く先は当然ながら視線の先、たわわに実った僕の胸。
いきなりすぎる不意打ちに思わず変な声が出るところだった。いや出てないから、今のはギリギリセーフな判定のはずだから。
「いやなんで揉んぁっ!? ちょっ、く、くすぐったいから! 揉むの禁止! ほら、さっさとお風呂入るよっ!」
「えー」
何故かそのまま当たり前のように揉まれてしまったが、いやホントになんで揉んだの今? 困惑のあまり、一瞬なにされたのか分からなかったからマジで焦った。
だが冷静に考えればなんということはない。ただ子供ゆえに純粋な興味から、そこにおっぱいがあったから揉んでみただけであろう。うん、これ絶対に外でやらないようあとで注意しないといけないな。既にこの前ランジェリーショップに行ったとき、店長の花村さん相手に1回やらかしてるけど。
「ふぅ……」
と、姪の倫理観の教育をどうするかに頭を悩ませつつも。
浴室に入った僕は適当にかけ湯をして、さっさと湯舟の中に退避した。もちろん入る前に姪の長い髪をタオルでまとめてあげるのは忘れてないし、ついでに自分の分もやっといたので支障は無い。
「どぼーん!」
「うおおおぅ!?」
そんな一息ついたところに、勢いよく姪が飛び込んできたものだから一瞬マジでビクッとなった。本当にこの子は相変わらず女の子なのに元気がいいというか、子供は元気が一番だからこれでいいんだけども。
まぁ浴槽のヘリをゆっくり跨られても、それはそれで僕が目のやり場に困るのだが。たとえ相手がまだ子供である姪であろうと、そんな体勢を取られれば男の本能としてつい反射的に意識が向いてしまうのもまた必然。
それであとから罪悪感に苛まれるぐらいなら、いっそ一瞬で飛び込んでくれた方がこちらも助かるというもの。
「いや危ないからダメじゃん?」
「はーい」
だが冷静に考えればダメなことには間違いないので、やんわりと注意しておいた。まぁ飛び込みに注意するのはこれが初めてではないので、またやるだろうなという確信はあるのだが。
「それにしても、あんちゃんと2人で入っても前より狭くないね」
「そりゃあね、僕の方がこんな身体になっちゃったわけだし」
姪は1年前より成長して多少なりとも大きくなっているが、それでも僕はそれを遥かに上回るほど急激に小さくなったのだ。身体のある一部分を除いて。
となれば以前は2人で入るためには密着せざるを得なかった浴槽も、比較的広々と使うことができている。スキンシップのことを考えれば、これが良いことなのか悪いことなのかは判断に困るところだが。
「んーまあいいや、えいっ!」
「わっ!? るぅちゃん!?」
しかし次の瞬間、姪は予想外の行動に出た。
なんと以前のように密着して湯舟に浸かる体勢になるよう、僕を動かした上でくっついてきたのである。お湯の中で背中を預けるその姿勢は、姪とのお風呂自体が久しぶりの僕には突然すぎて少し驚いてしまった。
「やっぱりあんちゃんとお風呂入るなら、こうやってくっついて入ってたいなって」
「それは嬉しいんだけど……でもこれ、違和感すごくない?」
「あはは、前はあんちゃんがもっとおっきかったもんね」
「確かにそれもあるんだけど……それより僕が前ってことの方が違和感あるんだけど!?」
うん、くっついてくれるのは嬉しいのでまだいい。だがしかし、以前と同じにするならば僕が後ろでは? 姪に後ろから抱き抱えられるのは違和感しかないんだが。
「でも今はあたしの方が身長おっきいし」
「ぐぬぬ」
僕はそんな抗議をしてみたが、ここまで見事に正論で返されてしまっては唸ることしかできなかった。
確かにこれまでは僕の方が大人で大きかったから後ろを取ってたわけだけど。いやしかし今の身長差は約4cm、それほど大きな差ではない。正直これならどっちが後ろでも変わらないのでは? あっダメですか、はい。
「あんちゃんは妹みたいなもんだからね、あたしがこっち!」
うーん妹じゃなくて叔父なんだけどなぁ……と、そう思いはしたものの。
嬉しそうに言い張る姪を前にしてみれば、そんな正しい事実でしかない反論などする気にもなれなかった。
姪ガチ勢である僕にとって、姪の決定はだいたい尊重したいものなのだ。
