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ロリ巨乳狐娘叔父さんオンライン ‐ 美少女妖狐になったけど姪とゲームがしたい ‐  作者: 菌糸雀
第1章 朝目が覚めたらロリ巨乳狐娘になってたけどそのままゲームする
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9. これからのこと


 短剣使いの先輩プレイヤーから良い情報は得られたが、慣れない態度での接し方をされて少し疲れた僕はほっと一息つく。


「ふぅ、なんていうか女の子扱いされるのって疲れるなぁ。こんなんでこの先やっていけるのかな……」

「あはは……まぁ、ああいう人はあたしもちょっと苦手だし。普通の女の子でも疲れてたと思うよ」

「そうなんだ? じゃあ別に僕がおかしいわけじゃなかったんだ、よかった」

「うん。ていうか普通に女の子としてやっていこうとしてるけど、結局そのアバターのままやる感じ?」


 一難去って油断したところに姪から予想外のツッコミが入ってしまい、思わず思考が一瞬フリーズする。

 ヤバい。今まで完全に受け入れてくれてる感じだったから油断してた。まぁそうなりますよね、はい。


「……うん、実はキャラ作りなおしたりもしてみたんだけどね。どうしてもこのアバターにしかならなかったというか」


 嘘は言ってない。実際僕は一度アバター作成の段階でやり直してる。しかしながら朝の時点で既にこの体を自分の体と認識してしまっていたせいか、どうしてもこのロリ巨乳狐娘でしかアバターが作れなかったのだ。

 一応アバター作成画面で耳や尻尾を消そうとしてはみたものの、残念ながら腕の本数などと同じで変更できなかった。事故などで体を欠損した人が五体満足のアバターを作ることはできるらしいのだが、僕がやろうとしたのは「なんか隻腕ってかっこよくね?」みたいなノリで腕を減らすとかと同じだという判断らしい。そりゃ出来るようにするべきではないと思うけど。

 一応少しだけ耳や尻尾を小さくしたり髪色を目立たなくすることも出来なくはなかったが、最終的にはやっていない。その部分はもはやヤケクソである。

 ……今にして思えば、胸は可能な限り小さくした方がよかったとは思うが。


「まぁ運営の対応次第かな、もうメールも出してあるし」

「えーっ直しちゃうの? このままでもいいのに」

「ハハハ……直ったら、ね。直らなかったらこのままやるよ」

「でもこんなの修正されるだろうしなぁ……だってバグなんだよね?」

「うん、バグだからね」


 半分騙しているようで心苦しいのだが。残念がる姪には悪いが、実は恐らく運営による対応はあまり期待できない。

 というのも、現状ではあくまで僕は『正常にアバターを作成したロリ巨乳狐娘』であり、『元の姿だと言い張っている成人男性の姿』にアバターを変えたいとごねているだけだからだ。

 スキルは習得条件の穴を突いたようなものなので没収されるかもしれないが、体はこれで正しい。現実世界で元の体に戻らない限り、修正される要素があまり無いのだ。


「……まぁ、運営からの手ごたえはあまりなかったから。少なくともしばらくは直らないと思うよ」

「えっ本当!? やったー!」


 これは完全に嘘だ。運営からの返事は来ていない。

 しかし残念がる姪の姿を見て、つい嘘をついてしまった。

 ただ、嘘も方便と言うものだしこれはこれでいいだろう。どうせ元の体に戻るかどうかは分からないのだ。それならばガッカリしながら戻るのを待つよりは何も知らずに戻らないことを信じていてほしい。僕は僕で戻れることを信じておく。


「そういうわけで、当分戻らない前提での僕のこれからの予定だけど。まずこれから数日は今日みたいになるべく目立たないように路地裏と変装で行動する」

「これから数日はってことは、そのあとは違うの?」

「うん、目立ちたくないっていうのも物珍しさの視線が全身に突き刺さるのが嫌ってだけだし。何日かすればネタ装備やレア装備を着けてるプレイヤーも増えるだろうし、僕の特異性も薄れるんじゃないかなと思う」

「ん、それはそだね。周りが初期装備だらけだから目立ってるのであって、そうじゃなくなればマシになる……あっじゃあさ、あたしからも1つ提案あるんだけどいいかな?」

「提案?」


 そんな僕の作戦を聞いた姪が提案を投げかける。その表情は、役に立てることが嬉しいような、これから楽しみなことを始める時のような。


「今って明らかな初期装備に耳と尻尾をつけてる見た目なわけじゃん? これって結構浮くと思うんだよね」

「なるほど確かに」


 言われてみればもっともだった。見た目だけ見れば初心者がレア装備を持っているに等しい。これでは余計な注目を集めるだろう。


「だからさ、全く目立たなくするとまではいかなくても、今でも多少は違和感を無くせるんじゃないかなって」


 姪の言わんとしていることはなんとなく分かった。これからやろうとしていることも。だからこそ不安はあるが、それが姪からの提案ならば激甘叔父である僕は首を縦に振るだろう。


「というわけで! 一緒にかわいいの選んであげるから。防具、買いに行かない?」


 かくして、ワクワクを隠し切れない素敵な表情の姪にショッピングへと誘われたのだった。


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[一言] そして僕は新たな扉を開くことに成るのだった
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