たとえそれが僕自身の男の尊厳を破壊するような妹扱いだったとしても……いや流石にキツイな。やはり僕は妹には向いてないようだ。可能なら兄、せめて姉のポジションにしてもらいたいところなのだが。
「んー……でもやっぱあんちゃんは後ろの方がいいかな」
「うん、僕もちょうどそう思ってた」
「だってこれ……尻尾が」
「それね」
ただまぁ今の僕はロリ巨乳狐娘。当然ながら、後ろから抱き着かれても身体同士が密着することはなく尻尾が間に挟まってしまっていた。お湯の中でユラユラと毛並みが揺れるそれは当然ながら毛皮のせいで姪の肌の感触を直に感じることなど出来ず、完全にただの邪魔モノと化している。
くっ……我が尻尾ながら、僕と姪の間に挟まろうとはいい度胸だ。ちょっとそこ代われ。あっいや、体の向きを変えればいいだけか。
「あ、でもあんちゃんって身体の前側は前側でおっぱい邪魔……待ってそれどうなってるの!? すごい、おっぱいって浮くんだ!!」
「えっまぁ……浮くよ」
だがそう言いながら僕の身体の前面を見た姪は、お湯に浮く僕の胸を目の当たりにして目を輝かせた。
確かに僕も初めてこの光景を見たときは感動したものだけど、まさかここまで喜ばれるとは。いくら小学生とはいえ、姪がおっぱい好きすぎて心配になってしまう。別に変な深い意味はないんだろうけど。
それにしてもこの急に興味が目移りしての食いつき、これ間違いなく直前の会話とかどうでもよくなってるやつだな。何年も姪の相手をしてきた僕にはよくわかる。こういうのは子供にはよくあることである。
「すごーい! お湯から出したらこんなに重いのに……!」
「浮力っていってね、同じ大きさ同士で比べたら水よりおっぱいの方が軽いから浮くんだ。るぅちゃんもそのうち学校で習うと思うよ」
「へぇー。あんちゃん、ちっちゃいのに物知りですごい!」
「僕これでも中身は大人だからね?」
……わざと妹扱いしたり小さい女の子として扱うのならまだしも、これ完全にその辺忘れて素で言ってない? ちょっと不安になるんだけど。なんなら元が男だということも忘れないでいただきたい。
などと多少思うところはあったものの。すっかりテンションの上がった姪は、そのままお湯に浮く2つの球体をぽよんぽよんと動かして遊び始めた。
えっいや、ボール遊びはいいんだけど……それ使う? 普通それ使う? 僕にくっついてるやつなんですけど? ほら大して動かないじゃん、押しても水面で揺れるだけじゃん。玩具のボールを浮かべて遊ぶならともかく……あっ、実質的に僕自体が玩具も同然みたいな? だったらあながち間違いではないけども。いや間違いだが。
しかしまぁこうなってしまっては仕方ない。時には人生、諦めが肝心である。願わくば変なところに触れませんように、そう祈りながらぁあっ!?
「……るぅちゃんダメ、先っぽ摘むのは絶対ダメ」
「あっごめんね、痛かった? 持ちやすそうだったからつい」
「その部分は摘まないように……っていうか、敏感なところだからなるべく触らないようにしてくれると助かるかな」
「おっけー、気をつけて遊ぶ!」
「遊ぶのは確定なんだね」
「うん!!」
くっ、なんて良い笑顔で返事をしてきやがる……! 悪魔みたいな発想の遊びしてるのに完全に天使じゃねーかッ……! 実際無邪気で悪意も無いからあんまり強く注意できねぇ……!
というわけで姪の楽しそうな様子に水を差せない僕は、仕方なく抵抗せずにボール遊びに付き合うことになった。お湯に浮かぶ肌色の球体を軽く押して動かすだけの遊びだ。
注意した甲斐もあって幸い変なところに触られたりすることは無くなったものの、なんなんだこれ。マジでなんだこの遊び。決してエッチな遊びじゃないからこそ意味不明である。これ普通のボールでよくない?
かくして僕は暫しの間、非常に困惑しながらではあったものの。ボール型の玩具として、あるいは遊び相手として。
それら全てをひっくるめて――ロリ巨乳狐娘な叔父としての役割を、なんとか無事に全うすることができた。
……なお、姪とのお風呂がまだ始まったばかりだというのは言うまでもないことである。
なにしろまだまだ、身体を洗ったり洗われたりという一大イベントがあとに控えているのだから……本当の試練は、ここからなのであった。




